ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)2/12の欧米マーケット影響
NYオープン前から株上昇リスクオンと米国ボウマンFRB理事のタカ派発言により日足高値149.48へ急上昇。その後、米国Ny連銀インフレ期待調査の弱い数値で急落から、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言で再上昇。引けに掛けて2/13注目の米国消費者物価指数発表を控えて揉み合い。日足終値149.36
(2)経済指標
・日本国内企業物価
・米国消費者物価指数
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FRB要人
(4)その他
・中東地政学リスクオフ
本日注目材料は3点。最大の注目は米国消費者物価指数。
①米国消費者物価指数(CPI)、特にコア指数の注目度が高い。
前回値より予想値が総じて弱い。前哨戦である前日発表の米国Ny連銀インフレ期待調査1年後は前回とほぼ変わらなかったもののインフレ鈍化を示唆。よって、本日CPIも弱い可能性がありますが、実際に弱い数値ならドル円下落。しかし、FRB要人の相次ぐタカ派発言と日銀緩和政策維持がドル円下値を支えやすく、CPIがサプライズの弱さでない限りドル円下落は限定的で下値147円台は固い。
一方、強い数値が出れば、市場の年内利下げ織り込みが5回から3回まで後退する公算が大きく、150円台に乗せは確実か。
②FRB要人発言
米国CPI発表後の発言に注目したい。
・CPI強い数値×タカ派発言→素直にドル円上昇
・CPI強い数値×ハト派発言→考えにくい。
・CPI弱い数値×タカ派発言→CPI単発ではFRB政策変更ない意思表示でドル円上昇
・CPI弱い数値×ハト派発言→最近FRB要人タカ派発言が相次いでいたことから、巻き戻しのドル円急落
③中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本国内企業物価
前月比:前回0.3%(改定-)、予想0.1%、結果0.0%(×)
前年比:前回0.0%(改定0.2)、予想0.0%、結果0.2%(○)
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国消費者物価指数(CPI)(過去の発表日; 2/14, 3/14, 4/12, 5/10, 6/13, 7/12, 8/10, 9/13, 10/12, 11/14, 12/12, 1/11, 2/13)
FRBが金融政策を決定する上で、インフレ変動を把握する重要指標。CPIは米国生産者物価指数(PPI)の川下に相当する指標でPPIより注目度は高い。基調的なインフレを見る上では総合指数よりコア指数が重要。
「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回0.3%(改定0.2)、予想0.1%、結果0.3%(◎)
前年比:前回3.4%(改定)、予想2.9%、結果3.1%(○)
コア前月比:前回0.3%(改定)、予想0.2%、結果0.4%(◎)
コア前年比:前回3.9%、予想3.7%、結果3.9%(○)
実質金利=政策金利-総合CPI前年比=5.5-3.1=2.4%
米CPI、コア指数が8カ月ぶり大幅上昇-利下げ期待に冷や水(Bloomberg)
【考察】
発表前:日通し高値149.70を付けてからは米国CPIを控えてロング勢決済や弱い予想値織り込みにより本日上昇分を全戻し下落。直前149.33。
発表後:強い数値。一瞬日足安値149.26を付けてからは、利下げ期待大幅後退・利上げ再開観測も浮上したことで急騰し日足高値150.89付け。
弱い数値期待織り込みもあったことで強い数値はサプライズとなったためか、一気に切番150.00突破でも戻り売り鈍く、引けに掛けて揉み合い。
25:32~要人発言
米国イエレン財務長官
米財務長官、インフレ減速は進展と評価-1月コアCPIは大幅上昇も(Bloomberg)
【考察】市場は米国CPIの強い数値がインフレ減速進展とは判断せずドル円上昇継続。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値149.36
日通し安値149.27を付けた後は、日通し高値149.58へ上昇。日本株急伸リスクオン、最近の米国経済指標が強いことから米国CPIも強い数値への期待織り込み、日銀マイナス金利解除後も緩和継続見込みが材料視の様子。
きょうの国内市況(2月13日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後、日通し高値149.70を付けてからは米国CPIを控えてロング勢決済や弱い予想値期待織り込みにより下落。
米国消費者物価指数(CPI)はサプライズの強い数値。一瞬下振れで日足安値149.26を付けた後、利下げ期待大幅後退、利上げ再開観測も浮上。原油先物価格上昇も後押して日足高値150.89へ急騰。
日足終値150.79。
【米国市況】株・債券ともに急落、CPI上振れで-ドル150円台後半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・2/13ドル買い優勢
ドル買い:原油先物価格上昇、米国CPIサプライズの強い数値
ドル売り:
・2/13円売り優勢
円買い:
円売り:日銀マイナス金利解除後も緩和継続見込み、原油先物価格上昇
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ8.5%、据え置き91.5%
5月1日公表:25bp引き下げ34.9%、据え置き62.4%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
米利下げ観測にCPI上振れの衝撃、7月前の織り込み大きく後退(Bloomberg)
テクニカル分析
トレード
- 月足:2月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:2/12週、陽線形成中。ネックライン付近。
- 日足:2/12陽線。戻り高値かつBBスクイーズの+2σ付近。よって2/13は下押し優勢。
- 4H足:下降チャネル。BBスクイーズ。
- 1H足:4H下降チャネル上限付近でレンジ。BBスクイーズ。
- 15M足:レンジ。BBスクイーズ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス149.478をダウ上昇→目標4H足レジスタンス149.991
(B)1H足サポート148.981付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス149.255
②ショート
(C)1H足サポート148.981かつ4H足20MAをダウ下落→目標1H足サポート148.754
(D)4H足レジスタンス149.991付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート149.478
2月通算:4勝6敗、勝率40.0%、獲得Pips +3.1
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