2022年11月10日(木)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

(1)11/9欧米マーケットのドル円影響:仮想通貨交換業最大手FTXトレーディング由来のリスクオフや米国中間選挙不透明感でドル円上下に変動する展開が続いたものの、与党民主党躍進の見方が強くなりドル円上昇。本日スタートはこの上昇を引き継ぎやすいと想定します。

(2)米国中間選挙投開票:大勢は決まりつつ、サプライズなければ材料になりにくい。

(3)米国経済指標(⑥):最大の注目は、消費者物価指数(特にコア)(直近3回発表日:8/109/1310/13

(4)FRB要人発言(②)

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

6:00 要人発言
米国エバンス・シカゴ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)(Bloomberg
「利上げペースを落とし始める時期」
「政策金利の大幅な引き上げは、景気後退リスクを高め雇用責務を脅かしかねない」

【考察】ハト派発言、景気後退懸念発言

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

10:03 要人発言
黒田日銀総裁(日銀半期報告、参院財政金融委)(Bloomberg
「金融緩和継続し、日本経済を支える」
「金融・為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視」
「コアCPIは年末にかけてプラス幅縮小と予想」
「消費者物価前年比、2023年度以降は2%下回る見込み」
「急速で一方的な為替変動は好ましくない」
「目標達成が見えれば出口戦略を議論する」
「出口戦略の具体的な手法は時期尚早」
「マイナス金利の引き上げペースは出口戦略の一つ」

【考察】金融緩和継続発言、円安牽制発言、出口戦略発言。特に今までより具体的な出口戦略発言があったためかドル円下落。

10:13 要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「従来の経済モデルは、現在適切に機能していない」
「インフレを抑えるためにあらゆる手段を講じる」
「賃金はインフレ促進より、インフレに追いつこうとしている」

【考察】タカ派発言

16:08 要人発言
黒田日銀総裁(Bloomberg
「(岸田首相との会談で)金融緩和継続により賃金上昇ともなうインフレ目標実現目指すと説明」
「国民生活の安定、構造的賃上げに取り組む」
「一方的で急速な円安望ましくない」

【考察】金融緩和発言、円安牽制発言。

16:00 要人発言
米国ウォラーFRB理事(2022年FOMC投票権あり)

欧州マーケット(17:00~25:30)

22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回21.7万件(改定21.8)、予想22.0万件、結果22.5万件(×)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回148.5万件(改定148.7)、予想147.5万件、結果149.3万件(×)

22:30 経済指標
米国消費者物価指数10月度(CPI)(Bloomberg
FRBが金融政策を決定する上で、インフレ変動を把握する重要指標。CPIは米国生産者物価指数(PPI)の川下に相当する指標でPPIより注目度は高い。コア指数が特に重要。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回0.4%、予想0.6%、結果0.4%(△)
前年比:前回8.2%、予想7.9%、結果7.7%(×)
コア前月比:前回0.6%、予想0.5%、結果0.3%(×)
コア前年比:前回6.6%、予想6.5%、結果6.3%(×)

【考察】
発表前:直前から結果への警戒感でロング勢の決済が入ったためかドル円下落。
発表後:注目度の高いコア指数を含め予想より弱い数値。サプライズ。「米利上げ期待後退(12月FOMCでの利上げ幅予測が75bpsから50bpsへの縮小観測)→米国債利回り急落→ドル円暴落」

NYマーケット(23:30~30:00)

23:01 要人発言(Bloomberg
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「2023 年に 3.5%、2024 年に 2.5% のコア PCE インフレ低下を予想」
「景気抑制的スタンスに近づいており、今後数カ月で利上げペースの減速を予想」
「政策は指標次第で、2023年のどこかで利上げ停止を予想」
「2023年は1.5%の成長予想、失業率は4.5%がピーク」
「50bps利上げは依然として大幅」
「政策金利4.50%で一時停止を望む」

【考察】利上げペース減速はハト派発言でドル円下落継続。

23:40 要人発言
米国ローガン・ダラス連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)(Bloomberg
「金融政策評価のために、利上げペース減速が近く適切になり得る」
「経済の冷却プロセスは始まったばかり」
「消費者物価指数データは歓迎すべきだが先は長い」
「利上げペース減速は一段と緩和的な政策を意味しない」
「景気減速は需要や物価を緩やかにすることに適切」

