ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・米国ADP雇用者数
・米国四半期定例入札
・米国実質GDP速報値
・米国中古住宅販売成約指数
2.要人発言
・政府円安牽制発言
・日銀ブラックアウト期間(10/28~10/31)
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:10/26~11/8)につき
3.その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・五十日仲値
・月末ロンドンフィックス
・米国主要企業決算(特に、キャタピラー、メタプラットフォームズ、マイクロソフト)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ4倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目度が高いのは、米国ADP雇用者数と米国実質GDP速報値ですが、米国実質GDP速報値がより重要と考えます。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
16:47 報道
日銀、政策金利0.25%維持へ 海外は不透明、国内で政局混迷(共同通信)
【考察】リーク報道ですが市場コンセンサス通りのためかドル円反応薄。
19:35 米国主要企業決算
キャタピラー
売上高:前回167.0億ドル、予想163.7億ドル、結果161.0億ドル(×)
EPS:前回5.99ドル、予想5.35ドル、結果5.17ドル(×)
【決算速報】キャタピラー、売上高は予想を下回り、利益は予想を下回る結果に(Investing.com)
21:15 経済指標
米国ADP雇用者数(発表日:1/4, 1/31, 3/6, 4/3, 5/1, 6/5, 7/3, 7/31, 9/5, 10/2, 10/30)
後日発表の米国雇用統計との差異も注目されます。
前月比:前回14.3万人(改定15.9)、予想11.0万人、結果23.3万人(◎)
【考察】強い数値。ドル円上昇。
21:30 経済指標
米財務省、四半期入札規模を1250億ドルで据え置き-ガイダンスも維持(Bloomberg)
【考察】予想通りの為かドル円反応薄。
21:30 経済指標
米国実質GDP速報値(過去の発表日:1/25, 2/28, 3/28, 4/25, 5/30, 6/27, 7/25, 8/29, 9/26, 10/30)
速報値は改定値や確報値に比べて注目度高いですが、改定値や確報値でもドル円が大きく動くことあり。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
【9/18(水)米国FOMC公表2024年見通し:実質GDP2.0%、コアPCE2.3%】
実質GDP(=名目GDP-物価変動):前回3.0%、予想3.0%、結果2.8%(×)
個人消費:前回2.8%、予想3.2%、結果3.7%(◎)
GDPデフレータ(=名目GDP/実質GDP):前回2.5%、予想2.1%、結果1.8%(×)
PCEコアデフレータ(FRB目標2.0%):前回2.8%、予想2.1%、結果2.2%(○)
米GDP、7-9月は堅調なペースで拡大-個人消費が予想上回る(Bloomberg)
【考察】
発表前:米国ADP雇用者数(強)でドル上昇中。直前153.38(付近)。
発表後:強弱混在。初動米国個人消費・PCEコアデフレータ(強)で日足高値153.50を付けると実質GDP・GDPデフレータ(弱)が材料視され米国ADP雇用者数(強)上昇を全戻して152.87へ急落。
23:00 経済指標
米国中古住宅販売成約指数
売買契約が結ばれているものの、最終引渡しが行われていない物件の指数。引き渡しが済んだ中古住宅販売件数の先行指標として注目される。
前月比:前回0.6%(改定-)、予想1.2%、結果7.4%(◎)
前年比:前回-4.3%(改定-)、予想-%、結果2.2%(◎)
【考察】強い数値。ドル円上昇。
25:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。
29:03 米国主要企業決算
マイクロソフト
売上高:前回647.0億ドル、予想645.5億ドル、結果656.0億ドル(◎)
EPS:前回2.95ドル、予想3.10ドル、結果3.30ドル(◎)
【決算速報】マイクロソフト、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
29:10 米国主要企業決算
メタプラットフォームズ
売上高:前回390.7億ドル、予想401.8億ドル、結果405.9億ドル(◎)
EPS:前回5.16ドル、予想5.21ドル、結果6.03ドル(◎)
【決算速報】Meta Platforms、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値153.37
取引開始直後から前日の米国JOLTS求人件数(弱)・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数(強)交錯で生じたドル円乱高下を引き継いで、日通し安値153.07と日通し高値153.44を付けると揉み合いで引けました。
【日本市況】株式が続伸、好決算銘柄に買い-長期債上昇、円横ばい圏(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直後に日通し高値153.47を付けると、欧州株下落、原油先物価格下落、月末ポジション調整(推測)に連れて日足安値152.78へ急落。
米国ADP雇用者数(強)を受けてドル円上昇。
直後の米国実質GDP速報値は強弱混在。初動は米国個人消費・PCEコアデフレータ(強)で日足高値153.50を付けるも、実質GDP・GDPデフレータ(弱)が材料視され米国ADP雇用者数(強)上昇を全戻して152.87へ急落。
その後、米国中古住宅販売成約指数(強)で再上昇するも、月末ロンフィクに絡んだポジション調整が交錯したためかドル円乱高下が続き引けました。
日足終値153.41
【米国市況】株下落、半導体銘柄への売り響く-ドル153円台前半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国ADP雇用者数(強)
・米国個人消費・PCEコアデフレータ(強)
・米国中古住宅販売成約指数(強)
・原油先物価格上昇
・トランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い)影響:(但し、本日株売り)。Real Clear Politicsの大統領勝利確率は、トランプ氏63.6%、ハリス氏35.0%。
売り材料:
・米国実質GDP・GDPデフレータ(弱)
<円売買交錯>
買い材料:
・
売り材料:
・原油先物価格上昇
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利475-500bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回11月7日(木)公表:据え置き1.6→5.4%、25bps引き下げ98.4→94.6%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:10月陽線形成中。レンジ。BB+1σ付近。
- 週足:10/28週、陽線形成中。上昇トレンド。
- 日足:10/29陽線。上昇トレンド。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足戻り高値153.547をダウ上昇→目標日足高値153.868
(B)日足高値153.868をダウ上昇→目標1H足戻り高値154.582
②Short
(C)1H足戻り高値154.582付近へ上昇→転換下落→目標日足高値153.868
(D)4H足ダウ安値153.301かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足押し安値152.835
本日:1勝1敗、+22.5pips
10月通算:18勝18敗、勝率50.0%、RR1.93 、+156.9pips
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