2022年2月16日(水)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
(1)南部と西部に配備していたロシア軍隊が本部に帰還している
(2)露プーチン大統領「米国並びに北大西洋条約機構(NATO)と交渉を継続する用意がある」「戦争を望まない」「ロシア軍の一部撤退を決定」
(3)ウクライナのサイバーセキュリティセンターは、国防省、民間銀行、オシャドバンクのWebサイトがサイバー攻撃を受けていると発表

2/14(月)に引き続き、2/15(火)も要人発言や報道で相場が大きく動きました。
(1),(2)リスクオフ後退でドル円上昇、(3)リスクオフでドル円下落。

本日も突発的な報道や要人発言で、その度にドルと円の方向性が大きく変わる可能性があります。

2. 経済指標
米国小売売上高とFOMC議事録公表(1/25~26日開催)の注目度が高く、通常は結果や内容によってドル円は動きやすい。


現時点で最も注目度が高いのは引き続きウクライナ情勢です。2/14誤報ではありましたが、ウクライナのゼレンスキー大統領が「16日に侵攻が行われるとの情報を得た」との報道が気になります。
よって、本日も突発的な報道や要人発言で振り回される可能性があります。従いまして本日も様子見のみが適切と考えます。

マーケットの動き

東京マーケット前
7:00 取引開始
・ドル円:115.607。前営業日終値115.592ほぼ変わらずスタート。

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 115.639
・日経平均株価: 27269.05 前営業日終値26865.12からギャップアップスタート
米国主要3指数上昇を引き継いで上昇→円売り

9:30
・米国債2年利回り: 1.572%
・米国債10年利回り: 2.042%

9:55 仲値
・ドル円: 115.700

10:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
中国消費者物価指数1月度:前回1.5%、予想1.0%、結果0.9%(×)
中国生産者物価指数1月度:前回10.3%、予想9.5%、結果9.1%(×)


【見通し】
最近は結果の良し悪しでドル円が動くことが少なく、ウクライナ情勢に比べて影響度は小さいため確認のみ。

【考察】
前回かつ予想より弱い数値。円買い→ドル円下落

15:00 クローズ
・ドル円: 115.694
・米国債2年利回り: 1.564%
・米国債10年利回り: 2.036%
・日経平均株価: 27460.33 (前営業日比+595.21、+2.22%)

欧州マーケット(17:00~1:30)
17:00 オープン
・ドル円: 115.641
・米国債2年利回り: 1.572%
・米国債10年利回り: 2.045%

東京マーケット同様にリスクオフ後退、「欧米株上昇→円売り→ドル円上昇」

17:15 要人発言
日銀黒田総裁
「現時点で緩和からの出口を検討する段階にない」「今は長期金利上限0.25%程度を変えるつもりない」


【考察】
サプライズではないですが円売り材料。ドル円継続上昇に寄与。

18:06 要人発言
ストルテンベルグNATO事務総長
「ウクライナ国境でロシア軍は増強し続けている」

【考察】
またも突発的なリスクオフ。株先物(ダウ、日経)下落、米国債利回り低下、ユーロ売り、ドル買い、円買い、強さ「円>ドル」でドル円下落。

21:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国MBA住宅ローン申請指数:前回-8.1%、予想-、結果-5.4%(○)

【見通し】
前回2/9(水)はサプライズの弱い数値でしたがドル円小幅下落。今回確認のみ。

22:30 経済指標
米国輸入物価指数1月度
前月比:前回-0.2%、予想1.2%、結果2.0%(◎)
前年比:前回10.4%、予想10.0%、結果10.3%(○)

【見通し】
生産者物価指数の先行指標であるため、インフレの参考データとなりますが、同刻発表の米国小売売上高の方が注目度が高いため確認のみ。

22:30 経済指標
米国小売売上高1月度
前月比:前回-1.9%、予想2.0%、結果3.8%(◎)
コア前月比:前回-2.3%、予想1.0%、結果3.3%(◎)

【見通し】
米国は個人消費がGDPの約7割を占めており注目度の高い指標です。通常は結果の良し悪しでドル円が大きく動くことがありますが、ウクライナ情勢を警戒して結果に反応しにくい可能性があります。よって、余程のサプライズがない限りは様子見したい。

【考察】
前回かつ予想より強い数値でサプライズ。発表直後、ドル円は115.698から115.780まで上昇したものの、直ぐに急落。
ウクライナ情勢への懸念が理由と考えられますが、今年の注目指標(米国雇用統計など)において、サプライズの強い数値が出て一瞬ドル円が急騰した後に急落するケースが多いように感じます。指標結果を見て飛びついたトレーダーを大口が焼きにきている様子。シナリオ通りにエントリーを見送って助かりました。

