2024年4月23日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)4/22の欧米マーケット影響
欧州オープン前に日通し高値154.76を付けた直後、北朝鮮ミサイル発射の地政学リスクオフで154.60へ下落するも押し目買いの機会にしかならず直ぐに全戻し。
注目度の高い材料ない中、中東地政学リスクオフ後退から株上昇リスクオンで日足高値154.85へじり上げ。155円台目前での政府・日銀為替介入警戒感は欧米マーケットでも続いており上値重い。
日足終値154.84

(2)経済指標
・日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
・米国PMI速報値
・米国リッチモンド連銀製造業指数
・米国新築住宅販売件数
・米国2年債入札

(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):FOMCブラックアウト期間(4/20~4/30)のため発言や記事に要注意。

(4)その他
・米国主要企業決算
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は154円台もみ合いか、ドル高基調と介入警戒が綱引き(Bloomberg
【債券週間展望】長期金利上昇か、日銀会合と資源インフレ再燃を警戒(Bloomberg
【日本株週間展望】続落、半導体関連の決算に警戒-中東リスクも重し(Bloomberg

本日の注目材料は3点。
①政府・日銀口先介入、実介入
155円台目前に迫ったことで今までより強い口先介入・実介入への警戒感が高まりました。しかし、ファンダメンタルズに基づくドル円急騰であることから、実介入が実施されてドル円暴落が生じても、押し目買いに機会になりやすいと推測します。

②米国経済指標
「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、政府・日銀為替介入による一時的な急落には要警戒。一方、弱い数値が出ても単発データでFRB政策利下げ前倒しの可能性は低く、ドル円下落は一時的となり押し目買いの機会になりやすいと推測します。

③中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

9:41~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/53/73/83/123/153/193/213/223/263/273/294/14/24/44/54/94/114/124/154/164/174/18, 4/19, 4/23)
環境整ったと捉えられてもいい-為替介入について問われ鈴木財務相(Bloomberg

【考察】円安牽制発言。ドル円下落。

10:31~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:2/62/92/162/222/293/53/73/123/133/193/213/223/274/44/54/84/94/10, 4/18
:前回4/18ドル高牽制発言
基調的な物価、2%に向けて上昇なら金利引き上げていく=日銀総裁(Reuters

【考察】タカ、ハト派発言。

14:00 経済指標
日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標(日本銀行
加重中央値:前回1.4%、結果1.3%(×)
最頻値:前回2.0%、結果1.9%(×)
刈込平均値:前回2.3%、結果2.2%(×)

【考察】全て弱い数値。午前中の植田日銀総裁から基調的な物価に言及した後だったこともあり、注目度高くドル円上昇。

15:10 要人発言
片山自民政調会長代理
インタビュー:過度な円安、消費下支え策も一案 追加利上げは慎重に=片山・自民政調会長代理(Reuters

【考察】円安牽制発言。ドル円下落。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

22:45 経済指標
米国PMI速報値
(速報値発表日:4/215/236/237/248/239/2210/2411/2412/151/242/223/21, 4/23)
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回51.9、予想52.1、結果49.9(×)
サービス業:前回51.7、予想52.2、結果50.9(×)
総合:前回52.1、予想52.1、結果50.9(×)

【考察】サプライズの弱い数値。日足安値154.57へ急落。

23:00 経済指標
米国リッチモンド連銀製造業指数
基準0、前回-11、予想-8、結果-7(◎)

23:00 経済指標
米国新築住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として中古住宅販売件数とともに重要。
件数:前回66.2万件(改定63.7)、予想66.9万件、結果69.3万件(◎)
前月比:前回-0.3%(改定-5.1)、予想1.1%、結果8.8%(◎)

【考察】サプライズの強い数値。

26:00 経済指標
米国2年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもある。

最高落札利回り:前回4.595%、結果4.898%(×)
応札倍率:前回2.62倍、結果2.66倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回65.8%、結果66.2%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+0.5 bps、結果-0.6bps(◎)

【考察】入札好調。

26:00 報道
日銀、円安加速の影響を議論 25日から決定会合(日本経済新聞

【考察】リーク報道で日足安値154.55へ急落。

28:00 報道
海外投資家「GPIFが日本株比率引き上げ」で思惑(日本経済新聞

【考察】海外投資家の日本株買い為替リスクヘッジ円売り。ドル円上昇。

29:08 米国主要企業決算
テスラ
売上高:前回251.7億ドル、予想223億ドル、結果213億ドル(×)
EPS:前回0.71ドル、予想0.52ドル、結果0.45ドル(×)
米テスラの1-3月期決算、利益と売上高は再び市場予想に届かず(Bloomberg

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値154.84
オープン直後に東京高値154.83を付けた後、鈴木財務相の円安牽制発言を受けて東京安値154.66へ急落。しかし、政府・日銀為替介入警戒感はあっても155円台乗せ以降との見方は根強く、加えて日銀の基調的なインフレ率を捕捉するための指標が弱く154.80へ全戻し上昇。

きょうの国内市況(4月23日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
東京クローズ直後の片山自民政調会長代理の円安牽制発言で154.72へ下押しするも、押し目買い材料になり欧州オープン後、日足高値154.88へ上昇。
米国PMI速報値のサプライズの弱い数値で日通し安値154.57へ急落。直後の米国リッチモンド連銀製造業指数、米国新築住宅販売件数の強い数値や株上昇リスクオンを受けて154.84へほぼ全戻し急騰。
米国2年債入札と同タイミングで日銀円安加速の影響を議論のリーク報道により日足安値154.55へ急落。しかし、あくまで報道段階であり口先介入と同じく押し目買い機会の機会となり、加えて海外投資GPIF日本株比率引き上げ思惑報道のリスクオンもあり、ほぼ全戻し上昇。
総じて、155円目前に政府口先介入や日銀政策報道出てドル円下落しても押し目買い機会となり全戻しや、米国経済指標の強弱で乱高下。
日足終値154.84

【米国市況】株は続伸、ハイテク株中心に買い-一時154円88銭の円安(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・ドル売り優勢
買い:米国リッチモンド連銀製造業指数、米国新築住宅販売件数の強い数値。
売り:米国PMI速報値のサプライズの弱い数値。米国2年債入札好調。

・円売り優勢
買い:鈴木財務相、片山自民政調会長代理の円安牽制発言。日銀円安加速の影響を議論報道。
売り:日銀の基調的なインフレ率を捕捉するための指標の弱い数値。株上昇リスクオン。

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
5月1日公表:据え置き95.9%
9月18日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ46.3%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:4月陽線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:4/22週、陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:4/22陽線。上昇トレンド。政府・日銀の強い口先介入か実為替介入なければ4/23も上昇優勢と推測。
  • 4H足:上昇トレンド。
  • 1H足:上昇チャネル。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レンジ高値154.732付近へ下落→転換上昇→目標切番155.000
(B)日足安値154.452付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ高値154.732

②ショート
(C)切番155.000付近へ上昇→ダウ転換下落→目標4H足レンジ高値154.732

4月通算:9勝5敗、勝率64.3%、+56.5pips

(Trading View)

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