2022年3月18日(金)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
(1)戦闘激化、停戦交渉不調、ウクライナ原発攻撃、核威嚇:リスクオフ
「安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」「安全資産ドル買い」
「米国債利回り低下→日米金利差縮小→円買い」、「株価下落→円買い」
⇒ドル買いドル売り交錯、円買い。総じてドル円下落と推測。

(2)停戦交渉前進:リスクオフ後退
 (1)と逆の動きとなるためドル円上昇と推測。

(3)コモディティ価格・食品価格急騰
「決済ドル需要増→ドル買い」、「インフレ加速→米利上げ見込み→ドル買い」、「スタグフレーション懸念→ドル売り」
「日本貿易収支悪化→円売り」、「インフレ加速→円利上げ観測→円買い」「スタグフレーション懸念→円売り」
⇒ドル買いドル売り、円買い円売りが交錯。しかし、急な円利上げは考えにくいことから、総じてドル円上昇と推測。

3/17は下記の材料ありましたが大きな反応なし。
・ウクライナとの停戦交渉が前進したとの報道は誤り⇒リスクオフ
・プーチン大統領は戦況が悪化すれば核の脅威を与える可能性⇒リスクオフ

ウクライナ情勢については、サプライズの報道や要人発言がない限りドル円への影響は小さいと考えます。


2. 日銀金融政策決定会合、日銀黒田総裁会見
「金融緩和継続、必要なら追加緩和」のハト派スタンスに変わりはないと推測します。
円安容認あれば円売りドル円上昇、(可能性は低いですが)円安けん制あればドル円下落と考えます。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 118.602 (前営業日終値 118.588 からギャップアップスタート)

8:50 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
日本消費者物価指数2月度
前年比:前回0.5%、予想0.9%、結果0.9%(○)
コア前年比:前回0.2%、予想0.5%、結果0.6%(◎)

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 118.529
・日経平均株価: 26649.50 (前日営業日終値 26652.82 )
・TOPIX 1896.98 (前日営業日終値 1899.01 )
株価指数はギャップダウンスタート。

9:55 週末仲値(3/20が休日なため実質五十日)
・ドル円: 118.671

11:51 経済指標
日銀金融政策決定会合
政策金利: 前回-0.1%、予想-0.1%、結果-0.1%(○)

11:55 要人発言
日銀声明
「必要なら追加緩和」
「2%の物価目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続」

【考察】想定通り、前回1/18会合と同じく金融緩和継続でハト派スタンス。

15:00 クローズ
・ドル円: 118.783
・米国債2年利回り: 1.930 %
・米国債10年利回り: 2.178 %
・日経平均株価: 26827.21 (前営業日比 +174.39 、 +0.65 %)
・TOPIX 1909.27 (前営業日比 +10.26 、 +0.54 %)
日本株の反発、海外勢が主導 海外人気株が大幅高(日本経済新聞)



15:35 要人発言
黒田日銀総裁

「金融政策を修正する必要性ない」「円安は日本の経済・物価にプラス」
日銀総裁「政策修正は不要」 円安加速、119円台に(日本経済新聞)

【考察】予想通り円安容認のハト派スタンス。円売りドル円上昇

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 118.874
・米国債2年利回り: 1.928 %
・米国債10年利回り: 2.169 %

20:01 要人発言
米国ブラード・セントルイス連銀総裁
「3月FOMCで今年3%の利上げ提案」

セントルイス連銀総裁、年内3%超への政策金利引き上げを支持(Bloomberg)
【考察】タカ派発言でしたが、2022年ドットプロットで1名3%超えが示されていたためサプライズなし。

21:49 要人発言
米国ウォラーFRB理事
「データは今後の会合で0.50%利上げを示唆している」

ウォラーFRB理事、今後数カ月での0.5ポイント利上げ検討支持(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。明確な0.5%利上げ示唆がサプライズだったためかドル円急騰

