2023年12月20日(水)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)12/19の欧米マーケット影響
日銀の大規模緩和政策継続、植田総裁ハト派発言によるドル円急騰から、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のハト派発言で急落、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言で上昇だが影響小。

(2)経済指標
・日本通関ベース貿易収支
・中国ローンプライムレート
・米国経常収支
・米国中古住宅販売件数
・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
・米国20年債入札

(3)要人発言
・FRB要人

(4)その他
・五十日仲値

本日の注目材料は、日銀の大規模緩和政策継続の影響と米国経済指標。
前日は欧州マーケット序盤までは日銀会合の影響でドル円急騰を生じたが、NYマーケット前からはFRB利下げ期待再燃のドル円急落。
円売り・ドル売りが交錯しやすい相場環境だが、FRBは利下げ期待の過剰な織り込みを警戒しており急速なドル売りは続きにくい。一方で、日銀大規模緩和政策由来の円売りは持続的。
従って、注目度の高い米国経済指標の強い数値やFRB要人タカ派発言などでドル買いが生じれば、ドル買い・円売りからドル円上昇しやすいと推測する。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:15~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)
(過去の発言:11/711/911/1411/1711/2811/2912/112/1512/17, 12/18, 12/20)
FRBの動きはインフレ次第、政治や市場に左右されず=シカゴ連銀総裁(Reuters

【考察】12/18と同じくタカ派発言でドル円上昇。

8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支
貿易赤字拡大は実需の円売り材料。
季調前:前回-6625億円(改定-6610)、予想-9630億円、結果-7769億円(○)
季調済:前回-4620億円(改定-5013)、予想-7350億円、結果-4089億円(◎)

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

10:15 経済指標
中国ローンプライムレート(LPR)
1年:前回3.45%、予想3.45%、結果3.45%(○)
5年:前回4.20%、予想4.20%、結果4.20%(○)

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国経常収支
前回-2121億ドル(改定-2168)、予想-1960億ドル、結果-2003億ドル(△)

24:00 経済指標
米国中古住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として米国新築住宅販売件数とともに重要。
件数:前回379万件(改定)、予想375万件、結果382万件(◎)
前月比:前回-4.1%(改定-)、予想-0.5%、結果0.8%(◎)

24:00 経済指標
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
米国ミシガン大学消費者信頼感指数と同様、経済活動全体に重要な役割を果たす個人消費に関する重要指標。
前回102.0(改定)、予想103.3、結果110.7(◎)

26:20~要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(2023年FOMC投票権あり、2024年投票権なし)
(過去の発言:8/108/248/2510/210/1610/1810/20, 11/9
フィラデルフィア連銀総裁、利下げ着手すべきだが「今すぐではない」(Bloomberg

【考察】タカ派、ハト派発言交錯。更に景気後退懸念発言→ドル円上昇から下落。

27:00 経済指標
米国20年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」

「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもある。
最高落札利回り:前回4.780%、結果4.213%(◎)
応札倍率:前回2.58倍、結果2.55倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回74.0%、結果66.4%
テール(Bid利回りと落札利回りの差):1.5bps(×)、2022年10月以来最大
国債発行日前取引(WI): 4.198%

【考察】総じて入札不調→ドル円上昇だが一時的。直前の米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言と原油先物価格下落の影響強くドル円下落に転換。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値143.84。
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のタカ派発言と五十日仲値に向けてのドル買い需要から、オープン前に東京高値・日足高値144.10を付けた。しかし、仲値通過前に失速し東京安値143.37を付けた。
前日に日銀が大規模金融緩和を維持・植田総裁会見ハト派だったことと、FRB利下げ織り込み牽制によるドル円上昇を期待したが、FRB利下げ観測から「米国債利回り低下」の影響が強かった。

【日本市況】日銀ハト派で長期金利5カ月ぶり低水準-株戻り高値接近(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン前から原油先物価格急上昇するも米国債利回り低下は続き、日足安値143.26を付けた。
米国中古住宅販売件数・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数の強い数値で143.94上昇するも、日足高値144.10を超える材料にならず。
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁のタカ派、ハト派発言交錯。更に景気後退懸念発言によりドル円上昇から下落。
NYマーケット後半は紅海の商船攻撃による地政学リスクオフが世界的な景気後退に波及する懸念や、ポジション調整と推測される株先物・株価指数急落、米国債利回り急落、原油価格下落でドル円下落。
日足終値143.56。

【米国市況】株は高値警戒で午後に急落、国債利回り低下-143円後半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

米国債イールドカーブ

12/20(水)は12/19(火)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド同等。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FOMC見通し(CME FedWatch Tool):FRB政策金利525~550bps
2024年1月31日公表:25bps引き下げ12.4%、据え置き87.6%、25bps引き上げ0.0%
初回利下げ観測:2024年3月、25bp引き下げ71.9%

2023年12月13日FOMC政策金利見通し(Projection Materials)と12/20織り込み
24年:4.6%(米国1年債利回り4.90%)
25年:3.6%(米国2年債利回り4.35%)
26年:2.9%(米国3年債利回り4.06%)
Longer run: 2.5%(米国10年債利回り3.85%)

テクニカル分析

トレード

  • 月足:12月陰線形成中。押し安値下抜けから20MAへの調整波発生中。
  • 週足:12/18週、陽線形成中。押し安値140.91付近へ急落から上昇想定。
  • 日足:12/19陽線。下降トレンドラインかつBB-1σへ急騰。上げ止まりの可能性あり。
  • 4H足:上昇トレンド。BBスクイーズ。
  • 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 15M足:下降トレンド。BBエクスパンション。

【シナリオ】

①ロング
(A)1H足サポート143.907をダウ上昇→目標1H足レジスタンス144.285
(B)日足切り上げライン又は1H足サポート143.107付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス143.619

②ショート
(C)日足切り下げライン又は1H足レジスタンス144.285付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート143.619

12月通算:9勝4敗、勝率69.2%、獲得Pips +150.5

(Trading View)

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