2022年3月10日(木)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
(1)戦闘激化、停戦交渉不調、ウクライナ原発攻撃、核威嚇:リスクオフ
「安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」「安全資産ドル買い」
「米国債利回り低下→日米金利差縮小→円買い」、「株価下落→円買い」
⇒ドル買いドル売り交錯、円買い。総じてドル円下落と推測。

(2)停戦交渉前進:リスクオフ後退
 (1)と逆の動きとなるためドル円上昇と推測。

(3)コモディティ価格・食品価格急騰
「決済ドル需要増→ドル買い」、「インフレ加速→米利上げ見込み→ドル買い」、「スタグフレーション懸念→ドル売り」
「日本貿易収支悪化→円売り」、「インフレ加速→円利上げ観測→円買い」「スタグフレーション懸念→円売り」
⇒ドル買いドル売り、円買い円売りが交錯。しかし、急な円利上げは考えにくいことから、総じてドル円上昇と推測。


前日は①戦争激化なし、②ゼレンスキー大統領の譲歩示唆発言によって、(2)リスクオフ後退した動きでドル円日足陽線を形成し上昇しました。
本日も、この動きを引き継いでドル円上昇しやすいと推測します。

一方で、戦争終結の見通しが明確になった訳ではないことから、リスクオフ後退の動きは一時的のはず。また、当然ウクライナ情勢悪化の報道や発言出ればリスクオフでドル円下落に転じやすいと考えます。

マーケットの動き

東京マーケット前
7:00 取引開始
・ドル円:115.825 (前営業日終値 115.866 からギャップダウンスタート)

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 115.909
・日経平均株価: 25108.47 (前日営業日終値 24717.46 からギャップアップスタート)
・TOPIX 1786.75 (前日営業日終値 1758.89 からギャップアップスタート)
ウクライナ情勢がややリスクオフ後退の影響か。

9:55 五十日仲値
・ドル円: 115.993

15:00 クローズ
・ドル円: 116.093
・米国債2年利回り: 1.670 %
・米国債10年利回り: 1.943 %
・日経平均株価: 25690.18 (前営業日比 972.72、 3.94 %)
・TOPIX 1830.03 (前営業日比 71.14、 4.04 %)

欧州マーケット(17:00~1:30)
17:00 オープン
・ドル円: 115.923
・米国債2年利回り: 1.670 %
・米国債10年利回り: 1.936 %

18:59 要人発言
ウクライナ・クレバ外相
「停戦への進展なし」
「会合は継続する」


19:06 要人発言
ロシア・ラブロフ外相
「人道的問題について主に議論」
「軍事行動は計画通り進んでいる」


ウクライナとロシアが外相会談、停戦へ進展なし-両国の隔たり大きく(Bloomberg)

【考察】予想通り、外相交渉で進展なし。リスクオフ継続

21:45 経済指標
ECB政策金利3月度
前回0.00%、予想0.00%、結果0.00%(○)

21:46 要人発言
欧州中央銀行(ECB)声明
「従来の資産購入プログラム(APP)は7-9月期に終了予定」
「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の純購入は3月で終了」

【考察】量的緩和策の縮小加速でタカ派。

22:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国新規失業保険申請件数:前回21.5万件、予想21.7万件、結果22.7万件(✕)
米国失業保険継続申請件数:前回147.6万件(改定146.9)、予想146.0万件、結果149.4万件(✕)
米新規失業保険申請22.7万件に増加、なおタイトな労働市場示唆(Reuters)

米国消費者物価指数2月度
前月比:前回0.6%、予想0.8%、結果0.8%(○)
前年比:前回7.5%、予想7.9%、結果7.9%(○)
コア前月比:前回0.6%、予想0.5%、結果0.5%(○)
コア前年比:前回6.0%、予想6.4%、結果6.4%(○)

米消費者物価は7.9%上昇、40年ぶり大きな伸び-原油急騰前でも(Bloomberg)

【考察】3/9に米国サキ大統領報道官から強い数値が示唆されていたにも関わらず、3/10CPIは予想通りの結果。しかし約40年ぶりの高さを記録であったためか、「米国債利回り上昇→ドル買い→ドル円上昇」となりました。

22:35 要人発言
ECBラガルド総裁
「GDPは下方修正された」

「必要に応じてAPPを調整する用意がある」
「金融政策の正常化を加速していない」

ECB、債券購入縮小急ぐ-ウクライナ戦争がインフレ高める恐れ(Bloomberg)

