ファンダメンタルズ分析
注目材料
1.経済指標
・米国雇用統計(2025年、米国雇用統計発表日のドル円動きまとめ)
2月の米雇用者数、政策の影響前で堅調な伸び維持の公算-7日発表(Bloomberg)
・IMM通貨先物円ポジション
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ大統領
・FRB(特に米国パウエルFRB議長)
3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:30)
9:04~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2025年FOMC投票権なし)
(過去の発言:2/19, 2/20, 2/26, 3/7)
:政策スタンスはハト派。前回2/26タカ派発言
アトランタ連銀総裁、春の終わりまでの金利据え置き示唆-不確実性で(Bloomberg)
【考察】金利据え置き支持のタカ派発言。しかし、リスクオフ日本株下落の影響強くドル円下落。
9:21~要人発言
為替動向を憂慮、「12月以降、一方的また急激な動き」と加藤財務相(Bloomberg)
【考察】急変動牽制発言。最近ドル円急落が続いていることから円高牽制と判断されたためかドル円上昇。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
17:25 報道
日銀は今月会合で政策維持の公算大、世界経済の不確実性増す-関係者(Bloomberg)
【考察】日銀早期利上げ観測後退。ドル円上昇。
21:15~要人発言
米国ベッセント財務長官
【考察】為替操作牽制発言。しかしドル円上昇。
22:30 経済指標
米国雇用統計
(過去の発表日;6/7, 7/5, 8/2, 9/6,10/4, 11/1, 12/6, 1/10, 2/7, 3/7)
非農業部門雇用者数(NFP):前回14.3万人(改定12.5)、予想16.0万人、結果15.1万人(△)
失業率:前回4.0%(改定)、予想4.0%、結果4.1%(×)
平均時給
前月比:前回0.5%(改定0.4)、予想0.3%、結果0.3%(○)
前年比:前回4.1%(改定3.9)、予想4.1%、結果4.0%(×)
米雇用者数、予想下回るも堅調なペース維持-失業率4.1%に上昇(Bloomberg)
【考察】
発表前:日通し安値147.20を付けてからは米国雇用統計を控えてショート勢決済、「3月日銀会合、政策維持公算大」報道を受けて上昇。直前147.62。
発表後:総じて弱い数値。初動は147.97へ上振れすると、米国景気減速懸念の米国債利回り低下のドル売りと米国債利回り低下を好感した株上昇(円キャリー促進)が交錯してドル円乱高下。
22:41~要人発言
米国ラトニック商務長官
「インドの対米関税、引き下げるべき」
【考察】米印貿易戦争懸念。リスクオフドル円下落。
23:19~要人発言
米国トランプ大統領
トランプ大統領、ロシア銀行への新たな制裁検討-ウクライナ戦争巡り(Bloomberg)
【考察】米ロ関係悪化懸念。地政学リスクオフ。ドル円下落。
24:15~要人発言の影響
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:2/5, 2/17, 2/27, 3/7)
:政策スタンスは中立。前回2/27金融政策についてコメントなし。
ボウマンFRB理事、中立金利はパンデミック以降に上昇した公算大(Bloomberg)
【考察】中立金利上昇は利下げ観測後退のタカ派発言
24:45~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2025年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/14, 1/15, 2/11, 3/4, 3/7)
:政策スタンスは中立。前回2/11タカ、ハト派発言。
最近のデータ、インフレ期待不安定化の兆候示さず=NY連銀総裁(Reuters)
【考察】経済や金融政策についてコメントなし。
24:49 報道
ロシア、ウクライナとの条件付き停戦に合意の用意-関係者(Bloomberg)
【考察】地政学リスクオフ後退。ドル円上昇
26:05~要人発言
米国トランプ大統領
「本日、カナダに追加関税の予定」
トランプ氏、カナダの木材と乳製品への関税は7日にも発動と警告(Bloomberg)
【考察】米加貿易戦争懸念。
26:22~要人発言
米国クーグラーFRB理事
(過去の発言:1/4(休場中), 2/7, 2/21, 3/7)
:政策スタンスは中立。2/21タカ派発言
【考察】タカ派発言。ドル円上昇
28:29~要人発言
ロシア産原油価格の上限撤廃、トランプ氏の顧問らが検討-関係者(Bloomberg)
【考察】地政学リスクオフ後退。ドル円上昇継続。
26:33~ 要人発言
米国パウエルFRB議長
(発言:1/29, 2/11, 2/12, 3/7)
:政策スタンスは中立。前回2/12タカ派発言
パウエルFRB議長、政策金利調整の検討はまだ急ぐ必要ない(Bloomberg)
【考察】金利据え置き支持のタカ派発言。ドル円上昇。
28:48
イスラエル、レバノン南部空爆
