ドル(USD)
ドル買い材料
- 金融政策
- 3月FOMC(3/15-16):3/10 米国消費者物価指数が前年比+7.9%になったことで、コンセンサスの利上げ0.25%から、0.50%の可能性浮上。
- 政治、経済
- 要人発言
- 米国パウエルFRB議長
- 3/2「3月会合0.25%利上げ支持」
- 米国ブラード・セントルイス連銀総裁
- 3/2「3月、5月、6月の会合にかけて1.00%利上げ案に賛同」
- 米国メスター・クリーブランド連銀総裁
- 3/3「0.25%利上げから開始し、その後に追加引き締め可能」
- 米国エバンズ・シカゴ連銀総裁
- 3/4「0.25%の7回利上げなら年末に1.75-2%」「3/4雇用統計は金融政策の道筋変えない」
- 米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁
- 3/4「3月利上げ予想」「バランスシート縮小は年内開始の見通し」
- 米国パウエルFRB議長
- 地政学リスク
- ウクライナへロシア侵攻による制裁→ロシア産原油のドル建て決済不可→原油先物価格急騰→インフレ加速
- 3/8 米国がロシア産エネルギー輸入禁止→原油先物価格上昇→インフレ加速
ドル売り材料
- 金融政策
- 政治、経済
- 米国債利回り2年,10年差縮小:FRB利上げが景気減速・後退をもたらすリスク
- 米中貿易戦争:米商務省、「輸出注意リスト」に中国33企業・団体追加
- 3/4 米国雇用統計:平均時給は前回かつ予想より弱い数値
- 3/8 米国貿易収支1月度:過去最大の貿易赤字(Bloomberg)
- 要人発言
- 地政学リスク
- 台湾情勢を巡る米中関係悪化
- ウクライナ情勢緊迫化
- ロシア制裁でドル決済が使えなくなったら、ロシアはドル売り中国人民元買いの可能性
- 安全資産米国債買い→米国債利回り低下
米利上げ期待とウクライナ情勢悪化リスクオフでドルは買い材料が優勢と推測します。
円(JPY)
円買い材料
- 金融政策
- 日銀、量的緩和じわり修正 国債保有残高13年ぶり減少(1/5, 日経新聞):弱いながらも実質的なテーパリング
- 政治、経済
- 長期金利が一時0.185%(2016年1月以来):2/1から大手銀行5行が10年固定の住宅ローン基準金利を0.05~0.10%引き上げ。
- 要人発言
- 神田財務官:悪い円安への牽制発言
- 地政学リスク
- 台湾情勢を巡る米中関係
- 北朝鮮の軍事行動:ミサイル発射は2022年に9回目
- ウクライナ情勢悪化
- 日本は世界最大の対外純資産保有国(財務省統計):円売り→外貨買い→海外資産買い。リスクオフで、海外資産売り→外貨売り→円買い
- IMM通貨先物
- 3/8時点、ショート縮小(ネット -68,732 → – 55,856 、前週比 +12,876 )
円売り材料
- 金融政策
- 1/18 日銀金融政策決定会合:政策金利-0.1%維持、金融緩和継続、必要なら追加緩和。
- 2/14 通常の金融調節で指し値オペを通知:落札額ゼロであったものの、日本10年国債利回り上昇牽制→日米金利差拡大期待。
- 日本以外でテーパリングや利上げ実施する国が増加→円を売って海外通貨買って利回りが良い海外国債などに投資した方が良い。
- 政治、経済
- 原油など資源価格高騰→輸入物価上昇→資源輸入への支払い増→日本の経常収支悪化
- 要人発言
- 日銀黒田総裁
- 3/8「金融緩和継続」(Bloomberg)
- 日銀黒田総裁
- 新型コロナ
- 日本政府 「まん延防止等重点措置」期間延長
- 地政学リスク
- ウクライナ情勢悪化:日本企業のロシア離れ加速
日米金融政策差や円売り優勢ですが、突発的なウクライナ情勢変化で円買い優勢も生じやすいと考えます。
ユーロ(EUR)
ユーロ買い材料
- 金融政策
- 3/10 ECB理事会:量的緩和の縮小ペース加速決定、利下げ示唆の文言削除(Bloomberg)
