ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日本国際収支
・日本5年債入札
・米国生産者物価指数(PPI)
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・氷見野日銀副総裁
・米国トランプ次期大統領
・FRB
3.その他
・1/14(火)米国生産者物価指数や1/15(水)米国消費者物価指数(強)期待/警戒のスイング勢織り込み→1/10(金)米国雇用統計(強)、米国ミシガン大学インフレ予測(強)はドル買いよりもリスクオフ欧米株急落(円キャリー巻き戻し)が発生しました。
米CPI、FRB利下げ休止観測を後押しか-堅調な雇用統計後(Bloomberg)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目は米国生産者物価指数です。
(2024年、米国生産者物価指数発表日のドル円動きまとめ)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
30:46 報道
トランプ氏のチーム、月に約2-5%の段階的関税引き上げを検討(Bloomberg)
【考察】インフレ懸念後退。
8:50 経済指標
日本国際収支
経常収支[海外とのモノやサービス、投資などの取引状況(=貿易収支、サービス収支、第1次所得収支、第2次所得収支)]
:前回24569億円(改定)、予想26600億円、結果33525億円(◎)
経常収支(季調済):前回24088億円(改定)、予想25800億円、結果30334億円(◎)
貿易収支[=輸出ー輸入]:前回-1557億円、予想-371億円、結果979億円(◎)
【考察】強い数値。
東京マーケット(9:00~15:30)
10:30~要人発言
氷見野日銀副総裁(日本銀行)
(過去の発言:8/28, 10/10, 1/14)
:前回10/10タカ派発言。
来週会合で利上げ行うか議論、タイミング「難しい」=氷見野日銀副総裁(Reuters)
【考察】タカ、ハト派発言。ドル円急落・急騰・再下落の乱高下。
12:35 経済指標
日本5年債入札(財務省)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」
但し、「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額:2兆3000億円程度
最高落札利回り:前回0.736%、結果0.878%(×)
応札倍率:前回4.42倍、結果3.82倍(×)
テール:前回1銭、結果1銭(○)
【考察】入札不調。
12:15~要人発言
日銀の利上げ検討と我々がデフレ脱却目指すことは矛盾せず=赤沢再生相(Reuters)
【考察】日銀利上げ検討肯定発言。ドル円下落。
12:58 ~要人発言
明らかに投機で「行動せざるを得ないときあった」と神田前財務官(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言。ドル円下落。
14:22~要人発言
氷見野日銀副総裁(日本銀行)
(過去の発言:8/28, 10/10, 1/14)
:前回10/10タカ派発言。
氷見野日銀副総裁、来週の会合で「利上げ議論」-市場観測を後押し(Bloomberg)
【考察】タカ、ハト派発言。ドル円乱高下。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国生産者物価指数(PPI)
(発表日; 1/12, 2/16, 3/14, 4/11, 5/14, 6/13, 7/12, 8/13, 9/12, 10/11, 11/14, 12/12, 1/14)
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を把握する指標。FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。コア指数が特に重要。PPIは米国消費者物価指数(CPI)の川上に相当する指標でCPIより注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回0.4%(改定)、予想0.4%、結果0.2%(×)
前年比:前回3.0%(改定)、予想3.5%、結果3.3%(△)
コア前月比:前回0.2%(改定)、予想0.3%、結果0.0%(×)
コア前年比:前回3.4%(改定3.5)、予想3.8%、結果3.5%(△)
米PPI予想外に鈍化、食品価格低下-インフレ懸念緩和に寄与か(Bloomberg)
【考察】
発表前:欧州株上昇(円キャリー促進)と米国生産者物価指数(強)期待織り込みのためか、日通し高値158.14へ急上昇後、ロング勢決済入り揉み合い下落。直前157.89(切番158.00や1H足上昇チャネル上限付近)。
