ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日本国内企業物価
・日本30年債入札
・米国消費者物価指数(CPI)
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB
3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ3倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標注目は米国消費者物価指数です。
(2024年、米国消費者物価指数発表日のドル円動きまとめ)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:00~要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:8/22, 8/23, 9/20, 11/13)
:政策スタンスはハト派。前回9/20ハト派発言。
【考察】金融政策の見通しについてコメントなし。
8:50 経済指標
日本国内企業物価
前月比:前回0.0%(改定0.3)、予想-0.1%、結果0.2%(○)
前年比:前回2.8%(改定3.1)、予想2.7%、結果3.4%(◎)
【考察】強い数値。
東京マーケット(9:00~15:30)
12:35 経済指標
日本30年債入札(財務省)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額:9000億円程度
最高落札利回り:前回2.157%、結果2.280%(×)
応札倍率:前回3.34倍、結果3.44倍(◎)
テール:前回10銭、結果15銭(×)
【考察】総じて入札不調。国債利回り上昇。ドル円反応薄。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
21:30 経済指標
米国消費者物価指数(CPI)(発表日; 1/11, 2/13, 3/12, 4/10, 5/15, 6/12, 7/11, 8/14, 9/11, 10/10 11/13)
FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。CPIは米国生産者物価指数(PPI)の川下に相当する指標でPPIより注目度は高い。基調的なインフレを見る上では総合指数よりコア指数が重要。基本は「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回0.2%(改定)、予想0.2%、結果0.2%(○)
前年比:前回2.4%(改定)、予想2.6%、結果2.6%(○)
コア前月比:前回0.3%(改定)、予想0.3%、結果0.3%(○)
コア前年比:前回3.3%、予想3.3%、結果3.3%(○)
12月の米利下げ観測強まる、予想通りのCPIで-利回り大幅低下(Bloomberg)
米CPIコア指数、3カ月連続で同率の伸び-インフレ抑制足踏み(Bloomberg)
【考察】
発表前:日通し高値155.24を付けた後、発表控えてロング勢決済入り下落から揉み合い。直前154.96。
発表後:全て予想通り。12月FOMC利下げ観測が強まり、初動日足安値154.34へ急落。しかし強い数値には変わりなく、NYオープンするとトランプトレードの影響も強く全戻し上昇。
22:41~発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:10/15, 10/21, 11/9休場中, 11/12, 11/13)
:政策スタンスはタカ派。前回11/12タカ、ハト派発言
ミネアポリス連銀総裁、インフレのデータは正しい方向に進んでいる(Bloomberg)
【考察】タカ、ハト派発言。ドル円下落継続
23:45~要人発言
米国ローガン・ダラス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:6/18, 10/9, 10/11, 10/21, 11/13)
:政策スタンスはタカ派。前回10/21タカ派発言
ダラス連銀総裁、追加利下げ必要も慎重なペースで進める必要がある(Bloomberg)
【考察】タカ、ハト派発言。但し、利下げ慎重姿勢のタカ派発言が材料視されてドル円急騰。
27:00~要人発言
米国ムサレム・セントルイス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:9/27, 9/29(休場中), 10/2, 10/8, 11/8, 11/13)
:政策スタンス不明。前回11/8
セントルイス連銀総裁、緩やかな利下げ想定-インフレ鈍化が続くなら(Bloomberg)
【考察】タカ派、ハト派発言
27:30~要人発言
米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言: 8/9, 8/22, 10/22, 11/13)
:政策スタンスはタカ派。前回10/22ハト派発言
【考察】タカ派、ハト派発言
28:19 報道
米共和党、下院の多数派を維持-上下両院議会を支配へ(Bloomberg)
【考察】トリプルレッド。トランプトレード継続。ドル円上昇。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値154.61
取引開始直後に日通し安値154.51を付けると、前日同様にトランプトレードの影響から日通し高値154.94へ上昇。
その後、一気に155円台直前まで上昇したことで、政府・日銀からの強い円安牽制発言への警戒感が高まり揉み合いで引けました。
【日本市況】155円台に円下落、米新政権政策や閣僚人事-トリプル安(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープンすると、前日同様に政府・日銀からの強い円安牽制発言への警戒感が薄れ、トランプトレード(但し株下落)、原油先物価格上昇に連れて日通し高値155.24へ上昇。
米国消費者物価指数は全て予想通りの強い数値。12月FOMC利下げ観測が強まり、直前154.96から初動日足安値154.34へ急落。
しかし強い数値には変わりなく、NYオープンするとトランプトレードの影響も強く全戻しから上昇継続し、日足高値155.63を付けて引けました。
日足終値155.48
【米国市況】ドル上昇155円台半ば、日本の出方に注目-CPI予想通り(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・トランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い):但し株下落
・米国下院選、共和党多数派維持報道
売り材料:
<円売り優勢>
買い材料:
・日本国内企業物価(強)
売り材料:
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利450-475bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回12月18日(水)公表:据え置き41.3→17.7%、25bps引き下げ58.7→82.3%、50bps引き下げ2.4→0.0%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:11月陽線形成中。レンジ。BB+1σ付近。
- 週足:11/11週、陽線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近。
- 日足:11/12陽線。上昇チャネル。
- 4H足:上昇トレンド。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:上昇トレンド。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足押し安値154.385付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ高値154.781
(B) (A)後、4H足レンジ高値154.781をダウ上昇→目標日足戻り高値ヒゲ先155.218
②Short
(C) (A)後、1H足押し安値154.385かつ1H足20MAをダウ下落→目標4H足レンジ高値153.960
(D)日足戻り高値ヒゲ先155.218付近へ上昇→転換下落→目標4H足レンジ高値154.781
本日:シナリオ外のためトレードなし
11月通算:6勝6敗、勝率50.0%、RR2.01 、+75.1pips
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