- 政治、経済
- 3/2 欧消費者物価指数(HICP)2月度:過去最高更新記録。エネルギー価格高騰が主因。
- 3/2 独雇用統計2月度:前回かつ予想より良好。
- 3/3 欧雇用統計1月度:前回かつ予想より良好。
- 3/3 欧生産者物価指数1月度:前回かつ予想より強い数値。
- 3/7 独小売売上高1月度:前回かつ予想より強い数値。
- 要人発言
- 独ナーゲル連銀総裁
- 3/2「ユーロ圏のインフレは驚異的なものになる可能性」「金融政策の正常化に重点を置く方針を維持すべき」
- 独ナーゲル連銀総裁
ユーロ売り材料
- 金融政策
- 政治、経済
- 英国とEUの北アイルランド議定書議論難航
- ドイツエネルギー当局:ノルドストリーム2(独露間をつないだ天然ガスパイプライン)稼働前の認証プロセス停止→天然ガス価格高騰→ユーロ圏景況悪化懸念
- 欧製造業PMI 2月度(3/1):前回かつ予想より弱い数値
- 独製造業PMI 2月度(3/1):前回かつ予想より弱い数値
- 欧非製造業PMI 2月度(3/3):前回かつ予想より弱い数値
- 独非製造業PMI 2月度(3/3):前回かつ予想より弱い数値
- 要人発言
- 3/2 レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト:「一時的な高インフレに対応して政策を引き締めることは逆効果」
- 3/10 ラガルドECB総裁「成長見通しへのリスクが著しく増大」→物価上昇とスタグフレーション懸念
- 3/11 フランス・ビルロワドガロー中銀総裁「資産購入終了から利上げへの流れは自動的でない」(Bloomberg)
- 地政学リスク
- ウクライナ情勢悪化
- ウクライナとロシア停戦交渉進展なし
- エネルギー価格急騰→物価上昇→欧州経済悪化→スタグフレーション懸念
- ウクライナ情勢悪化
- IMM通貨先物
- 3/8時点、ロング縮小(ネット +64,939 → +58,844 、前週比 – 6,095 )
ウクライナ情勢悪化の一途でユーロ売り優勢。
ポンド(GBP)
ポンド買い材料
- 金融政策
- 3/17 英中銀(BOE)金融政策決定会合:0.25%追加利上げ(0.75%)見込み。
- 政治、経済
- 3/1 英国製造業PMI 2月度:前回かつ予想より良好。
- 3/11 英国月次GDP1月度:前回かつ予想より良好→英中銀利上げ前進
- 要人発言
- 3/1 サンダース英中銀金融政策委員会委員:「一段の引き締めが必要となる可能性
- 3/1 マン英金融政策委員会委員:「4月の英国インフレ率は7.25%に向かっている」
ポンド売り材料
- 金融政策
- 政治、経済
- 北アイルランド議定書の効力停止懸念(非公式期限2月末)
- 英首相官邸のロックダウン期間中パーティーで、ジョンソン首相支持率急落、与党保守党も支持率低下、退陣要求(2/7, Bloomberg)
- 要人発言
- 地政学リスク
- ウクライナ情勢悪化
- 4月に家計向けのエネルギー料金を50%引き上げる予定。消費マインド悪化で景気下振れリスク
- ロシア産原油輸入削減→インフレ加速→スタグフレーション懸念
- ウクライナ情勢悪化
- IMM通貨先物
- 3/8時点、ショート拡大(ネット -337 → – 12,526 、前週比 – 12,189 )
ウクライナ情勢悪化のリスクオフでポンド売り優勢と推測します。
豪ドル(AUD)
豪ドル買い材料
- 金融政策
- 豪中銀:8月、9月連続利上げ予想(Bloomberg)
- 政治、経済
- 中国人民銀行が最優遇貸出金利(ローンプライムレート)引き下げ→中国経済回復期待→中国経済の影響を大きく受ける豪州経済回復
- 3/2 豪実質GDP第4四半期:前年比は前回かつ予想より強い数値。
- 3/3 豪貿易収支1月度:前回かつ予想より強い数値。
- 要人発言
- 地政学リスク
- ウクライナ情勢悪化