【考察】ECB声明とは打って変わってハト派的な発言。

NYマーケット(23:30~6:00)
23:30 オープン
・ドル円: 116.144
・米国債2年利回り: 1.713 %
・米国債10年利回り: 1.978 %
・ダウ平均: 33106.77 (前営業日終値 33285.3 )
・S&P500: 4252.55 (前営業日終値 4277.87 )
・ナスダック: 13098.35 (前営業日終値 13255.56 )
米国主要3指数ギャップダウンスタート。

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 116.063
・米国債2年利回り: 1.723 %
・米国債10年利回り: 2.004 %



27:00 経済指標
米国30年債入札:200億ドル
、最高落札利回り2.375%

【見通し】
入札良好なら米国債利回り低下、入札不調なら米国債利回り上昇。
1/24 2年債入札:好調
1/11 3年債入札:好調
1/12 10年債入札:360億ドル、不調
1/13 30年債入札:不調
1/20 20年債入札:好調
1/25 5年債入札:好調
1/27 7年債入札:好調
2/8 3年債入札:500億ドル、好調
2/9 10年債入札:370億ドル、好調
2/10 30年債入札:230億ドル、好調
2/16 20年債入札:230億ドル、好調、最高落札利回り2.396%
2/22 2年債入札:520億ドル、好調、最高落札利回り1.553%
2/23 5年債入札:520億ドル、好調、最高落札利回り1.880%
2/24 7年債入札:500億ドル、好調、最高落札利回り1.905%
3/8 3年債入札:480億ドル、不調、最高落札利回り1.775%
3/9 10年債入札:340億ドル、不調、最高落札利回り1.920%

【考察】入札好調→30年債利回り低下。

28:00 経済指標
米国月次財政収支
前回1187億ドル、予想-2120億ドル、結果-2166億ドル(✕)

30:00 NYクローズ
・ドル円: 116.059
・米国債2年利回り: 1.702 %
・米国債10年利回り: 1.993 %
・ダウ平均: 33173.03 (前営業日比 -113.23 -0.34 %)
・S&P500: 4259.38 (前営業日比 -18.48 -0.43 %)
・ナスダック: 13129.97 (前営業日比 -125.57 -0.95 %)
ウクライナ情勢のリスクオフ後退で米国主要3指数急騰


ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. AUD(資源国リスクオン通貨):前日2位
  2. NZD(資源国リスクオン通貨):前日5位
  3. CAD(資源国リスクオン通貨):前日4位
  4. USD(基軸通貨):前日7位
  5. JPY(リスクオフ通貨):前日8位
  6. CHF(リスクオフ通貨):前日6位
  7. GBP(リスクオン通貨):前日3位
  8. EUR(リスクオン通貨):前日1位

【考察】
ウクライナ・ロシアの外相会談で進展なく、ウクライナ情勢悪化のリスクオフ。英国・欧州通貨売り(CHF、GBP、EUR)、戦地から遠いオセアニア通貨買い(AUD、NZD)、原油価格堅調でCAD買い。

米国債イールドカーブ

3/10(木)は3/9(水)に対して、ベア(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差同等)になりました。ウクライナ情勢悪化のリスクオフより、米国CPI結果を受けての利上げ期待の影響と思われます。

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド継続。しかし、上ヒゲピンバー形成中。下値は5MAでサポート。
  • 週足: ボリンジャーバンドスクイーズし直近の流れはレンジ。アセンディングトライアングル形成中で上目線。
  • 日足: ボリンジャーバンドスクイーズするも、直近の流れは上昇トレンド。
    日足陽線連続し上昇圧力強く上目線。上値目処は日足レンジ上限115.981。
  • 4H足:ボリンジャーバンドエクスパンションしつつあり。トレンドライン抜けており直近の流れはレンジ。
  • 1H足: ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
  • 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レンジ上限115.911上抜け→右上がりトレンドライン反発・レジサポ→目標4H足レジスタンス116.166。
(B)4H足レジスタンス116.166上抜け→レジサポ→目標4H足ヒゲ先116.330。

②ショート
(C)4H足レンジ下限115.754下抜け→レジサポ→目標日足サポート115.512。
(D)日足サポート115.512下抜け→レジサポ→1H足サポート115.259。

週足アセンディングトライアングル下限と日足レンジ下限から上昇しやすいと推測。よってロング優先。

【考察】
9:15 115.911上抜け→レジサポ→(A)ロング可
12:15 目標116.166到達→(A)ロング成立


コメント

タイトルとURLをコピーしました