ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
前日もウクライナ情勢悪化や各国の対ロシア経済制裁は継続していましたが、急速な状況変化に関する報道や要人発言がなかったためかリスクオフ後退の動き。本日この流れを引き継ぐと想定しドル円ロング優先。しかし、サプライズの報道や要人発言が出ればショート切り替え。
2. 経済指標、要人発言
前日の米国経済指標(米国ADP雇用者数等)が良好だったこと、米国金融当局者(パウエルFRB議長、他)が総じてタカ派発言だったことでドル円上昇しました。ウクライナ情勢悪化でもインフレ抑制のためには早期の利上げとバランスシート縮小は実施される見込み。
3月FOMCで0.25%利上げは確実。その後0.50%も有り得る状況となれば、本日もドル円は上昇しやすいと推測します。
マーケットの動き
東京マーケット前
7:00 取引開始
・ドル円: 115.517 (前営業日終値 115.52 とほぼ同じ)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 115.518
・日経平均株価: 26628.87 (前日営業日終値 26392.96 からギャップアップスタート)。
前日、米国パウエルFRB議長議会証言で3月FOMCの方向性が明確になったことで米国主要3指数上昇しましたが、その流れを日経平均株価が引き継いだと考えられます。
9:55 仲値
・ドル円: 115.607
15:00 クローズ
・ドル円: 115.656
・米国債2年利回り: 1.472 %
・米国債10年利回り: 1.856 %
・日経平均株価: 26577.2 (前営業日比 184.24、0.70 %)
欧州マーケット(17:00~1:30)
17:00 オープン
・ドル円: 115.724
・米国債2年利回り: 1.488 %
・米国債10年利回り: 1.863 %
22:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国新規失業保険申請件数:前回23.2万件、予想22.5万件、結果21.5万件(◎)
米国失業保険継続申請件数:前回147.6万件、予想147.5万件、結果147.6万件(△)
米新規失業保険申請21.5万件に改善、2週連続で減少(Reuters)
米国非農業部門労働生産性指数(確報値) 第4四半期:前回6.6%、予想6.7%、結果6.6%(△)
23:05 報道
仏マクロン大統領と露プーチン大統領電話会談
プーチン氏「ウクライナ軍事作戦の目標必ず達成へ」、仏大統領と電話会談(Reuters)
【考察】戦争は長期化の様相。リスクオフ材料。
23:10 報道
エストニアの貨物船がウクライナ沖で沈没、機雷に接触か-報道(Bloomberg)
【考察】戦争被害が拡大。リスクオフ材料
NYマーケット(23:30~6:00)
23:30 オープン
・ドル円: 115.646
・米国債2年利回り: 1.520 %
・米国債10年利回り: 1.875 %
・ダウ平均: 33972.87 (前営業日終値 33891.34 )
・S&P500: 4401.31 (前営業日終値 4386.52 )
・ナスダック: 13837.59 (前営業日終値 13752.03 )
米国主要3指数ギャップアップスタート
24:00 経済指標
米国製造業新規受注1月度:前回-0.4%、予想0.7%、結果1.4%(◎)
米製造業受注、1月は前月比1.4%増-予想上回る伸び(Bloomberg)
米国ISM非製造業景気指数2月度:前回59.9、予想61.1、結果56.5(✕)
米国耐久財受注(確報値) 1月度
前月比:前回1.6%、予想1.6%、結果1.6%(○)
コア前月比:前回0.7%、予想0.7%、結果0.7%(○)
【考察】注目度が高いISM非製造業景況が3ヶ月連続低下でドル売り材料。しかし、ウクライナ情勢悪化によるリスクオフドル買い。
24:10 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁
「0.25%利上げからスタートし、今後数カ月でさらに利上げすることが望ましい」
「年末に3.5%から4%以上のインフレ予想」
米利上げの必要性、ウクライナ情勢受けても変わらず=クリーブランド連銀総裁(Reuters)
【考察】タカ派発言
25:03 要人発言
米国パウエルFRB議長
「3月の25bp利上げを改めて支持」
【考察】3/3と同じタカ派発言。
25:30 欧州クローズ
・ドル円: 115.610
26:32 要人発言
ウクライナ交渉担当官
「可能な限り早急に第3回会合開催に合意」
「避難中の一時停戦の可能性」
「期待していた結果は得られず」
【考察】交渉継続はリスクオン材料
30:00 NYクローズ
・ドル円: 115.439
・米国債2年利回り: 1.526 %
・米国債10年利回り: 1.856 %
・ダウ平均: 33794.65 (前営業日比 -96.69、 -0.29 %)