- 小麦やトウモロコシ等の農作物と液化天然ガス等の資源を、ウクライナやロシア産から豪州産への代替需要高まり。
- ウクライナ情勢悪化
- IMM通貨先物
- 3/8時点、ショート縮小(ネット -78,336 → – 78,195 、前週比 +141 )
豪ドル売り材料
- 金融政策
- 3/1 豪準備銀行(RBA)政策決定会合
- 政策金利据え置き
- 3/1 豪準備銀行(RBA)政策決定会合
- 政治、経済
- 豪小売売上高12月度(2/1):前回かつ予想を大きく下回るサプライズに弱い数値。
- 要人発言
- 3/11 ロウ豪準備銀行(RBA)総裁:「年内の利上げはあり得る」「来年まで利上げはないシナリオもある」→早期利上げに慎重姿勢(Bloomberg)
- 地政学リスク
- ウクライナ情勢悪化:米国株下落の影響でリスクオフ
ウクライナ情勢悪化による農作物やエネルギー資源需要増で豪ドルは買い材料が優勢と推測します。
カナダドル(CAD)
カナダドル買い材料
- 金融政策
- 3/2 カナダ中銀(BOC)金融政策会合:予想通り政策金利0.50%に引き上げ。追加利上げ示唆(Bloomberg)
- 政治、経済
- 要人発言
- 3/3 マックレムBOC総裁:「バランスシート縮小は比較的迅速に」
- 地政学リスク
- ウクライナ情勢緊迫化:原油だけでなく天然ガス価格高騰
カナダドル売り材料
- 金融政策
- 政治、経済
- IMM通貨先物
- 3/8時点、ロング縮小(ネット +14,140 → +7,646 、前週比 – 6,494 )
利上げとウクライナ情勢悪化による原油先物価格急騰からカナダドルは買い材料優勢と推測します。
人民元(CNH)
人民元買い材料
- 政治、経済
- 3/1 中国製造業PMI2月度:前回かつ予想より強い数値。
- 3/1 中国財新製造業PMI2月度:前回かつ予想より強い数値。
- 3/5 中国財政支出拡大:経済支援。科学技術予算7.2%増(Reuters)
- 3/7 中国貿易収支2月度:前回かつ予想より強い数値。
- 地政学リスク
- ウクライナへロシア侵攻で各国制裁→ロシア産原油のドル建て決済不可→ロシアが友好的国の中国人民元買いに向かう可能性
人民元売り材料
- 金融政策
- 中国人民銀行が最優遇貸出金利(ローンプライムレート)引き下げ
- 政治、経済
- 3/11 中国経済全体のファイナンス活動鈍化(Bloomberg)
- 新型コロナ
- 新規感染者急拡大(Reuters)
- 地政学リスク
- ウクライナ・ロシア紛争の後は、中国・台湾紛争による経済悪化危機感が増加。
中国経済堅調かつウクライナ情勢悪化の影響で人民元は買い材料優勢と推測します。しかし、今後は経済鈍化の可能性も高い。
原油
原油買い材料
- 政治、経済
- 原油供給逼迫→原油先物堅調
- 3/2 OPECプラス(3/2):4月も追加増産見送り(Bloomberg)
- 地政学リスク
- ウクライナ情勢悪化:需要増、供給不安→原油価格高騰
- IMM通貨先物
- 3/8時点、ロング縮小(ネット +368,663 → +361,665 、前週比 – 6,998 )
原油売り材料
- IMM通貨先物
- 2/22時点、ロング縮小(ネット+ 348,093→+339,041、前週比-9,052):ウクライナ情勢悪化で原油先物WTI価格が高値堅調推移にも関わらずロング縮小。
ウクライナ情勢悪化による原油先物価格急騰により原油買い優勢と推測します。
金
金買い材料
- 地政学リスク
- ウクライナ情勢悪化:安全資産の金買い増加
- IMM通貨先物
- 3/8時点、ロング大幅拡大(ネット +257,622 → +274,388 、前週比 +16,766 )
金売り材料
- 地政学リスク
- ウクライナ情勢悪化:有事の金売り(日経新聞)
ウクライナ情勢悪化による安全資産の金買い優勢と推測します。
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