2022年2月18日(金)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
(1)米政府高官:「ロシア軍、ウクライナ国境で最大7000人増派」
(2)ロシアメディア:「ウクライナ軍がウクライナ東部で迫撃砲と手榴弾を撃ち込んだ」
(3)ウクライナ軍:「ルハンシクでロシア軍が砲撃」
(4)ウクライナ:東部親ロシア武装勢力への砲撃を否定
(5)米国バイデン大統領:「数日のうちにロシアのウクライナ侵攻が発生する可能性
(6)ロシア外務省:「外務省の公式ウェブサイトへのダウン」
(7)英国ガーディアン:「ロシア軍がウクライナの国境に近づきつつある」

(8)ウクライナ:東部親ロシア武装勢力への砲撃を否定
(9)「ロシア政府はウクライナ侵攻を否定した」「ロシア政府は米国と新たな安全保障の枠組み作成を提案した」


前日もウクライナ情勢関連の情報が飛び交い、その都度ドル円が上下に反応しました。(1)~(7)がリスクオフ、(8),(9)がリスクオフ後退。
総じて、リスクオフが強くドル円は下落しました。

本日も欧州マーケットからの突発的な報道や要人発言で、その度にドルと円の方向性が大きく反応する可能性が高いです。

2. 前日経済指標の影響引継ぎ
(1)米国フィラデルフィア連銀景況指数2月度:弱い数値→ドル売材料
(2)米国住宅着工件数1月度:弱い数値→ドル売り材料
総じて弱い結果となり、東京マーケットはドル円下落しやすいと推測します。

総じて、現時点で最も注目度が高いのは引き続きウクライナ情勢です。
本日も突発的な報道や要人発言で振り回される可能性があります。

一方で、週末であることや、ウクライナ情勢のヘッドラインに振り回されることを嫌って、本日は相場参加者が減少することも想定されます。よって、本日も様子見に留める予定です。

マーケットの動き

東京マーケット前
7:00 取引開始
・ドル円:114.855。前営業日終値114.910からギャップダウンスタートでしたが、即窓埋め上昇。

7:00 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁

「バランスシートの縮小は前回を上回るペースで行うのが適切」
「バランスシート縮小は住宅ローン担保証券(MBS)の一部売却を支持する」
「2023年と2024年のインフレは2%を上回る見通し」
「インフレが後退しなければ、年後半は縮小の加速を支持する」


クリーブランド連銀総裁、物価抑制必要なら利上げペース加速支持(Bloomberg)

【考察】
総じてタカ派発言でドル買い材料。

8:30 経済指標
日本消費者物価指数1月度

前年比:前回0.8%、予想0.6%、結果0.5%(✕)
コア前年比:前回0.5%、予想0.3%、結果0.2%(✕)

【見通し】
日本国内でもインフレ懸念が高まっており注目したい材料。

【考察】
予想より高い結果になる可能性があると考えていましたが、実感とは乖離があるものの、インフレ懸念後退で円売り材料。

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 114.862
・日経平均株価: 26895.16 前営業日終値27232.80からギャップダウンスタート。

9:40 要人発言
米国バイデン大統領:各国首脳と会談開催予定発言

9:55 週末仲値(2/10休日であり実質五十日)
・ドル円: 114.923

10:33 報道
「米国ブリンケン国務長官は来週後半にロシアの露ラブロフ外相と会談予定」


【考察】
リスクオフ後退。「米国債2年,10年利回り上昇、ドル売り」、「日経平均株価上昇→円売り」、ドル売り円売り、強「ドル>円」でドル円急騰

15:00 クローズ
・ドル円: 115.203
・米国債2年利回り: 1.488%
・米国債10年利回り: 1.981%
・日経平均株価: 27122.0 (前営業日比-110.80、-0.41%)

欧州マーケット(17:00~1:30)
17:00 オープン
・ドル円: 115.120
・米国債2年利回り: 1.496%
・米国債10年利回り: 1.982%

17:34 要人発言
ウクライナ国防省
「大規模な状況悪化の可能性は低いと想定している」


【考察】リスクオフ後退。

20:48 要人発言
米国政府
「ロシア軍16万9,000人~19万人がウクライナ国境に迫っている」


20:55 要人発言
欧州安全保障・協力機構(OSCE) 米国大使
「ロシアはウクライナ侵攻を正当化するための口実を作ろうとしている」

22:10 要人発言
東ウクライナ分離派
「住民に対しロシアへ避難すべき」

23:29 報道
「ウクライナ・ドネツクで警報」


【考察】立て続けにリスクオフ材料

NYマーケット(23:30~6:00)
23:30 オープン
・ドル円: 115.061
・米国債2年利回り: 1.468%
・米国債10年利回り: 1.939%
・ダウ平均: 34310.45
・S&P500: 4384.57
・ナスダック: 13735.40
米国主要3指数下落スタート。