・S&P500: 4363.5 (前営業日比 -23.03、 -0.53 %)
・ナスダック: 13537.95 (前営業日比 -214.06、 -1.56 %)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日2位
- CHF(リスクオフ通貨):前日7位
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日4位
- JPY(リスクオフ通貨):前日8位
- USD(基軸通貨):前日6位
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日1位
- GBP(リスクオン通貨):前日3位
- EUR(リスクオン通貨):前日5位
【考察】
ウクライナ情勢悪化やエネルギー価格急騰が欧州経済圧迫との見方でGBPとEURが弱くなりました。WTI価格がやや低下したことでCADも弱。
米国債イールドカーブ
- 3/3(木)は3/2(水)に対して、ベア(短期金利上昇、長期金利同、長短金利差縮小)になりました。
*債券ブル:「安全資産債券買い→債券利回り低下」、「リスク資産売り(株式等)→安全資産債券買い」、景気後退
*債券ベア:「安全資産債券売り→債券利回り上昇」、「安全資産債券売り→リスク資産買い(株式等)」、景気良好
*ブル・スティープニング:直近の景気後退→政策金利下げ(又は利上げ期待後退)の可能性浮上→将来の金利もやや低下見込み→景気後退懸念→リスクオフ→ドル売り示唆
*ブル・フラットニング:直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来も景気後退懸念→将来も利下げの見込み→ドル売り示唆
*ベア・スティープニング:直近の景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→長短金利上昇→長期金利高く将来も利上げ見込み→好景気継続→リスクオン→ドル買い示唆
*ベア・フラットニング:直近の景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→長短金利上昇→長期金利高く将来も利上げ見込み→利上げが続く可能性あり→景気にブレーキ掛かりそう→リスクオン終焉に近い→ドル買い後退示唆
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンド開いており、上昇トレンド継続。上値目処は月足実体上限116.762。
- 週足: ボリンジャーバンドスクイーズし、トレンドラインまで下落した後、下ヒゲピンバーで反発。直近の流れはレンジ。
- 日足: ボリンジャーバンドスクイーズ中で直近の流れはレンジ。日足戻り高値実体115.588到達
日足戻り高値実体115.588上抜ければ、上値目処は日足戻り高値実体115.988。その上は4H足実体上限116.160。
日足戻り高値実体115.588で反発すれば、下値目処は日足・4H足20MA付近サポート115.190。その下は日足実体サポート114.885。 - 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズですが直近の流れは強い上昇トレンド。
トレンドラインで反発すれば、上値目処は4H足戻り高値実体115.750。
トレンドライン下抜ければ、下値目処は4H足20MA付近サポート115.190。 - 1H足: ボリンジャーバンドエクスパンションで直近は下降チャネル形成中。
下降チャネル上抜けて4H足・1H足トレンドで反発すれば、上値目処は4H足戻り高値実体115.750。
トレンドライン下抜ければ、下値目処は4H足20MA付近サポート115.190。 - 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズし下降チャネル形成中。戦略は1H足と同じ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足下降チャネル上抜け→4H足・1H足トレンドで反発→レジサポ→目標4H足戻り高値実体115.750。
(B)4H足戻り高値実体115.750上抜け→レジサポ→目標日足戻り高値実体115.588。オーバーシュートで目標4H足戻り高値実体116.160。
②ショート
(C)1H足下降チャネルかつ4H足・1H足トレンド下抜け→レジサポ→目標4H足サポート115.190。
(D)目標4H足サポート115.190下抜け→レジサポ→日足実体サポート114.885。
ウクライナ情勢悪化や各国の対ロシア経済制裁は継続していますが、前日はサプライズがなくなったためかリスクオフ後退。この流れを引き継ぐと想定しロング優先。サプライズの報道や要人発言が出ればショート切り替え。
【考察】
10:45 下降チャネル上抜け→トレンドで反発→レジサポ→(A)ロング可
17:00 目標115.750到達→(A)ロング成立
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