2023年1月19日(木)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)1/18の欧米マーケット影響:日銀金融政策決定会合で政策修正なし、黒田日銀総裁のハト派発言でドル円上昇していたものの、今回日銀が金融政策修正を見送っても日本国内のインフレは続き、いずれは金融緩和修正に踏み切るとの思惑が根強く、欧州勢参入からも戻り売り強くドル円急落。
更に、米国小売売上高・生産者物価指数・鉱工業生産指数・設備稼働率の弱い数値でドル円下落継続して、東京マーケットの上昇分を全戻し。
しかし、米国ブラード・セントルイス連銀総裁・米国メスター・クリーブランド連銀総裁・米国ジョージ・カンザスシティ連銀総裁のタカ派発言で上昇。

総じて、日銀政策のハト派維持で円売り、日銀政策修正期待継続の円買い、米国経済指標悪化のドル売り、リスクオフドル買い・円買い。FRBタカ派のドル買い。

(2)米国経済指標(⑥):フィラデルフィア連銀景況指数、住宅着工件数・許可件数

(3)米国要人発言(②):FRB要人発言

1/19東京マーケットはリスクオフドル買い・円買いを引き継いでドル円の方向性が見えにくく上下に振れるだけの展開を想定。
しかし、米国経済指標悪化のドル売り、FRBタカ派のドル買いは素直な動き。
よって、本日も米国経済指標悪化ならドル円下落優勢が狙い目か。

モーニングサテライト、ドル円参考情報

ドル円予想レンジ:127.50~129.50。本日も米経済指標がドル安に作用する可能性があり、ドル円は上値が重い展開予想。

注目ポイント:今後の焦点も日米金利差に。
ドル円は基本的に日米国債5年金利差と連動してきた。
最近は日銀の政策修正期待による円高で、日米金利差の割にドル円が低水準だが、金利差との連動性が失われたわけではない。

米国実質金利(5年物価連動国債)は昨年12月にFRB当局者の政策金利予想引き上げと日銀政策修正の影響により上昇したが再び低下している。

一方、期待インフレ率(5年BEI)は着実に低下を続けている。期待インフレ率が低下する限り、FRBはタカ派姿勢を弱め、期待インフレ率と実質金利を合わせた名目金利は低下傾向になりやすい。

現実のインフレ率低下は期待インフレ率の低下要因になる。注目は米国CPIコア前月比が昨年10月以降鈍化したこと。財価格の上昇鈍化が主因だが、住居費を除くサービス価格の上昇率もやや鈍化。
今後も物価前月比が前年比より低い状況が続いて、物価の前年比は更に鈍化し、期待インフレ率も低下する見込み。

今後も米国金利とドル円は下落しやすい。同じ日米金利差でも金利差の縮小局面は、拡大局面よりドル円の水準は低くなりやすい。
日銀の政策修正期待も影響して、日米5年金利差が一段と縮小し、数か月以内にドル円は125円に達する可能性が十分にある。

モーニングサテライト

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

7:10 要人発言
米国ローガン・ダラス連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)(Bloomberg
「次回会合で利上げペースの鈍化が好ましい」

【考察】ハト派発言でドル円下落。

8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支12月度(Bloomberg
季節前:前回-20274億円(改定-20290)、予想-16682億円、結果-14485億円(◎)
季調済:前回-17323億円(改定)、予想-16010億円、結果-17242億円(△)

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(17:00~25:30)

22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数(Bloomberg
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回20.5万件(改定)、予想21.3万件、結果19.0万件(◎)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回163.4万件(改定163.0)、予想165.4万件、結果164.7万件(○)

22:30 経済指標
米国フィラデルフィア連銀景況指数1月度
米国ISM製造業購買担当者景気指数と相関性あるため注目されます。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
基準0、前回-13.8(改定-13.7)、予想-10.9、結果-8.9(◎)

22:30 経済指標
米国住宅着工件数12月度
住宅購入に伴い、家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目されます。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから、更に重要度が上がっています。

住宅着工件数:前回142.7万件(改定140.1)、予想136.0万件、結果138.2万件(○)
住宅着工前月比:前回-0.5%(改定-1.8)、予想-5.0%、結果-1.4%(○)