【考察】ハト派発言、タカ派発言。直前までのドル円下落勢い強くタカ派発言の影響薄。

23:46 要人発言
米国バイデン大統領
「米国はインフレ抑制に向けて前進」
「インフレが通常の水準に戻るには時間が掛かる」
「消費者物価指数は、ホリデー シーズンを前に必要とされているインフレ低下を示す」

25:02 要人発言
米国ホワイトハウス(Bloomberg
「バイデン大統領と中国・習近平国家主席は11月14日にバリ島で会談する」

【考察】米中関係改善期待のドル買い材料。ドル円急落減速。

25:04 要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)(Reuters
「消費者物価指数が予想より上昇しなかったのは非常に良いニュース」
「一カ月だけの指標結果でインフレへの勝利とは言えない」
「インフレ抑制への固い意思がある」

【考察】タカ派発言でドル円急落止まり。

26:31 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)(Bloomberg
「労働市場は依然として非常に逼迫」
「引き締めのやりすぎはリスクになり得る」
「金融政策のラグと累積の影響を考慮する」
「インフレ上振れリスクは残っている」
「経済の強さから利上げを進め方を決める必要がある」
「賃金圧力は高く持続している」
「10月消費者物価指数はインフレ緩和の兆候」

【考察】タカ派発言、ハト派発言。米国消費者物価指数発表から約5円下落していることから発言への反応薄。

27:00 経済指標
米国30年債入札
「入札好調→利回り低下→ドル売り材料」、「入札不調→利回り上昇→ドル買い材料」
最高落札利回り:前回3.930%、結果4.080%(◎)

【考察】利回り低下でドル円下落。

27:30 要人発言
米国ジョージ・カンザスシティ連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「CPI低下しているが依然として高い」
「労働市場の冷え込みを示唆」
「賃金上昇の鈍化には時間が掛かる」
「必要な引き締めは経済とインフレで決まり予測困難」

【考察】タカ派発言

28:00 経済指標
米国月次連邦財政収支10月度
マイナスは財政赤字、プラスは財政黒字。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前回-4297億ドル、予想-900億ドル、結果-878億ドル(◎)

米国中間選挙投開票(日本経済新聞)(Bloomberg

東京マーケット:黒田日銀総裁の具体性のある出口戦略発言でドル円下落。
欧州マーケット:注目度の高いコア指数を含めサプライズの予想より弱い数値が主因で、FRB要人のハト派発言もあったことで、米利上げ期待織り込み剥落しドル円大暴落。

(Trading View)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. JPY(リスクオフ通貨):米国利上げ期待後退→日米金利差縮小期待で買い。
  2. GBP(リスクオン通貨):
  3. AUD(資源国リスクオン通貨):豪ブロック準備銀行(RBA)副総裁のハト派発言で売り。米国利上げ期待後退→株先物・株価指数上昇リスクオンで買い。
  4. NZD(資源国リスクオン通貨):米国利上げ期待後退→株先物・株価指数上昇リスクオンで買い。
  5. CHF(リスクオフ通貨):
  6. EUR(リスクオン通貨):リセッション懸念で売り。
  7. CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
  8. USD(基軸通貨):米国消費者物価指数の弱い数値→米国利上げ期待後退で売り。

米国債イールドカーブ

11/10(木)は11/9(水)に対してブル(短期金低下、長期金利低下、長短金利差拡大)でドル売り優勢で、ドルインデックス急落と一致。

日足ドルインデックス:大陰線。チャネル下抜けでサポート108.242も下抜け。次のサポート106.486に向かって引き続き下落優勢。

日足米国債2年利回り:大陰線。チャネル下抜けでサポート4.281%到達。次のサポート4.083%に向かって引き続き下落優勢。

日足米国債10年利回り:大陰線。チャネル下抜け。サポート3.624%に向かって引き続き下落優勢。

テクニカル分析

ドル円トレード

  • 月足:10月大陽線で引け。ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。
  • 週足:11/7週、陰線形成中。
  • 日足:11/9陽線でレンジ内回帰。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:上昇チャネル。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス146.748上抜け→レジサポ→目標4H足レジスタンス147.152

②ショート
(B)1H足サポート146.150下抜け→レジサポ→目標日足サポート145.627

【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー

トレード1
・146.150下抜け→15M足レジサポ→(B)ショート→S/L到達→(B)ショート失敗 

ショート:146.094
S/L:146.325
獲得pips:-23.1

11月通算:3勝8敗、勝率27.3%、平均RR2.02
11月獲得pips:+24.2

(Trading View)

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