22:50 要人発言
米国ブリンケン国務長官

「ロシア軍の撤退は確認できていない」「ロシア軍の主要部隊はウクライナ国境を離れるどころかむしろ接近している」

【考察】
米国小売売上高が強い数値だったにも関わらずドル円が急落した理由は、この発言が一部に漏れ伝わっていたからかも知れません。
特に驚きはない報道内容でしたが、再びリスクオフでドル円急落。

23:15 経済指標
米国鉱工業生産指数1月度:前回-0.1%、予想0.5%、結果1.4%(◎)
米国設備稼働率1月度:前回76.5%、予想76.8%、結果77.6%(◎)

【見通し】
確認のみ。

NYマーケット(23:30~6:00)
23:30 オープン
・ドル円: 115.489
・米国債2年利回り: 1.554%
・米国債10年利回り: 2.017%
・ダウ平均: 34951.83
・S&P500: 4455.75
・ナスダック: 14038.92

24:00 経済指標
米国企業在庫 12月度:前回1.3%、予想2.1%、結果2.1%(○)

【見通し】
確認のみ。

24:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
(原油在庫):前回-475.6万バレル、予想-217.4万バレル、結果112.1万バレル(◎)
(ガソリン在庫):前回-164.4万バレル、予想50.0万バレル、結果-133.2万バレル
(△)

【見通し】
最近はウクライナ情勢緊迫化に伴い原油先物価格WTI上昇に拍車を掛けており、「在庫減となればWTI価格上昇→インフレ加速」が高まります。
しかし、前回2/9(水)は「在庫減→原油先物WTI 90ドル超えに上昇→ドル買い」となりましたが、ドル円は反応薄で終えました。

25:30 欧州クローズ
・ドル円:115.443

27:00 経済指標
米国20年債入札:230億ドル
、最高落札利回り2.396%

【見通し】
入札良好なら米国債利回り低下、入札不調なら米国債利回り上昇です。
1/24 2年債入札:好調
1/11 3年債入札:好調
1/12 10年債入札:360億ドル、不調
1/13 30年債入札:不調
1/20 20年債入札:好調
1/25 5年債入札:好調
1/27 7年債入札:好調
2/8 3年債入札:500億ドル、好調
2/9 10年債入札:370億ドル、好調
2/10 30年債入札:230億ドル、好調

今年複数回の米利上げが見込まれているにも関わらず、短期・長期に関わらず好調な国債入札が続いています。今回は直後にFOMC議事要旨公表が控えており、結果の好不調に関わらずドル円は動きにくいと推測します。

【考察】
「入札好調→米国債20年利回りだけでなく、2年,10年利回りも低下→ドル売り」。しかし「円売り>ドル売り」でドル円上昇。

28:00 経済指標
FOMC議事録公表(1/25~26日開催)
【見通し】
タカ派的な内容が示される場合は、「米国債利回り上昇→ドル買い→ドル円上昇」が想定されます。
しかし、ここでもウクライナ情勢の悪化で「安全資産の米国債買い→米国債利回り低下」が発生する懸念もありますので、積極的なエントリーはしにくいと考えます。

【考察】
「バランスシート縮小の必要性に言及があったものの、明確なガイダンスなし」→想定されたようなタカ派的な内容なし。

「米国債2年,10年利回り急落→ドル売り」、「米国主要3指数上昇→円買いでなく円売り」、ドル売り円売り、強さ「円>ドル」でドル円急落。

30:00 NYクローズ
・ドル円: 115.426
・米国債2年利回り: 1.511%
・米国債10年利回り: 2.028%
・ダウ平均: 34934.26 (前営業日比-54.59、-0.16%)
・S&P500: 4475.02 (前営業日比+3.94、+0.09%)
・ナスダック: 14124.10 (前営業日比-15.65、-0.11%)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. NZD(資源国リスクオン通貨):前日3位
  2. AUD(資源国リスクオン通貨):前日2位
  3. CHF(リスクオフ通貨):前日8位
  4. GBP(リスクオン通貨):前日4位
  5. CAD(資源国リスクオン通貨):前日6位
  6. EUR(リスクオン通貨):前日1位
  7. JPY(リスクオフ通貨):前日7位
  8. USD(基軸通貨):前日5位

【考察】
NZDとAUDが前日同様に強く買われましたが、ウクライナ情勢に関連して、ややリスクオフ後退と見なされる推移になりました。

米国債イールドカーブ

  • 2/16(水)は2/15(火)に対して、ブル・スティープニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差拡大)になりました。景気後退、金融緩和、ドル売りが示唆されます。