住宅建築許可件数:前回134.2万件(改定135.1)、予想137.1万件、結果133.0万件(×)
住宅建築許可前月比:前回-11.2%(改定-10.6)、予想1.3%、結果-1.6%(△)

23:08 要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)(Bloomberg
「商品のインフレ率は著しく鈍化、サービスのインフレ率は高いまま」
「政策金利は 5% を上回る水準まで引き上げる、その後はしばらく維持すべき」
「利上げペースをより緩やかにすることは適切」

【考察】タカ派・ハト派発言交錯。

NYマーケット(23:30~30:00)

24:04 要人発言
米国イエレン財務長官(Bloomberg
「債務上限問題の特別措置を開始」

【考察】債務上限問題の解決前進はドル買い材料でドル円上昇。

25:00 経済指標
米国週間石油在庫統計
「在庫増→需要低迷・供給過多→原油・ガソリン売り材料→ドル売り材料」、「在庫減→需要増・供給不足→原油・ガソリン買い材料→ドル買い材料」
原油在庫:前回1896.1万バレル、予想-132.0万バレル、結果840.8万バレル(○)
ガソリン在庫:前回411.4万バレル、予想178.0万バレル、結果348.3万バレル(○)

27:15 要人発言
米国ブレイナードFRB副議長(Bloomberg
「制限的な政策はしばらく必要」
「インフレは依然として高い」

【考察】タカ派発言でドル円上昇するも反応薄。

30:07 米国主要企業決算
ネットフリックス
売上高:予想 78.4億ドル、結果78.5億ドル(◎)
EPS:予想0.45ドル、結果0.12(×)

東京マーケット:日銀ハト派姿勢継続にも関わらず市場は日銀緩和政策は限界に近づきていると判断し政策修正期待は根強くドル円下落。

欧米マーケット:欧州オープンからは株先物・株価指数下落のリスクオフドル買い強くドル円上昇。その後は、リスクオフ円買いも強まり、ドル買いと交錯してドル円方向性なし。更にNY引けに掛けてはリスクオフ後退し、巻き戻しの円売りドル売り交錯してドル円の方向性なし。

(Trading View)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. GBP(リスクオン通貨):
  2. JPY(リスクオフ通貨):株先物・株価指数下落のリスクオフで買い。
  3. EUR(リスクオン通貨):クノット・オランダ中銀総裁、ラガルドECB総裁のタカ派発言で買い。
  4. CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
  5. CHF(リスクオフ通貨):
  6. USD(基軸通貨):
  7. AUD(資源国リスクオン通貨):株先物・株価指数下落のリスクオフで売り。
  8. NZD(資源国リスクオン通貨):株先物・株価指数下落のリスクオフで売り。

米国債イールドカーブ

1/19(木)は1/18(水)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、逆イールド拡大)でドル買い・ドル売り材料交錯。日足ドルインデックス陰線であり、逆イールド拡大の影響が大きい。つまり、ドル円下落の要因はドル売りも大きいと言える。

2月FOMCでの利上げ幅0.25%の市場コンセンサスは、92.3%から96.3%へ上昇(CME FedWatch Tool

テクニカル分析

ドル円トレード

  • 月足:12月大陰線で引け。ボリンジャーバンド+1σ下抜け。
  • 週足:1/26週、陽線形成中。下降トレンドの調整波。
  • 日足:1/18上ヒゲピンバー陽線。下降チャネル上限かつ20MA付近から大きく戻されており、チャネル下抜けの可能性が高まったか。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス129.085上抜け→レジサポ→目標1H足レジスタンス129.395

②ショート
(B)1H足サポート128.628下抜け→レジサポ→目標1H足サポート128.130


【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。
しかし、今回の日銀金融政策決定会合・黒田日銀総裁会見で急激な乱高下を生じる可能性ある為、イベント中は様子見の予定。

トレード1
128.628下抜け→レジサポ→(B)ショート

ショート:128.552
T/P:128.130
獲得pips:+42.2
1月通算:10勝7敗、勝率58.8%、平均RR 2.04、獲得Pips +295.2

(Trading View)

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