23:46 要人発言
西側諸国高官
「ロシアのウクライナ侵攻準備完了」「状況は最も危険な段階」

【考察】リスクオフ材料継続

24:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国景気先行指数1月度:前回0.8%、予想0.2%、結果-0.3%(✕)
米CB景気先行指数、1月は予想外に低下 成長減速示唆(Reuters)

24:00 経済指標
米国中古住宅販売件数1月度:前回618万件、予想610万件、結果650万件(◎)
米1月中古住宅販売6.7%増、予想に反し増加 金利上昇前の駆け込み需要か(Reuters)

【見通し】
「住宅購入→耐久消費財購入→個人消費拡大」に繋がり、現在懸念されているインフレの影響も強く受けるため注目される指標。数値が予想より大きく下回ればインフレ懸念からドル買いになりやすい。
2/17発表された米国住宅着工件数1月度は強い数値で、米国住宅建築許可件数1月度は弱い数値でした。

【考察】
前回かつ予想より強い数値でインフレ懸念。

24:40 要人発言
米国エバンズ・シカゴ連銀総裁(2022年FOMCの投票権なし、ハト派寄り)
「インフレ圧力は明確に抑制されている」
「金融政策に大幅な調整が必要」


シカゴ連銀総裁、金融政策の「大幅な調整」必要-インフレ抑制で(Bloomberg)

【考察】
2022年FOMCの投票権ないため影響力は落ちますが、ハト派寄りの総裁がややタカ派的発言。

25:03 報道
「東ウクライナ分離主義者が占有するドネツク中心部で大爆発」

【考察】大きなリスクオフ材料。

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 115.133

26:00 要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2022年FOMCの投票権あり

「3月利上げ適切」「最初に大きな一歩を踏み出すべきだとの説得力ある論拠は見られない」

シカゴ連銀総裁、金融政策の「大幅な調整」必要-インフレ抑制で(Bloomberg)

【考察】3月利上げコンセンサスの中ではややハト派的。

27:23 要人発言
ウクライナ・ダニロフ国家安全保障国防会議書記
「最大規模の侵攻は想定し難い」

【考察】リスクオフ後退

28:31 要人発言
NATOストルテンベルグ事務総長
「現在ヨーロッパに配置されている軍隊の規模は冷戦以降最大」

28:50 要人発言
ロシア政府
「ドンバス地域で少なくとも3回のウクライナ軍による攻撃が観測」


【考察】再びリスクオフ

29:19 要人発言
米国ブレイナードFRB理事

「3月会合での利上げとバランスシート縮小支持」

ブレイナード理事、3月の利上げ開始が適切-今後数会合でランオフも(Bloomberg)

【考察】従来通りタカ派発言

30:00 NYクローズ
・ドル円: 115.089
・米国債2年利回り: 1.472%
・米国債10年利回り: 1.923%
・ダウ平均: 34079.19 (前営業日比-232.85、-0.68%)
・S&P500: 4348.88 (前営業日比-31.38、-0.72%)
・ナスダック: 13548.08 (前営業日比-168.64、-1.23%)

30:29 報道
ウクライナ、ガスパイプライン爆発


【考察】リスクオフ悪化

7:00 要人発言
米国バイデン大統領
「外交的解決の余地は残されており遅すぎることはない」
「プーチン大統領は侵攻の最終決定を下したと思われる」

【考察】リスクオフかつリスクオフ後退材料

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. NZD(資源国リスクオン通貨):前日4位
  2. USD(基軸通貨):前日5位
  3. AUD(資源国リスクオン通貨):前日6位
  4. GBP(リスクオン通貨):前日2位
  5. CHF(リスクオフ通貨):前日3位
  6. JPY(リスクオフ通貨):前日1位
  7. EUR(リスクオン通貨):前日8位
  8. CAD(資源国リスクオン通貨):前日7位

【考察】
連日、ウクライナ情勢悪化がより強まったことでリスクオフと見なされる推移になりました。

米国債イールドカーブ

  • 2/18(金)は2/17(木)に対して、ブル・フラットニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差縮小)になりました。景気後退、金融緩和、ドル売りが示唆されます。