発表後:弱い数値。初動は米国債利回り低下ドル売り主導で157.39(4H足押し安値、1H足上昇チャネル下限付近)へ下落しましたが、米国債利回り低下を好感した株上昇(円キャリー促進)が支えとなり直ぐに全戻しとなり、米国生産者物価指数(弱)を受けたショート勢の損切を巻き込んで日足高値158.20へ上昇。
24:47~要人発言
米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁(2025年FOMC投票権あり)
(過去の発言: 11/19, 11/21, 1/9, 1/14)
:政策スタンスはタカ派。前回1/9タカ派発言
FRBは行動へ、トランプ氏関税が二大責務に影響なら=カンザスシティー連銀総裁(Reuters)
【考察】タカ、ハト派発言。ドル円揉み合い。
25:51 要人発言
トランプ氏、関税徴収の「外国歳入庁」創設を表明-就任初日に(Bloomberg)
【考察】インフレ懸念。ドル円上昇。
29:00~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2025年FOMC投票権あり)
(過去の発言:11/21, 12/2, 12/20, 1/14)
:政策スタンスは中立。前回12/20タカ派発言。
【考察】金融政策についてはコメントなし。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値157.49
取引開始後、米国トランプ次期大統領経済チームの段階的関税引き上げ検討報道を受けて日足安値157.12へ下落するも、氷見野日銀副総裁のハト派発言期待の織り込みからか全戻し上昇。
氷見野日銀副総裁発言はタカ・ハト派混在でしたが、アルゴリズム取引が過剰に反応したためか、157.12への急落から日通し高値158.04へ急騰、更に157.42へ急落の乱高下。
その後、赤沢経済再生相の日銀利上げ検討肯定発言、神田前財務官の円安牽制発言ありましたが、乱高下の影響を引き継いで引けました。
【日本市況】40年金利が最高、米利下げ期待後退と日銀警戒-株大幅安(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープンすると、欧州株上昇(円キャリー促進)と米国生産者物価指数(強)期待織り込みのためか、日通し高値158.14(1H足チャネル上限付近)へ急上昇。
米国生産者物価指数(弱)。初動は米国債利回り低下ドル売り主導で157.39(4H足押し安値、1H足上昇チャネル下限付近)へ下落しましたが、米国債利回り低下を好感した株上昇(円キャリー促進)が支えとなり直ぐに全戻し。
米国生産者物価指数(弱)を受けたショート勢の損切を巻き込んで上昇継続し、更に米国トランプ次期大統領の関税徴収「外国歳入庁」創設表明を受けて日足高値158.20へ上昇。
その後、引けに掛けて揉み合いとなりました。
日足終値157.98
【米国市況】S&P500小幅高、CPIに身構え-円軟調で158円近辺(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国トランプ次期大統領:関税徴収「外国歳入庁」創設表明→インフレ懸念
売り材料:
・米国トランプ次期大統領経済チーム、段階的関税引き上げ検討報道
・米国生産者物価指数(弱)→米国債利回り低下
<円売り優勢>
買い材料:
・氷見野日銀副総裁のタカ派発言
・日本5年債入札(弱)
・赤沢経済再生相の 日銀利上げ検討肯定発言
・神田前財務官の円安牽制発言
売り材料:
・氷見野日銀副総裁のハト派発言
・米国生産者物価指数(弱)→米国債利回り低下を好感した欧米株上昇(円キャリー促進)
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回1月29日(水)公表:据え置き(97.9→97.3%)、0.25%引き下げ(2.1→2.7%)
2025年利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:1月陰線形成中。レンジ。ダウ転換シグナル付近。
- 週足:1/13週、十字線形成中。上昇トレンド。三尊右肩かつ戻り高値付近。
- 日足:1/13陰線。上昇チャネル。20MA付近
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足安値156.912付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ高値157.497
(B)4H足戻り高値157.793をダウ上昇→目標日足レンジ高値158.317
②Short
(C)4H足レンジ高値158.550付近へ上昇→転換下落→目標日足高値157.966
本日:0勝1敗、-23.4pips
1月通算:5勝9敗、勝率35.7%、RR2.04 、-46.1pips
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