2023年1月31日(火)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)1/30の欧米マーケット影響:ニック・ティミラオスWSJ記者のタカ派記事の影響やリスクオフドル買いでドル円上昇。

(2)米国経済指標(⑥):最大の注目は雇用コスト指数

(3)米国要人発言(②):2月FOMC前ブラックアウト期間。よって、いつもの様にニック・ティミオラスWSJ記者(Twitter)への注目度アップ。

(4)その他:日銀5年物共通担保資金供給オペ影響、米国企業決算、TOM効果、月末ロンドンフィックス

1/31は、月末に加え、注目度の高い米国経済指標もあり判りにくい展開。乱高下に注意したい。

モーニングサテライト、ドル円参考情報

本日のドル円予想レンジ:130.00~131.00
本日は米国時間に第4四半期雇用コスト指数が発表される。雇用統計での平均時給変化率の下げ幅は鈍い為、福利厚生等の人件費を含めたこの指数の結果が注目がされる。
2/1にFOMC結果公表を控えているため、本日のドル円は様子見で小動きを想定。

注目ポイント:決算時期特有の円買いフロー
季節的な動きとして日本企業の多くが決算期を迎える3月は海外子会社等からの配当金が本社のある日本に送金される。海外で稼いだ金を日本に戻すときは、外貨売り円買い(円高)の動きになる。
例年では1年の内、3月に一番多く計上され、2022年は過去10年と比較しても非常に多くの資金が日本に送金された。2022年3月の日本への送金は1.9兆円と、単月の貿易赤字額に並ぶレベル。
今年も相応の円買いフローを予想。
また、今年度に限って言えば、期初から円安が急激に進み、企業の想定為替レート(日銀短観)を大きく上回っていた。
足元は急激に円高になったことで、一部の輸出企業はドル売り円買いの為替予約が十分にできていない可能性がある為、年度末にかけては輸出企業からのドル売り円買いの為替予約が強まるかに注目。

訪日外国人旅行者は徐々に増えていて、日本人が海外旅行に行かずに外国から日本への旅行が増えている状況。また、コロナ前ほどではないが、旅行収支(=訪日外国人の日本での消費-日本人旅行者の海外での消費)は急激に回復。日本で買い物をするために、外貨売り円買いの動きになるため円需給を考える上で参考になる。

足元は米インフレも落ち着き、利上げ停止が見え、日銀金融正常化期待でドル円が先行。
加えて、実需の円買いフローを考えるとドル円の上値が重い展開は続く。

本日の日経平均予想レンジ:27,300~27,500円
海外下落したが、昨日の日本時間で米国先物夜間取引で既に大きく下がっていたので、米株安はある程度織り込み済み。
本日はFOMC控えて、個別銘柄で見れば決算良し悪しで動きありそうだが、日本市場小幅動きを想定。

注目ポイント:日銀イベントとの使い合い方
12月日銀政策変更があり円高株安が進行した。今月会合では大規模金融緩和維持が決定し、株式市場は値を戻した。今後も金融正常化を巡って、長期金利上昇、円高株安が指摘されている。

金融正常化によって短期的に円高株安は否定できないが、株安のトレンドにならないと考えられる。
TOPIXとドル円の連動性が高かったのは2004~2016年頃まで。2017年以降は連動性が低下。特に2022年はドル円150円に急速に円安が進み、その後130円に円高が進んだが、株はBOX推移であった。
ドル円120円を超える円安水準は、輸出企業にとって非常に良い環境で企業業績に悪影響を与える状況ではない。

短期とは言え円高株安に反応するのは海外投資家が影響。
海外投資家は2015年夏くらいまで日本株の主な買い手であった。しかし、その後は売り主体。日本株の関心はしばらくの間、低迷している状況。
日本株とドル円の連動性が高かった時期のイメージを海外投資家が強く引きずって、今の投資判断をしている可能性が考えられる。

2月は岸田首相が国会に黒田日銀総裁後任人事案を提示するので、この思惑で金利上昇・円高・株安が発生する可能性がある。しかし株安はトレンドにならないと考えられるため、日銀イベントを巡って日本株が調整するタイミングは、中長期で見て良い買い場になると考える。

モーニングサテライト

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:30 経済指標
日本雇用統計12月度
完全失業率:前回2.5%、予想2.5%、結果2.5%(○)
有効求人倍率:前回1.35倍、予想1.35倍、結果1.35倍(○)