本日の材料まとめ

ドル買い材料

  • 金融政策
  • 政治、経済
    • 仲値(実質五十日)
    • 米国中古住宅販売件数1月度:前回かつ予想より強い数値。インフレ懸念
  • 要人発言
    • 米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2/18):「バランスシートの縮小は前回を上回るペースで行うのが適切」
    • 米国エバンズ・シカゴ連銀総裁(2/18):「インフレ圧力は明確に抑制されている」「金融政策に大幅な調整が必要」
    • 米国ブレイナードFRB理事(2/18):「3月会合での利上げとバランスシート縮小支持」
  • 新型コロナ
  • 地政学リスク
    • 米国政府(2/18):ロシア軍、ウクライナ国境接近
    • OSCE米国大使(2/18):ロシア、ウクライナ侵攻正当化
    • 東ウクライナ分離派(2/18):ロシアへの避難指示
    • ウクライナ・ドネツク(2/18):警報発生
    • 西側諸国高官(2/18):最も最悪な段階
    • ドネツク中心部で大爆発(2/18)
    • NATOストルテンベルグ事務総長(2/18): ヨーロッパ配置の軍隊の規模は冷戦以降最大
    • ロシア政府(2/18):3回のウクライナ軍攻撃観測
    • ウクライナ、ガスパイプライン爆発(2/18)

ドル売り材料

  • 政治、経済
    • 米国景気先行指数1月度:サプライズの弱い数値
  • 要人発言
    • 米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2/18):「3月利上げ適切」「最初に大きな一歩を踏み出すべきだとの説得力ある論拠は見られない」
  • 新型コロナ
  • 地政学リスク
    • ウクライナ・ダニロフ国家安全保障国防会議書記(2/18):最大規模侵攻は想定しない

円買い材料

  • 地政学リスク
    • 米国政府(2/18):ロシア軍、ウクライナ国境接近
    • OSCE米国大使(2/18):ロシア、ウクライナ侵攻正当化
    • 東ウクライナ分離派(2/18):ロシアへの避難指示
    • ウクライナ・ドネツク(2/18):警報発生
    • 西側諸国高官(2/18):最も最悪な段階
    • ドネツク中心部で大爆発(2/18)
    • NATOストルテンベルグ事務総長(2/18): ヨーロッパ配置の軍隊の規模は冷戦以降最大
    • ロシア政府(2/18):3回のウクライナ軍攻撃観測
    • ウクライナ、ガスパイプライン爆発(2/18)

円売り材料

  • 金融政策
  • 要人発言
  • 政治、経済
    • 日本消費者物価指数1月度(2/18):インフレ懸念後退
    • 仲値(実質五十日)
  • 新型コロナ
  • 地政学リスク
    • 米国バイデン大統領(2/18):各国首脳と会談開催予定発言
    • 米国国務長官(2/18): 露外相会談予定報道
    • ウクライナ国防省(2/18):大規模な状況悪化の可能性低
    • ウクライナ・ダニロフ国家安全保障国防会議書記(2/18):最大規模侵攻は想定しない

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンド開いており、上昇トレンド継続。上値目処は実体上限116.762。
  • 週足: 実体上限115.577から大きく戻されて陽線から陰線に転換。ボリンジャーバンドスクイーズ中で直近の流れはレンジ。
  • 日足: 大陰線で20MA付近まで下落上ヒゲで大きく戻されて陰線形成。日足トレンドラインを下抜けてレンジ推移。
    上値目処日足実体115.981。
    日足トレンドラインかつ押し安値115.074下抜けており下値目処は日足押し安値114.363。
  • 4H足:ボリンジャーバンドエクスパンションし、直近は強い下落トレンド。
    右下がりトレンドライン上抜けで、上値目処は20MA付近の4H足レジスタンス115.325。
    日足押し安値115.074下抜けており下値目処は日足押し安値114.363。
  • 1H足: 下落トレンド中。戦略は4H足と同じ。
  • 15M足:下落トレンド中。戦略は4H足と同じ。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H足右切り下げラインかつ日足レジスタンス115.074上抜けてレジサポすれば、目標4H足レジスタンス115.355
(B)4H足レジスタンス115.355上抜けてレジサポすれば、目標週足実体上限115.577。

②ショート
(C)日足実体115.074下抜けてレジサポし、目標週足実体114.363(2/17から継続中)
(D)日足実体114.363下抜けてレジサポし、目標日足実体113.855。

ウクライナ情勢次第ですが、前日はリスクオフが強く、(C)ショートの流れ継続中。しかしながら、今まで同様、突発的な報道や要人発言でドルと円の方向性が大きく変わると考えます。


【考察】
7:00-10:30
前日から(C)ショートの流れ継続していたものの、ウクライナ情勢リスクオフ後退でドル円急騰。目標114.365未達で(C)ショート不成立。

17:00
115.074レジサポし(A)ロング可。しかしながら、再びウクライナ情勢悪化のリスクオフでドル円急落。115.074下抜けて(A)ロング不成立。

やはりウクライナ関連の交錯する報道や発言でドル円が上下に振れており、手を出せる展開ではありませんでした。


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