ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
(1)戦闘激化、停戦交渉不調、ウクライナ原発攻撃、核威嚇:リスクオフ
「安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」「安全資産ドル買い」
「米国債利回り低下→日米金利差縮小→円買い」、「株価下落→円買い」
⇒ドル買いドル売り交錯、円買い。総じてドル円下落と推測。
(2)停戦交渉前進:リスクオフ後退
(1)と逆の動きとなるためドル円上昇と推測。
(3)コモディティ価格・食品価格急騰
「決済ドル需要増→ドル買い」、「インフレ加速→米利上げ見込み→ドル買い」、「スタグフレーション懸念→ドル売り」
「日本貿易収支悪化→円売り」、「インフレ加速→円利上げ観測→円買い」「スタグフレーション懸念→円売り」
⇒ドル買いドル売り、円買い円売りが交錯。しかし、急な円利上げは考えにくいことから、総じてドル円上昇と推測。
3/16は下記の材料ありましたが大きな反応なし。
・ウクライナとロシアは終戦のため計画作成のよう⇒リスクオン
・キエフは和平交渉での提案拒否⇒リスクオフ
2. 米国FOMC(前日最大の注目材料)
①政策金利:利上げ0.25-0.50%決定⇒市場予想通りでサプライズなし。
②声明:ブラード・セントルイス連銀総裁だけが0.50%の利上げを主張。⇒サプライズなし。
③ドットチャート:2020年7回利上げ(今年のFOMC全てで利上げ)と2023年3~4回利上げ示唆
④2022年インフレ見通し(コアPCE):前回2.7%、今回4.1%。インフレ圧力増大懸念⇒タカ派でドル買い
⑤パウエルFRB議長会見:「0.50%利上げはデータ次第」「バランスシート縮小は5月公表」⇒市場予想通りや具体性がない⇒ハト派でドル売り
③,④でドル買い、⑤でドル売りになったようですが、インフレが収まるデータが出るまでは③,④の影響が強く続きやすいと考えますので、ドル買いでドル円上昇が優位のはず。
米国FOMCはタカ派内容が優勢と考えますので、本日はドル買いでドル円上昇しやすいと推測。
ウクライナ情勢については、サプライズの報道や要人発言がない限りドル円への影響は小さいと考えます。
マーケットの動き
東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 118.713 (前営業日終値 118.758 からギャップダウンスタート)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 118.911
・日経平均株価: 26170.38 (前日営業日終値 25761.94 )
・TOPIX 1880.32 (前日営業日終値 1853.25 )
米国主要3指数の大幅上昇を引き継ぎ、株価指数はギャップアップスタート。
9:55 仲値
・ドル円: 118.976
15:00 クローズ
・ドル円: 118.794
・米国債2年利回り: 1.914 %
・米国債10年利回り: 2.135 %
・日経平均株価: 26652.82 (前営業日比 +890.88 、 +3.46 %)
・TOPIX 1899.01 (前営業日比 +45.76 、 +2.47 %)
日本株は大幅続伸、米景気の先行き懸念後退-全業種上昇、輸出株高い(Bloomberg)
欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 118.695
・米国債2年利回り: 1.943 %
・米国債10年利回り: 2.153 %
19:03 要人発言
ロシア大統領府
「ウクライナとの停戦交渉が前進したとの報道は誤り」
【ウクライナ】ロシア大統領府、交渉で大きな前進との報道は「誤り」(Bloomberg)
【考察】リスクオフ材料
21:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国フィラデルフィア連銀景況指数3月度
前回16.0、予想14.5、結果27.4(◎)
米フィラデルフィア連銀業況指数、3月は21年11月以来の高水準(Reuters)
米国新規失業保険申請件数:前回22.7万件、予想22.0万件、結果21.4万件(◎)
米国失業保険継続申請件数:前回149.4万件、予想148.5万件、結果149.4万件(△)
米新規失業保険申請件数、1.5万件減の21.4万件-予想以上に減少(Bloomberg)
米国住宅着工件数2月度:前回163.8万件、予想170.0万件、結果176.9万件(◎)
米国建築許可件数2月度:前回189.9万件、予想185.0万件、結果185.9万件(○)
米住宅着工、2月は6.8%増 許可件数は減少(Reuters)
22:15 経済指標
米国鉱工業生産指数2月度:前回1.4%、予想0.5%、結果0.5%(○)
米国設備稼働率2月度:前回77.6%、予想77.9%、結果77.6%(△)
米鉱工業生産、製造業が4カ月ぶりの大きな伸び-稼働率も高水準(Bloomberg)
NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 118.785
・米国債2年利回り: 1.943 %
・米国債10年利回り: 2.156 %
・ダウ平均: 33995.39 (前営業日終値 34063.11 )
・S&P500: 4345.11 (前営業日終値 4357.85 )
・ナスダック: 13360.72 (前営業日終値 13436.56 )
米国主要3指数ギャップダウンスタート。
25:30 欧州クローズ
・ドル円: 118.465
・米国債2年利回り: 1.930 %
・米国債10年利回り: 2.160 %
29:00 NYクローズ
・ドル円: 118.66
・米国債2年利回り: 1.939 %
・米国債10年利回り: 2.192 %
・ダウ平均: 34480.77 (前営業日比 +417.66 、 +1.23 %)
・S&P500: 4411.66 (前営業日比 +53.81 、 +1.23 %)
・ナスダック: 13614.79 (前営業日比 +178.24 、 +1.33 %)
29:29 報道
米国当局者「ロシア・プーチン大統領は戦況が悪化すれば核の脅威を与える可能性が高い」
プーチン氏、戦争長引けば核の威嚇行う公算大-米国防情報局が分析(Bloomberg)
【考察】リスクオフ材料
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日1位
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日2位
- EUR(リスクオン通貨):前日3位
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日5位
- CHF(リスクオフ通貨):前日6位
- JPY(リスクオフ通貨):前日8位
- GBP(リスクオン通貨):前日4位
- USD(基軸通貨):前日7位
【考察】
前日同様、ウクライナ停戦交渉は不調に終わりリスクオフ報道や要人発言が相次いだにもかかわらず、通貨はリスクオンの動きになりました。余程の報道や要人発言がない限りは強いリスクオフにはなりにくい状況の様子。
英中銀MPCの結果が予想よりもハト派的だったことでGBP急落しました。
米国債イールドカーブ
3/17(木)は3/16(水)に対して、ツイスト・スティープニング(短期金利低下、長期金利上昇、長短金利差拡大)になりました。
*ツイスト・スティープニング:直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来は景気回復期待→将来は利上げ見込み→直近のドル売り示唆
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド継続。下値は5MAでサポート。
- 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
- 日足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
- 4H足:ボリンジャーバンド+1σ付近推移でレンジの可能性あり。
- 1H足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしつつありレンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス118.269上抜け→レジサポ→目標1H足ヒゲ先119.116。
(B)1H足ヒゲ先119.116上抜け→レジサポ→目標チャネル上限付近119.500。
②ショート
(C)1H足押し安値118.253下抜け→レジサポ→目標1H足押し安値117.840。
15M足以外の時間足は上昇トレンド。15M足が上昇トレンドに回帰する可能性が高いため、ロング優先。
【考察】
9:50 118.769上抜け→レジサポ→(A)ロング可
12:00 118.769下抜け→レジサポ失敗→(A)ロング不成立
レジサポが綺麗なダウ形成せず、その後は下降チャネル推移となったため、エントリーしにくい動きでした。
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