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 119.319
・米国債2年利回り: 1.969 %
・米国債10年利回り: 2.167 %
・ダウ平均: 34466.72 (前営業日終値 34480.77 )
・S&P500: 4407.34 (前営業日終値 4411.66 )
・ナスダック: 13564.63 (前営業日終値 13614.79 )

23:00 経済指標
米国景気先行指数2月度:前回-0.3%、予想0.3%、結果0.3%(○)
米国中古住宅販売件数2月度:前回650万件、予想610万件、結果602万件(✕)
米中古住宅販売が減少、6カ月ぶり低水準-在庫不足と価格上昇で(Bloomberg)

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 119.127
・米国債2年利回り: 1.951 %
・米国債10年利回り: 2.149 %

27:31 要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2022年FOMCで投票権なし)
「0.5%利上げ支持」

バーキン総裁、0.5ポイント利上げ否定せず-インフレ期待悪化なら(Bloomberg)
【考察】タカ派発言ですが、FOMC投票権なく影響力が小さいことや週末で市場参加者が減ってきたためかドル円動きなし。

28:37 要人発言
ウクライナ交渉官
「ウクライナはいかなる領土も放棄しない」
「ロシアとの交渉は数週間続く可能性」

【考察】リスクオフ材料。戦争終結の出口が見えない。ドル円反応薄。

29:00 NYクローズ
・ドル円: 119.125
・米国債2年利回り: 1.951 %
・米国債10年利回り: 2.151 %
・ダウ平均: 34754.94 (前営業日比 +274.17 、 +0.80 %)
・S&P500: 4463.11 (前営業日比 +51.45 、 +1.17 %)
・ナスダック: 13893.83 (前営業日比 +279.05 、 +2.05 %)


ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. CHF(リスクオフ通貨):前日5位
  2. AUD(資源国リスクオン通貨):前日1位
  3. NZD(資源国リスクオン通貨):前日2位
  4. GBP(リスクオン通貨):前日7位
  5. CAD(資源国リスクオン通貨):前日4位
  6. USD(基軸通貨):前日8位
  7. EUR(リスクオン通貨):前日3位
  8. JPY(リスクオフ通貨):前日6位

【考察】
ウクライナ情勢で大きなトピックはありませんでしたが、リスクオンとリスクオフが入り混じる動きでした。
日銀金融政策決定会合や黒田日銀総裁会見で金融緩和継続と円安容認が改めて示されたことでJPYは売られ続けました。
今後も日米金融政策差でドル買い円売りのドル円上昇は続きそうですが、必ずどこかで決済注文が入るはず。急速な巻き戻し(特に円買い)に要警戒。

米国債イールドカーブ

3/18(金)は3/17(木)に対して、ツイスト・フラットニング(短期金利上昇、長期金利低下、長短金利差縮小)になりました。
特徴的なのは3年~10年利回りで逆イールドが発生したこと。米国主要3指数の急騰やドル買いが続いていますが、大きな下落が生じる可能性も高いか。
しかし、モルガンSによれば、逆イールドが景気後退に結びつかない見方もあり。

米国債の逆イールド起こると予想、景気後退は見込まず-モルガンS(Bloomberg)

*ツイスト・フラットニング:直近の景気良好→政策金利引き上げ(又は予測より利上げ前進)の可能性浮上→将来は景気減速懸念→将来は利上げ見込み後退→直近のドル買い、将来のドル売り示唆。

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド継続。下値は5MAでサポート。
  • 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 日足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。20MAで反発中。
  • 1H足: ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
  • 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)下降チャネル上抜け上抜け→レジサポ→目標1H足実体118.909。
(B)1H足実体118.909上抜け→レジサポ→目標1H足ヒゲ先119.116。

②ショート
(C)4H・1H足押し安値118.231下抜け→レジサポ→目標4H足押し安値117.840。

日足以上が上昇トレンド中であるためロング優先。

【考察】
12:00 下降チャネル上抜け上抜け→レジサポ→(A)ロング可
16:00 目標118.909到達→(A)ロング成立
19:00 118.909上抜け→レジサポなし→(B)ロング不成立

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