ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)4/23の欧米マーケット影響
米国PMI速報値のサプライズの弱い数値で日通し安値154.57へ急落。直後の米国リッチモンド連銀製造業指数、米国新築住宅販売件数の強い数値や株上昇リスクオンを受けて154.84へほぼ全戻し。
米国2年債入札と同タイミングで日銀円安加速の影響を議論のリーク報道により日足安値154.55へ急落。しかし、あくまで報道段階であり口先介入と同じく押し目買い機会の機会となり、加えて海外投資GPIF日本株比率引き上げ思惑報道のリスクオンもあり、ほぼ全戻し上昇。
総じて、155円目前に政府口先介入や日銀政策報道出てドル円下落しても押し目買い機会となり全戻しや、米国経済指標の強弱で乱高下。
日足終値154.84
(2)経済指標
・米国耐久財受注速報値
・米国5年債入札
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):FOMCブラックアウト期間(4/20~4/30)のため発言や記事に要注意。
(4)その他
・米国主要企業決算
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は154円台もみ合いか、ドル高基調と介入警戒が綱引き(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利上昇か、日銀会合と資源インフレ再燃を警戒(Bloomberg)
【日本株週間展望】続落、半導体関連の決算に警戒-中東リスクも重し(Bloomberg)
本日の注目材料は2点。
①政府・日銀口先介入、実介入
155円台目前に迫ったことで今までより強い口先介入・実介入への警戒感が高まりました。しかし、ファンダメンタルズに基づくドル円急騰であることから、実介入が実施されてドル円暴落が生じても、押し目買いに機会になりやすいと推測します。
②中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
10:10 要人発言
日銀、国債買い入れオペ通知。
【考察】ドル円上昇。
12:00 要人発言
自民党内に日銀の追加利上げは時期尚早との声-年内は困難との見方も(Bloomberg)
【考察】追加利上げ牽制発言。ドル円上昇。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:30 経済指標
米国耐久財受注速報値:設備投資の先行指標
前月比:前回1.3%(改定0.7)、予想2.8%、結果2.6%(△)
コア前月比:前回0.3%(改定0.1)、予想0.3%、結果0.2%(△)
21:38 報道
イスラエル、レバノン南部のヒズボラ拠点40カ所を空爆(Bloomberg)
【考察】中東地政学リスクオフ。ドル円下落。
26:00 経済指標
米国5年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回4.235%、結果4.659%(×)
応札倍率:前回2.41倍、結果2.39倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回70.5%、結果65.7%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+0.8 bps、結果+0.4bps(◎)
【考察】入札不調。
29:07 米国主要企業決算
メタ・プラットフォームズ
売上高:前回401.0億ドル、予想361.2億ドル、結果364.6億ドル(○)
EPS:前回5.33ドル、予想4.30ドル、結果4.71ドル(○)
メタ、通期の支出見通し上方修正-売上高予想は市場の期待に届かず(Bloomberg)
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値154.84
取引開始後、日足安値154.73へ下押しあるも、東京オープンからは前日NYマーケットの株上昇リスクオンやGPIF日本株比率引き上げ報道(円キャリートレード促進)の影響継続。本日の日銀の国債買い入れオペ通知、自民党内の追加利上げ牽制発言を受けて東京高値154.88へ上昇。
きょうの国内市況(4月24日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープンすると揉み合いから一気に日通し高値155.17へ上昇。1990年6月以来、約34年ぶり155円台乗せ。
しかし、直後にイスラエルのヒズボラ拠点空爆報道を受けた中東地政学リスクオフと政府・日銀為替介入警戒から154円台へ下落するも、目立ったリスクオフ続報ないことや米国5年債入札不調から日足高値155.38へ急騰。
日足終値155.35
【米国市況】円は一時155円37銭に下落、国債利回り上昇-GDP待ち(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル買い優勢
買い:米国5年債入札不調。
売り:
・円売り優勢
買い:イスラエルのヒズボラ拠点空爆報道。
売り:GPIF日本株比率引き上げ報道。日銀の国債買い入れオペ通知。自民党内の追加利上げ牽制発言。
海外投資家「GPIFが日本株比率引き上げ」で思惑(日本経済新聞)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
5月1日公表:据え置き99.5%
9月18日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ46.2%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:4月陽線形成中。上昇トレンド。
- 週足:4/22週、陽線形成中。上昇トレンド。
- 日足:4/23下ヒゲピンバー。上昇トレンド。政府・日銀の強い口先介入か実為替介入なければ4/24も上昇優勢と推測。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)日足レンジ安値154.396付近へ下落→転換上昇→目標日足三尊肩154.732
②ショート
(B)4H足ダウ安値154.732を転換下落→目標日足レンジ安値154.396
4月通算:9勝5敗、勝率64.3%、+56.5pips
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