2022年2月28日(月)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
先週末は、①世界中のインフレ懸念等から各国の対ロシア制裁が弱いこと、②ロシア侵攻までに織り込まれて侵攻開始でBuy the factになったこと、③ウクライナ情勢悪化では米利上げ後退にならないこと、④ロシアとウクライナ協議準備が伝えられたことで、ドル円は急落から急騰し、引けに掛けてロング勢の利確と推察される下落を生じて終えました。

しかしながら、土日に掛けて欧米のロシアに対する強烈な経済制裁が発表されました。特に、④ロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除で合意、⑤欧州連合はロシア中央銀行との全ての取引を禁止、によって「ロシア株・ロシアルーブル暴落→世界的な株下落」、「エネルギー価格急騰→インフレ急加速」が生じて世界中の金融不安が高まると推察します。更には、スポーツ分野等でも対ロシア制裁が始まっており、この流れが加速する見込み。

従って、本日は強烈なリスクオフで「株先物・株価指数下落→円買い→ドル円下落」が生じると想定されます。
一方、「ロシアとウクライナ代表団による休戦交渉」が予定されており、もし急転直下で休戦が決まればリスクオフが一気に後退する可能性もあります。

以上より、本日はリスクオフによるドル円下落を優先しますが、ロシアとウクライナ代表団会談等のリスクオフ後退によるドル円上昇に注意したい。

マーケットの動き

東京マーケット前
7:00 取引開始
・ドル円:115.495(前営業日終値115.529からギャップアップスタート)
トレンドライン下抜けたため、テクニカル分析(A)ロング未成立。

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 115.589
・日経平均株価: 26457.52(前日営業日終値26476.43からギャップダウンスタ

9:55 月末五十日仲値
・ドル円:115.531

10:00
1H足20MA付近サポート115.466で反発したものの、レジサポなく1H足20MA下で推移したため、テクニカル分析(B)ロング未成立。

15:00 クローズ
・ドル円: 115.545
・米国債2年利回り: 1.488%
・米国債10年利回り: 1.899%
・日経平均株価: 26526.75 (前営業日比+50.32、+0.19%)

欧州マーケット(17:00~1:30)
17:00 オープン
・ドル円: 115.501
・米国債2年利回り: 1.502%
・米国債10年利回り: 1.910%

18:01 報道
「ゼレンスキー大統領、EUに対しウクライナのEU加盟を要請」


【考察】ロシアとの停戦交渉直前の報道。ロシアは反発する可能性が高く、交渉が更に難航する可能性あり。

19:11 報道
トヨタ、国内全工場を停止へ 部品会社にサイバー攻撃(日経新聞)

【考察】サプライヤーのシステム障害で全工場を止めるのは初であり、「3/1日経平均株価下落→円買い→ドル円下落」に要警戒

19:19 報道
ウクライナとロシアの停戦交渉開始


ウクライナとロシアの代表団、ベラルーシ国境で交渉開始(Bloomberg)

22:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国卸売在庫(速報値)1月度前回2.2%、予想1.3%、結果0.8%(✕)

23:15
115.466下抜け→レジサポ→テクニカル分析(C)ショート可。しかし、レジサポ時115.349で目標4H足押し安値115.178まで値幅約17pipしかないため見送り。

NYマーケット(23:30~6:00)
23:30 オープン
・ドル円: 115.304
・米国債2年利回り: 1.468%
・米国債10年利回り: 1.889%
・ダウ平均: 33870.62 (前営業日終値 34058.76 )
・S&P500: 4354.17 (前営業日終値 4384.64 )
・ナスダック: 13570.83 (前営業日終値 13694.63 )
米国主要3指数ギャップダウンスタート

23:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数(PMI)2月度前回65.2、予想62.0、結果56.3(✕)

24:30 経済指標
米国ダラス連銀製造業活動指数2月度:前回2、予想3.5、結果14.0(◎)

25:00 月末ロンドンフィックス
・ドル円: 115.168

25:04 報道
ロシア、ウクライナ停戦交渉終了

25:04 要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁

「3月FOMCでの0.25%利上げ支持」
「経済データ次第で0.50%利上げも要検討」


米0.5%利上げ、物価高進継続なら3月検討=アトランタ連銀総裁(Reuters)

【考察】タカ派発言ではあるものの、2/24にも「インフレ次第で今年4回以上の利上げ支持」と発言しておりサプライズなし。しかしながら、3月0.5%利上げが現実味を帯びてきたためか、「米国債2年,10年利回り上昇→ドル買い」、「米国主要3指数小下落→円売り」でドル円上昇

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 115.275

25:31 報道
数日後に第2回目のロシアとウクライナの停戦交渉予定


ロシア:ウクライナが次回交渉ラウンド実施に同意-IFX(Bloomberg)
ロシア・ウクライナ停戦交渉が終了、第2回開催の見通し(Reuters)

