ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. 経済指標・要人発言
9/29、東京マーケットはドル買い・円売りでドル円上昇の比較的分かりやすい展開でしたが、欧米マーケットに入ってからはドル売り・円買い円売り交錯でドル円が右往左往する展開でした。
また、欧米マーケットは、英国政府・中銀政策であることに加え、月末リバランスも絡み、個々の材料に対して素直なドル・円の売買が分かりにくい地合いでした。
本日の注目材料は、米国経済指標(特にインフレ指標であるPCEデフレータとミシガン大学インフレ予測)とFRB当局者発言。政府・日銀為替介入懸念。英国政府・中銀政策の影響。中国人民銀の為替介入有無。多数の材料が交錯する上に、週末・月末も重なることから分かりにくい地合いになりそうです。
従って、トレードシナリオ立ててはいるものの、基本は様子見として来月に備えたい。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:30 経済指標
日本雇用統計8月度
完全失業率:前回2.6%、予想2.5%、結果2.5%(○)
有効求人倍率:前回1.29倍、予想1.30倍、結果1.32倍(◎)
8:50 経済指標
日本鉱工業生産速報値8月度
前月比:前回0.8%、予想0.1%、結果2.7%(◎)
前年比:前回-2.0%、予想1.7%、結果5.1%(◎)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 月末・週末五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
【考察】週末・月末五十日仲値に向けての需要のためか、ドル買い・円売りでドル円上昇。
欧州マーケット(16:00~25:00)
17:03 要人発言(Bloomberg)
日銀、10-12月国債買入れで長期・超長期ゾーンを増額
【考察】円売り→ドル円上昇
19:00 要人発言(財務省)(Bloomberg)
財務省
8月30日-9月28日に外国為替市場での介入額は2兆8382億円
【考察】 市場関係者推計の約3兆6000億円に近い数値。不明だったことが明らかになった安心感になったためかドル円上昇。
事実上、9/22~9/28の為替介入ということは、9/22に一度に2兆8382億円介入ではなく、分散して介入した可能性もあり。
21:20 要人発言(Bloomberg)
ロシア・プーチン大統領
「ロシアに新たな4つの地域が誕生」
「併合書類に署名する予定」
「交渉する用意あるが、併合領土について交渉はしない」
「ウクライナな戦闘停止すべき」
【考察】 対ロシア制裁が更に強まること必至。地政学リスクオフ円買い材料ですが、重要な経済指標や要人発言を控えておりドル円下落せず。
21:30 経済指標
米国個人所得8月度:前回0.2%(改定0.3)、予想0.4%、結果0.3%(△)
米国個人支出8月度:前回0.1%(改定-0.2)、予想0.2%、結果0.4%(◎)
21:30 経済指標(Bloomberg)
米国PCEデフレータ8月度
デフレータ前年比:前回6.3%(改定6.4)、予想6.0%、結果6.2%(○)
コアデフレータ前月比:前回0.1%、予想0.4%、結果0.6%(◎)
コアデフレータ前年比:前回4.6%(改定4.7)、予想4.8%、結果4.9%(◎)
【考察】 FRBがインフレ指標として注目してるPCEは全て強い数値。しかし、発表直前に織り込みでドル円上昇していたためか、初動はSell the factでドル円急落。
21:44 要人発言(Bloomberg)
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「インフレは広範囲で高く持続的」
「個人消費と事業投資は堅調」
「賃金と原たって高水準かつ持続している
【考察】 タカ派発言→米国債利回り上昇→ドル買い・円売り→ドル円上昇
22:00 要人発言(Reuters)
米国ブレイナードFRB副議長
「ある時点でリスクが更に分岐する可能性がある」
「引き締めからの撤退は時期尚早」
「長期的なインフレ期待が目標を上回らないようにする」
「慎重にデータを精査して、インフレを抑制する」
「FF金利ピーク予測には幅があり不確実性が高い」
【考察】 タカ派発言→米国債利回り上昇→ドル買い・円売り→ドル円上昇
22:13 要人発言(Bloomberg)
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「インフレ抑制が最優先事項」
「利上げはインフレを低下させる」
「追加利上げは正しい。データ次第」
「住宅市場が冷え込み、利上げ効果の兆候がある」
【考察】 タカ派発言→米国債利回り上昇→ドル買い・円売り→ドル円上昇
NYマーケット(22:30~29:00)
22:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数9月度
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回52.2、予想51.8、結果45.7(✕)
【考察】基準を下回りサプライズの弱い数値でドル円下落。
23:00 経済指標(Bloomberg)
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値9月度
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる指標。
前回59.5、予想59.5、結果58.6(✕)
米国ミシガン大学インフレ予測9月度
1年先:前回4.6%、予想4.6%、結果4.7%(◎)
5年先:前回2.8%、予想2.8%、結果2.7%(△)
【考察】強弱入り混じる結果でしたが、1年先インフレ率の高さが意識されたためかドル円上昇
24:00 月末ロンドンフィックス
25:19 要人発言(Bloomberg)
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「インフレが緩和している兆候あるが、データに反映されるまで時間がかかる」
「インフレ緩和まで引き締めを続ける」
「インフレ抑制のために、積極的であるほうが好ましい」
【考察】 タカ派発言→ドル円上昇
28:30 経済指標
IMM通貨先物
円ショート拡大(ポジション推移)
東京マーケットは週末・月末五十日仲値に向けてドル円上昇。東京引けにかけて週末・月末を意識した決済が入ったためかドル円下落。
欧州マーケット序盤は東京マーケットの流れを引き継いだものの、米国PCEデフレータ等の強い予想の織り込みが入ったためかドル円上昇。しかし、米国PCEデフレータ発表でSell the factの下落。NYマーケットオープン前からFRB当局者の相次ぐタカ派発言でドル円上昇となりました。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- GBP(リスクオン通貨):月末リバランスで買い。
- USD(基軸通貨):FBR当局者のタカ派発言で買い。
- EUR(リスクオン通貨):欧州消費者物価指数(HICP)速報値の強い数値で買い。ECB当局者のタカ派発言で買い。月末リバランスで買い。
- JPY(リスクオフ通貨):政府・日銀の為替介入警戒で買い。金融緩和継続で売り。
- CAD(資源国リスクオン通貨):
- CHF(リスクオフ通貨):
- AUD(資源国リスクオン通貨):
- NZD(資源国リスクオン通貨):
米国債イールドカーブ
9/30(金)は9/29(木)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差縮小)。
ベアでドル買い優勢。
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。一旦の上限は147.222付近と推測。
- 週足:ボリンジャーバンド+2σバンドウォーク終了。上昇トレンド継続。
- 日足:9/29上ヒゲ陽線。レンジ上限付近。
- 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
- 1H足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス144.875上抜け→レジサポ→目標4H足レジスタンス145.380
②ショート
(B)1H足サポート143.795下抜け→レジサポ→目標1H足サポート143.295
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー
週末・月末に加えて、多数のファンダメンタルズ材料が交錯することから基本は様子見を考えていましたが、トレード条件も未達であったためにトレードなしで終了。
9月通算:8勝8敗1分、勝率50.0%、平均RR2.12
9月獲得pips:+127.9
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