ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
(1)11/29欧米マーケットの影響:米国債利回り急騰急落が生じ、ドル円も上下に変動しながらも、米国債利回り上昇強くドル円上昇推移。本日スタートも米国債利回りに連れた動きが続く想定。
(2)米国経済指標(⑥):特に、ADP雇用者数、GDP改定値、ベージュブック
(3)米国FRB要人発言(②):パウエルFRB議長講演でタカ派発言によるドル円上昇の可能性が高い想定。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本鉱工業生産速報値10月度(日本経済新聞)
前月比:前回-1.7%、予想-1.8%、結果-2.6%(×)
前年比:前回9.6%、予想5.3%、結果3.7%(×)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 月末五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
【考察】仲値に向けてドル円上昇見られたものの、仲値到達前から急落。
欧州マーケット(17:00~25:30)
19:00 要人発言
外国為替平衡操作の実施状況、月次ベース(令和4年10月28日~令和4年11月28日)(財務省)(Bloomberg)
【考察】11月の為替介入なし。3カ月ぶりに円買い介入なし。
21:00 経済指標
米国MBA住宅ローン申請指数:住宅販売数件数や住宅着工件数の先行指標
前週比:前回2.2%、結果-0.8%(×)
22:15 経済指標
米国ADP雇用者数11月度(Bloomberg)
前月比:前回23.9万人、予想19.7万人、結果12.7万人(×)
【考察】
発表前:ドル円上下に振れるレンジ展開。直前は15M足V字上昇。
発表後:サプライズの弱い数値で下落。しかし、以前より注目度が低くなったためか下落は一時的で急上昇へ転換。
22:30 経済指標
米国卸売在庫速報値10月度
前月比:前回0.6%(改定)、予想0.5%、結果0.8%(◎)
22:30 経済指標
米国実質GDP改定値第3四半期(Bloomberg)
速報値に比べて改定値の注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
実質GDP:前回2.6%、予想2.8%、結果2.9%(◎)
個人消費:前回1.4%、予想1.6%、結果1.7%(◎)
GDPデフレータ:前回4.1%、予想4.1%、結果4.3%(◎)
PCEコアデフレータ:前回4.5%、予想4.5%、結果4.6%(◎)
【考察】全て強い数値でドル円上昇
22:50 要人発言
米国ボウマンFRB理事(2022年FOMC投票権あり)
NYマーケット(23:30~30:00)
23:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数11月度
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回45.2、予想47.1、結果37.2(×)
【考察】サプライズの弱い数値。
24:00 経済指標
米国JOLT求人労働異動調査10月度(Bloomberg)
前回1071.7万件(改定)、予想1025.0万件、結果1033.0万件(○)
【考察】労働市場の冷え込み示唆。経済全体の需要抑制を目指すFRBにとって明るい兆しのためか、ドル円上昇。
24:00 経済指標
米国中古住宅販売成約指数10月度(Bloomberg)
売買契約が結ばれているものの、最終引渡しが行われていない物件の指数。引き渡しが済んだ中古住宅販売件数の先行指標として注目されます。
前月比:前回-10.2%(改定-8.7)、予想-5.1%、結果-4.6%(◎)
前年比:前回-30.4%(改定-29.3)、予想-35.2%、結果-36.7%(×)
【考察】5カ月連続で低下。ローン金利の高止まりで需要減退が続いたことを示唆。経済全体の需要抑制を目指すFRBにとって明るい兆しのためか、ドル円上昇。
24:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
「在庫増→需要低迷・供給過多→原油・ガソリン売り材料→ドル売り材料」、「在庫減→需要増・供給不足→原油・ガソリン買い材料→ドル買い材料」
原油在庫:前回-369.0万バレル、予想-316.0万バレル、結果-1258.1万バレル(×)
ガソリン在庫:前回305.8万バレル、予想255.0万バレル、結果277.0万バレル(○)
25:00 月末ロンドンフィックス
26:36 要人発言
米国クックFRB理事(2022年FOMC投票権あり)(Reuters)
「より小幅利上げステップを踏むのは賢明なこと」
「どこまで金利を引き上げるかは、経済の反応次第」
「インフレを抑えるために積極的な措置を講じている」
「インフレは依然として高すぎる」
「インフレ データは改善の初期の兆候を示唆」
「インフレ改善していると言うのは時期尚早」
「賃金の伸びは、インフレ目標2% を上回っている」
「インフレ目標2%への引き下げに注力必要」
【考察】タカ派発言でドル円上昇
27:30 要人発言