8:45 要人発言
鈴木財務相(Bloomberg
「政府・日銀共同声明の見直しの是非言及は時期尚早」

【考察】アコード見直し否定→円売り材料だがドル円反応薄。

8:50 経済指標
日本鉱工業生産速報値12月度
前月比:前回0.2%、予想-1.3%、結果-0.1%(◎)
前年比:前回-0.9%、予想-4.1%、結果-2.8%(○)

東京マーケット(9:00~15:00)

TOM(Turn of the Month)効果
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。
月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。株式購入で株高・円売り→ドル円上昇材料、株式売りで株安・円買い→ドル円下落材料になり得る。

9:55 月末仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

欧州マーケット(17:00~25:30)

20:43 米国主要企業決算
ゼネラルモーターズ(Bloomberg
売上高:予想406.2億ドル、結果431.1億ドル(◎)
EPS:予想1.68ドル、結果2.12ドル(◎)

21:12 米国主要企業決算
エクソンモービル(Bloomberg
売上高:予想949.1億ドル、結果954.3億ドル(◎)
EPS:予想3.28ドル、結果3.40ドル(◎)

21:34 米国主要企業決算
キャタピラー(相場の先行指標として重要な企業)(Bloomberg
売上高:予想165.2億ドル、結果166.0億ドル(◎)
EPS:予想4.03ドル、結果3.86ドル(×)

22:30 経済指標
米国雇用コスト指数 第4四半期(Bloomberg
指数の上昇は消費者物価指数や個人所得の増加につながる可能性が高い。最近はFRBも注目している指標と明言
前期比:前回1.2%、予想1.2%、結果1.0%(×)

【考察】サプライズの弱い数値でドル円急落。

23:00 経済指標
米国住宅価格指数11月度
前月比:前回0.0%、予想-0.5%、結果-0.1%(○)

23:00 経済指標
米国S&Pケースシラー住宅価格11月度
前年比:前回8.64%(改定)、予想6.90%、結果6.77%(×)
前月比:前回-0.52%(改定)、予想-0.60%、結果-0.50%(◎)

NYマーケット(23:30~30:00)

23:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数1月度
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回44.9(改定45.1)、予想45.0、結果44.3(×)

24:00 経済指標
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数1月度(Bloomberg
米国ミシガン大学消費者信頼感指数と同様、経済活動全体に重要な役割を果たす個人消費に関する重要指標。
前回108.3(改定)、予想109.0、結果107.1(×)

25:00 月末ロンドンフィックス
月末・期末・年末はリバランス(大口投資家のポートフォリオ調整)で為替取引が活発になり旧変動しやすい。

東京マーケット:株先物・株価指数下落リスクオフ円買い強くドル円下落し、クローズに掛けてやや買戻し。

欧米マーケット:注目度が高かった米国雇用コスト指数の弱い数値でドル円急落。しかし、株先物・株価指数上昇リスクオンとなり巻き戻しの円売り強くドル円上昇。NYクローズに掛けては材料交錯でドル円小幅推移。

(Trading View)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. CHF(リスクオフ通貨):
  2. CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
  3. JPY(リスクオフ通貨):株先物・株価指数下落リスクオフで買い、リスクオンで売り。
  4. EUR(リスクオン通貨):
  5. USD(基軸通貨):リスクオフで買い、リスクオンで売り。米国雇用コスト指数の弱い数値で売り。
  6. AUD(資源国リスクオン通貨):豪小売売上高の弱い数値で売り。
  7. NZD(資源国リスクオン通貨):
  8. GBP(リスクオン通貨):

米国債イールドカーブ

1/31(火)は1/30(月)に対してブル(短期金利低下、長期金利低下、逆イールド縮小)でドル売り・ドル買い材料交錯。ドルインデックス日足陰線は金利低下の影響大。
よって、ドル円日足陰線も金利低下によるドル売りの影響が大きい。

2月FOMCでの利上げ幅0.25%市場コンセンサスは98.7%(CME FedWatch Tool

テクニカル分析

ドル円トレード

  • 月足:12月大陰線で引け。ボリンジャーバンド+1σ下抜け。
  • 週足:1/30週、陽線形成中。
  • 日足:1/30陽線包み足。チャネル上限かつ20MA付近を上抜けつつあり。
  • 4H足:三角持ち合い上抜け。上昇トレンドに移行中。
  • 1H足:上昇トレンド。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)日足レジスタンス130.684を1H足ダウで上抜け→目標ラウンドナンバー131.000

②ショート
(B)1H足サポート129.632をダウで下抜け→目標1H足サポート129.215


【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。

・シナリオ条件未達でトレードなし
1月通算:14勝9敗、勝率60.9%、平均RR 1.97、獲得Pips +342.2

(Trading View)

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