【考察】地政学リスクオフ
29:30 経済指標
IMM通貨先物3/4時点(Investing.com)
円ロング大幅増
<まとめ>
東京マーケット
日足始値148.02
取引開始後、日通し安値147.70を付けると3/6米国トランプ大統領「加・メキシコUSMCA準拠品、4/2まで関税免除」発言を好感し、日通し高値148.17へ上昇。
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言や加藤財務相の円高牽制発言でドル円乱高下しながらも、3/6連合「春闘賃上げ要求32年ぶり6%超」のサプライズ影響からの日本株急落に連れて、日通し安値147.47へ下落して引けました。
【日本市況】日経平均800円超安、米関税や円高懸念-長期金利は上昇(Bloomberg)
欧米マーケット
欧州オープン後、東京マーケットの影響継続で欧州株下落に連れて日通し安値147.20を付けました。その後は米国雇用統計を控えてショート勢決済、「3月日銀会合、政策維持公算大」報道を受けて上昇。
米国雇用統計(弱)が発表されると、米国景気減速懸念の米国債利回り低下のドル売りと米国債利回り低下を好感した株上昇(円キャリー促進)が交錯してドル円乱高下。
直後、米国ラトニック商務長官「インドの対米関税、引き下げるべき」発言と米国トランプ大統領「ロシア銀行制裁と関税賦課」発言からリスクオフ高まり日足安値146.94を付けました。
NYオープンすると米国債利回り低下を好感した米国株上昇が一気に高まり、147.72へ急騰。米国雇用統計後の下落を全戻しになりました。
更に「ロシア、ウクライナ条件付き停戦合意の用意」報道が続きましたが、不確実性への警戒感からか米国株急落に伴いドル円下落。
ところが、米国パウエルFRB議長のタカ派発言をきっかけに米国債利回り急上昇、更にロシア・ウクライナ条件付き停戦へ期待や週末米国株売り持ちを避ける決済が一気に入ったためか株急上昇に連れてドル円急騰。
その後、米国トランプ政権「ウクライナ停戦進展で対ロシア制裁緩和検討」が伝わると日足高値148.20を付けて引けました。
日足終値148.03
【米国市況】株上昇、FRB議長発言で下げから反転-ドル148円付近(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱
<ドル売買交錯>
買い材料:
・米国ボスティック・アトランタ連銀総裁、米国ボウマンFRB理事、米国クーグラーFRB理事、米国パウエルFRB議長のタカ派発言
売り材料:
・米国雇用統計(弱)
・米国ラトニック商務長官「インドの対米関税、引き下げるべき」発言→米印貿易戦争懸念→安全資産米国債買い
・米国トランプ大統領「ロシア銀行制裁と関税賦課」発言→地政学リスクオフ→安全資産米国債買い
<円買い優勢>
買い材料:
・3/6連合「春闘賃上げ要求32年ぶり6%超」のサプライズ影響→日銀早期利上げ観測→日本株下落(円キャリー巻き戻し)
・米国ラトニック商務長官「インドの対米関税、引き下げるべき」発言→米印貿易戦争懸念
・米国トランプ大統領「ロシア銀行制裁と関税賦課」発言→地政学リスクオフ
売り材料:
・加藤財務相の円高牽制発言
・3月日銀会合、政策維持公算大報道→日銀早期利上げ観測後退
・ロシア、ウクライナ条件付き停戦合意の用意報道→地政学リスクオフ後退
・米国トランプ政権「ウクライナ停戦進展で対ロシア制裁緩和検討」→地政学リスクオフ後退
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回3月19日(水)公表:据え置き(88.0→97.0%)、0.25%引き下げ(12.0→3.0%)
2025年利下げ観測:0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
・日銀:現行政策金利0.50%
市場織り込み(東京短資株式会社)
次回3月19日(水)公表:0.25%引き上げ(1→1%)
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:3月陰線形成中。レンジ。押し安値かつ20MA付近。
- 週足:3/3週、陰線形成中。下降トレンド。押し安値ヒゲ先付近。
- 日足:3/6陰線。下降チャネル。チャネル下限かつ押し安値付近。
- 4H足:下降トレンド。
- 1H足:下降チャネル。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足レンジ高値148.379をダウ上昇→目標1H足押し安値148.785
(B)4H足レンジ安値147.410付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ高値148.002
②Short
(C)1H足レンジ高値148.379付近へ上昇→転換下落→目標1H足レンジ高値148.002
(D) (C)後、1H足レンジ高値148.002をダウ下落→目標4H足レンジ安値147.410

本日:1勝1敗、+19.5pips
3月通算:4勝4敗、勝率50.0%、RR1.96 、+66.1pips

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