米国パウエルFRB議長:経済と労働市場に関する講演(Bloomberg)(Reuters)
「政策はしばらくの間、制限的である必要がある」
「物価安定には、まだ長い道のりがある」
「歴史は性急な政策緩和に対する警告を発している」
「インフレ先行きは非常に不確実」
「利上げ減速は、早ければ12月会合で始まる可能性がある」
「利上げペースを緩めることは理にかなう」
「最終金利は9月予想より高くなる可能性がある」
「金利引き締め姿勢は当面の間必要となる」
「物価安定の回復にはまだ長い道のりがある」
「インフレは依然として高すぎる」
「10月のインフレデータは喜ばしい驚き。インフレ低下の安心感を得るにはより多くの証拠が必要」
「賃金の上昇率はインフレ2%と一致すべき」
「労働需要を緩やかにすることが必要」
「ほとんどの労働者にとって、賃金上昇はインフレによって相殺されている」
「インフレを予測することは困難」
「ソフトランディングの可能性はある」
【考察】タカ派・ハト派発言交錯。予想された強いタカ派発言がなく、利上げペース減速への言及が材料視されドル円下落。
28:00 要人発言
米国ベージュブック(地区連銀経済報告)(The Beige Book)(Reuters)
FOMC開催の2週間前に公表。米国金利決定の材料とされるため注目度大。
「金利とインフレが引き続き活動を圧迫」
「消費者物価はほとんどの地区で中程度または強いペースで上昇」
「価格上昇のペースは全体として減速」
「経済活動は、以前のベージュブック期間と比較して、ほぼ横ばいまたはわずかに上昇」
「ほとんどの地区で雇用の緩やかな伸び、2 つの地区では従業員数が横ばい、全体的な労働需要は減少」
「将来の雇用の伸びは安定または減速、少なくとも緩やかな賃金上昇の見込み」。
「インフレは今後も安定または緩やかに推移すると予想」
【考察】タカ派・ハト派内容交錯。以前より、ハト派寄りの内容だったことでドル円下落。
東京マーケット:リスクオンかつ米国債利回り低下でややドル売り強くドル円下落。
欧米マーケット:米国GDP改定値の強い数値でドル円上昇、パウエルFRB議長のハト派寄り発言やベージュブックのハト派寄り内容でドル円急落。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- NZD(資源国リスクオン通貨):中国ゼロコロナ政策を緩和期待リスクオンで買い。
- AUD(資源国リスクオン通貨):中国ゼロコロナ政策を緩和期待リスクオンで買い。
- CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
- GBP(リスクオン通貨):
- CHF(リスクオフ通貨):
- EUR(リスクオン通貨):欧消費者物価指数(HICP)速報値の弱い数値で売り。
- JPY(リスクオフ通貨):
- USD(基軸通貨):米国GDP改定値の強い数値で買い。パウエルFRB議長のハト派寄り発言、ベージュブックのハト派寄り内容で売り。
米国債イールドカーブ
11/30(水)は11/29(火)に対してブル(短期金低下、長期金利低下、逆イールド縮小)。金利低下のドル売りと逆イールド縮小のドル買い材料が交錯。
ドルインデックスは低下しており金利低下の関係と一致。
日足ドルインデックス:陰線。レンジ。下限105.623か上限106.822抜けまでは方向性なし。
日足米国債2年利回り:大陰線。三角持ち合い下抜けてネックライン4.327%到達。三尊形成しており、まず4.275%まで下落の可能性あり。
日足米国債10年利回り:陰線包み足。ネックライン3.607%下抜けて、次の押し安値3.525%まで下落の可能性あり。
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:10月大陽線で引け。ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。
- 週足:11/28週、陰線形成中。ダウ崩れず20MA付近。下げ止まったとみればボリンジャーバンド+1σ付近に向かって上昇の可能性あり。
- 日足:11/29下長ヒゲピンバー陰線。下ヒゲが多く上昇の可能性高いか。
- 4H足:三角持ち合い上抜け。
- 1H足:三角持ち合い上抜け。
- 15M足:上昇トレンド。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足三角持ち合いかつレジスタンス138.918上抜け→レジサポ→目標日足レジスタンス139.162
②ショート
(B)1H足三角持ち合いかつ4H足サポート138.099下抜け→レジサポ→目標4H足サポート137.768
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー
トレード1
・138.918上抜け→レジサポなし(A)ロング見送り
トレード2
パウエルFRB議長ハト派発言→138.099下抜け→レジサポなしで(B)ショート→T/P到達→(B)ショート成立
ショート:138.089
T/P:137.768
獲得pips:+32.1
11月通算:11勝12敗、勝率47.8%、平均RR2.03
11月獲得pips:+287.8
コメント