ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
(1)戦闘激化、停戦交渉不調、ウクライナ原発攻撃、核威嚇:リスクオフ
「安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」「安全資産ドル買い」
「米国債利回り低下→日米金利差縮小→円買い」、「株価下落→円買い」
⇒ドル買いドル売り交錯、円買い。総じてドル円下落と推測。
(2)停戦交渉前進:リスクオフ後退
(1)と逆の動きとなるためドル円上昇と推測。
(3)コモディティ価格・食品価格急騰
「決済ドル需要増→ドル買い」、「インフレ加速→米利上げ見込み→ドル買い」、「スタグフレーション懸念→ドル売り」
「日本貿易収支悪化→円売り」、「インフレ加速→円利上げ観測→円買い」「スタグフレーション懸念→円売り」
⇒ドル買いドル売り、円買い円売りが交錯。しかし、急な円利上げは考えにくいことから、総じてドル円上昇と推測。
前日はウクライナ・ロシアの外相会談で進展なし(リスクオフ)ですが、サプライズでなかったことからリスクオフ後退とも捉えられ、総じてドル円の材料になりにくかったと考えます。
2. 米国消費者物価指数(CPI)
3/9に米国サキ大統領報道官から強い数値が示唆されていたにも関わらず、3/10CPIは予想通りの結果。しかし約40年ぶりの高さを記録であったためか、「米国債利回り上昇→ドル買い→ドル円上昇」となりました。
前日のウクライナ情勢と米国CPIの動きを引き継いで、東京マーケットはドル円上昇しやすいと推測します。
しかし、戦争終結の見通しが明確になった訳ではないことから、リスクオフ後退の動きは一時的のはず。
ウクライナ情勢悪化の報道や発言が出る可能性も高いことと、今週は日足陽線続きで含み益を得たロング勢も多いことから、週末から休日のポジション持越しを嫌って、ロング勢決済が入りやすいと考えます。つまり、欧米マーケットに入ってからは、大きなドル円下落がシ生じる可能性も高いと推測します。
マーケットの動き
東京マーケット前
7:00 取引開始
・ドル円: 116.092 (前営業日終値 116.196 からギャップダウンスタート)
ラウンドナンバー116.000を下抜けずスタートしたことは上昇期待ありか。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 116.180
・日経平均株価: 25495.03 (前日営業日終値 25690.18 )
・TOPIX 1811.26 (前日営業日終値 1830.03 )
株価指数はギャップダウンスタート。
9:55 仲値
・ドル円: 116.289
15:00 クローズ
・ドル円: 116.691
・米国債2年利回り: 1.701 %
・米国債10年利回り: 1.979 %
・日経平均株価: 25162.56 (前営業日比 -527.62、 -2.05 %)
・TOPIX 1799.54 (前営業日比 -30.49、 -1.67 %)
欧州マーケット(17:00~1:30)
17:00 オープン
・ドル円: 116.717
・米国債2年利回り: 1.705 %
・米国債10年利回り: 1.978 %
20:13 要人発言
ロシア・プーチン大統領
「ウクライナ交渉で進展あり」
プーチン大統領、ウクライナとの協議で「一定の前向きな動き」(Bloomberg)
22:20 要人発言
インド政府
「パキスタンにミサイル誤射」
インドがパキスタンにミサイル誤射-「技術的な不具合」が原因と釈明(Bloomberg)
NYマーケット(23:30~6:00)
23:30 オープン
・ドル円: 116.933
・米国債2年利回り: 1.736 %
・米国債10年利回り: 2.007 %
・ダウ平均: 33279.72 (前営業日終値 33173.03 )
・S&P500: 4279.50 (前営業日終値 4259.38 )
・ナスダック: 13229.77 (前営業日終値 13129.97 )
米国主要3指数ギャップアップスタート。
24:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)3月度:前回62.8、予想61.0、結果59.7(✕)
米消費者マインド悪化続く、インフレ期待が急上昇-ロシア侵攻で(Bloomberg)
24:34 要人発言
米国バイデン大統領
「米国はロシアとの通常の貿易関係を終了する」
「同盟国にもロシアとの通常の貿易関係終了を要請する」
米政権、ロシア象徴する品目を輸入禁止-貿易優遇の撤廃求める(Bloomberg)
25:30 欧州クローズ
・ドル円: 117.177
・米国債2年利回り: 1.750 %
・米国債10年利回り: 2.006 %
26:08 要人発言
ウクライナ・クレバ外相
「ロシアとの交渉で進展なし」
30:00 NYクローズ
・ドル円: 117.249
・米国債2年利回り: 1.740 %
・米国債10年利回り: 1.999 %
・ダウ平均: 32944.18 (前営業日比 -229.88 -0.69 %)
・S&P500: 4204.32 (前営業日比 -55.19 -1.30 %)
・ナスダック: 12843.82 (前営業日比 -286.14 -2.18 %)
米国主要3指数急落
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日3位
- USD(基軸通貨):前日4位
- GBP(リスクオン通貨):前日7位
- CHF(リスクオフ通貨):前日6位
- EUR(リスクオン通貨):前日8位
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日2位
- JPY(リスクオフ通貨):前日5位
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日1位
【考察】
ウクライナ情勢停戦に向けて進展なしでしたが、ややリスクオフ後退の動き。終日ドル買い円売りでドル円急騰しました。
米国債イールドカーブ
3/11(金)は3/10(木)に対して、ベア・スティープニング(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差縮小)になりました。
*ベア・スティープニング:直近の景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→長短金利上昇→長期金利高く将来も利上げ見込み→好景気継続→リスクオン→ドル買い示唆
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド継続。しかし、上ヒゲピンバー形成中。下値は5MAでサポート。
- 週足: ボリンジャーエクスパンションしつつあり。アセンディングトライアングル形成中で上目線。
- 日足: ボリンジャーバンドエクスパンションしつつあり、直近の流れは上昇トレンド。
上値目処は日足ヒゲ先上限116.330。 - 4H足:直近の流れは上昇トレンド。
- 1H足: ボリンジャーバンドエクスパンションしつつあるも、直近の流れはレンジ。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レンジ上限116.189上抜け→右上がりトレンドライン反発・レジサポ→目標日足ヒゲ先116.330。
(B) (C)で4H足サポート115.754下落→反発・レジサポ→目標1H足レンジ上限116.189。
②ショート
(C)4H足レンジ下限115.951下抜け→レジサポ→目標4H足サポート115.754。
(D)4H足サポート115.754下抜け→レジサポ→目標日足サポート115.512。
週足アセンディングトライアングル下限と日足レンジ下限から上昇しやすいと推測。よってロング優先。
【考察】
10:00 116.189上抜け→レジサポせず目標116.330到達→(A)ロング狙えず。
その後も急騰し117.000台突破。
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