材料まとめ

ドル買い材料

  • 金融政策
    • FOMC議事録公表1月度(2/16):バランスシート縮小の必要性に言及があったものの明確なガイダンスなし。タカ派色薄
  • 政治、経済
    • 米国生産者物価指数(PPI)1月度:総合的に強い数値
  • 要人発言
  • 新型コロナ
  • 地政学リスク
    • ロシア報道(2/15):南部と西部に配備していたロシア軍隊が本部に帰還
    • 露プーチン大統領(2/15):「米国並びに北大西洋条約機構(NATO)と交渉を継続する用意がある」「戦争を望まない」「ロシア軍の一部撤退を決定」
    • ストルテンベルグNATO事務総長(2/16):「ウクライナ国境でロシア軍は増強し続けている」
    • 米国ブリンケン国務長官(2/16):「ロシア軍の撤退は確認できていない」「ロシア軍の主要部隊はウクライナ国境を離れるどころかむしろ接近している」

ドル売り材料

  • 政治、経済
    • 米国ニューヨーク連銀製造業景気指数2月度:予想より弱い数値
  • 要人発言
  • 新型コロナ
  • 地政学リスク
    • ウクライナのサイバーセキュリティセンター(2/15):国防省、民間銀行、オシャドバンクのWebサイトがサイバー攻撃を受けている

円買い材料

  • 地政学リスク
    • ウクライナのサイバーセキュリティセンター(2/15):国防省、民間銀行、オシャドバンクのWebサイトがサイバー攻撃を受けている
    • ストルテンベルグNATO事務総長(2/16):「ウクライナ国境でロシア軍は増強し続けている」
    • 米国ブリンケン国務長官(2/16):「ロシア軍の撤退は確認できていない」「ロシア軍の主要部隊はウクライナ国境を離れるどころかむしろ接近している」

円売り材料

  • 金融政策
  • 要人発言
    • 日銀黒田総裁(2/16)「現時点で緩和からの出口を検討する段階にない」「今は長期金利上限0.25%程度を変えるつもりない」
  • 政治、経済
  • 新型コロナ
  • 地政学リスク
    • ロシア報道(2/15):南部と西部に配備していたロシア軍隊が本部に帰還
    • 露プーチン大統領(2/15):「米国並びに北大西洋条約機構(NATO)と交渉を継続する用意がある」「戦争を望まない」「ロシア軍の一部撤退を決定」

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンド開いており、上昇トレンド継続。上値目処は実体上限116.762。
  • 週足: 陽線形成しながら実体上限115.577付近推移中。ボリンジャーバンドが閉じつつあり、直近の流れはレンジ。
  • 日足: 前日同様、日足トレンドラインや押し安値115.074付近の115.014で下げ止まって下ヒゲで反発し、サポート115.355上で引け。日足レベルのダウ継続で上昇トレンド崩れず。
    上値目処日足実体115.981。
    日足トレンドラインかつ押し安値115.074下抜けで下値目処は日足押し安値114.363。
  • 4H足:ボリンジャーバンド閉じつつありレンジ推移。
    日足サポート115.15.355から大陽線の包み足で上昇し20MA到達後に戻し。
    上値目処は日足実体上限115.981。
    日足サポート115.355下抜けで下値目処は日足トレンドライン付近押し安値115.074。
  • 1H足: 上昇チャネル形成。戦略は4H足と同じ。
  • 15M足:ボリンジャーバンド横向きスクイーズ中。戦略は4H足と同じ。

【シナリオ】
①ロング
(A)15M足右下切り下げライン上抜け→レジサポや20MA反発で、目標1H足実体115.811。オーバーシュートでチャネル上限付近の日足実体115.981。
(B)日足トレンドラインや1H足チャネル下限まで下落した後、反発してレジサポすれば、目標1H足実体115.811。オーバーシュートでチャネル上限付近の日足実体115.981。

②ショート
(D)日足トレンドラインかつ4H足押し安値115.325下抜けてレジサポすれば、目標日足実体115.074。
(E)日足実体115.074下抜けてレジサポすれば、目標週足実体114.363。

ウクライナ情勢次第ですが、リスクオフ後退ならロング、リスクオフ続けばショート。直近はややリスクオフ後退でロング優先とします。しかしながら、前日同様、突発的な報道や要人発言でドルと円の方向性が大きく変わると考えます。

【考察】
9:00-17:30
15M足トレンドライン上抜け20MA反発→(A)ロング可。しかし115.790到達後に、リスクオフ報道で急落し、(A)ロング目標115.811未達。

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