【考察】第一回交渉で決裂とならなかったことはリスクオフ後退材料。「米国債2年,10年利回り低下→ドル売りからドル買い」、「米国主要3指数上昇から下落転換→円買い」、強さ「円>ドル」でドル円下落継続。

26:00
テクニカル分析(C)ショートのオーバーシュート目標114.993到達。しかし、実際にはオーバーシュートではなく大きくレジサポして到達のため未成立。

29:00
日足押し安値114.993下抜け→レジサポ→テクニカル分析(D)ショート可。しかし、NYクローズ直前のため見送り。

30:00 NYクローズ
・ドル円: 114.957
・米国債2年利回り: 1.446%
・米国債10年利回り: 1.828%
・ダウ平均: 33892.61 (前営業日比 -166.15 -0.49% )
・S&P500: 4373.95 (前営業日比 -10.69 -0.24% )
・ナスダック: 13751.41 (前営業日比 56.78 0.41% )

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. CHF(リスクオフ通貨):前日8位
  2. JPY(リスクオフ通貨):前日7位
  3. AUD(資源国リスクオン通貨):前日1位
  4. NZD(資源国リスクオン通貨):前日3位
  5. CAD(資源国リスクオン通貨):前日2位
  6. GBP(リスクオン通貨):前日5位
  7. USD(基軸通貨):前日6位
  8. EUR(リスクオン通貨):前日4位

【考察】
ウクライナ情勢の不透明感からリスクオフの流れになりました。

米国債イールドカーブ

  • 2/28(月)は2/25(金)に対して、ブル・フラットニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差縮小)になりました。

*債券ブル:「安全資産債券買い→債券利回り低下」、「リスク資産売り(株式等)→安全資産債券買い」、景気後退
*債券ベア:「安全資産債券売り→債券利回り上昇」、「安全資産債券売り→リスク資産買い(株式等)」、景気良好

*ブル・フラットニング:目先の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来も景気後退懸念→将来も利下げの見込み→ドル売り示唆

*ブル・スティープニング:米利上げ期待後退→将来の金利も低下見込み→景気後退懸念→リスクオフ→ドル売り示唆

*ベア・スティープニング:景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→国債利回り上昇→「長期金利>短期金利」→長期金利高いなら将来も利上げできる見込み→好景気継続→リスクオン→ドル買い示唆

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンド開いており、上昇トレンド継続。上値目処は月足実体上限116.762。
  • 週足: ボリンジャーバンドスクイーズ中で直近の流れはレンジ。先週はトレンドラインで下ヒゲピンバー反発して陽線で引けており上昇圧力強い。
  • 日足: ボリンジャーバンドスクイーズ中で直近の流れはレンジ。戻り高値実体115.605で戻された後、20MAで反発し十字線で引けており方向性なし。
    戻り高値実体115.605抜けた後の上値目処は日足実体上限115.986。
    下値目処は押し安値114.993。
  • 4H足:ボリンジャーバンドエクスパンションし直近は上昇トレンド。
    トレンドラインで反発すれば、上値目処は4H足実体上限115.746、その上は日足実体上限115.986。
    トレンドライン下抜ければ、下値目処は4H足20MA付近押し安値115.178。
  • 1H足: ボリンジャーバンドスクイーズし直近はレンジ。
    トレンドライン、1H足20MA付近サポート115.466で反発すれば、上値目処は4H足実体上限115.746。
    1H足20MA付近サポート115.466下抜ければ、下値目処は4H足押し安値115.178。
  • 15M足:直近の流れはレンジ。戦略は1H足と同じ。

【シナリオ】
①ロング
(A)右上がりトレンドライン反発→目標日足実体上限115.986
(B)1H足20MA付近サポート115.466で反発→レジサポ→目標日足実体上限115.986

②ショート
(C)1H足20MA付近サポート115.466下抜け→レジサポ→目標4H足押し安値115.178。オーバーシュートで日足押し安値114.993。
(D)日足押し安値114.993下抜け→レジサポ→目標日足押し安値114.722。オーバーシュートで4H足押し安値114.564。

ロシアのウクライナ侵攻による各国の対ロシアの強烈な経済制裁からリスクオフでショート優先とします。


【考察】
7:00 早々にトレンドライン下抜け。テクニカル分析(A)ロング未成立。

10:00 1H足20MA付近サポート115.466で反発したものの、レジサポなく1H足20MA下で推移したため、(B)ロング未成立

23:15 115.466下抜け→レジサポ→(C)ショート可。しかし、レジサポ時115.349で目標4H足押し安値115.178まで値幅約17pipしかないため見送り。

23:30 目標115.178到達し(C)ショート成立。

26:00 (C)ショートオーバーシュート目標114.993到達ですが、実際にはオーバーシュートではなく大きくレジサポして到達のため未成立。

29:00 114.933下抜け→レジサポ→(D)ショート可。しかし、NYクローズ直前のため見送り。

コメント

タイトルとURLをコピーしました