ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
ウクライナ情勢悪化に関する報道や発言あれば、ドル買い円買いが交錯してドル円が不規則な動きになりやすいため警戒したい。
2. 経済指標・要人発言
5/11も米国要人発言が予定されていますが、いつものタカ派発言ならドル円動き小。「サプライズのハト派発言→ドル売り」、「強いタカ派発言→ドル買い」を考えます。
また、最大の注目材料は米国生産者物価指数(PPI)。5/11は米国消費者物価指数(CPI)が強く(特にコア前月比)インフレ懸念で強いドル買いになったものの、結果を細分化するとインフレピークアウトの可能性も見えるようで全戻しのドル売り発生。
米国生産者物価指数も同じような動きになる可能性あり。但し、注目度は「米国消費者物価指数>米国生産者物価指数」であるため、大きな動きにはならないかもしれません。
マーケットの動き
東京マーケット前
6:00 取引開始
ドル円:日足レンジで方向性なし。
ドルインデックス:日足下ヒゲピンバーでボリンジャーバンド+1σ反発しており上昇優勢。
米国債2年利回り:日足上ヒゲピンバー。チャネル下限を抜ければ大きな下落の可能性あり。
米国債10年利回り:日足レンジ下限と20MA付近2.927%で下げ止まるなら日足レジサポ上昇継続。2.927%下抜けると大きな下落の可能性あり。
日経先物:下落トレンド継続
ダウ先物:下落トレンド継続。
総じて、米国債利回りが節目にありドルの動きが分かりにくい。「株先物下落→リスクオフ円買い」ならドル円下落、「株先物下落→円売り」ならドル円上昇と推測します。よって、株先物や株価指数と円の方向性に注視したい。
8:50 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
国際収支3月度
経常収支:前回16483億円、予想17375億円、結果25493億円(◎)
経常収支(季節調整済み)前回5166億円(改定5225)、予想6282億円、結果15559億円(◎)
貿易収支:前回-1768億円、予想1005億円、結果-1661億円(△)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:03 要人発言
日銀金融政策決定会合における主な意見(4月27-28日分)
「為替レートのコントロールを目標とした政策変更は適当でない」
「ウクライナ侵攻加わり情勢変化する中、金融政策の変更は適当でない」
「需給ギャップ大きくインフレ基調が低い現状は為替円安がプラスに働く」
「物価目標の安定的・持続的達成まで、淡々粛々と金融緩和を持続すべき」
金融政策は資源価格や為替自体でなくその影響考慮と1委員-日銀要旨(Bloomberg)
【考察】
従来通りの円安容認のハト派内容。サプライズなし。
欧州マーケット(16:00~24:30)
18:37 要人発言
北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射、防衛省関係者
北朝鮮、短距離弾道ミサイル3発発射 日本EEZ外に落下か(日本経済新聞)
【考察】
地政学リスクの円買い材料
21:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国失業保険申請件数:前回20.0万件(改定20.2)、予想19.2万件、結果20.3万件(✕)
米国失業保険継続申請件数:前回138.4万件(改定138.7)、予想138.0万件、結果134.3万件(◎)
米国生産者物価指数4月度
前月比:前回1.4%(改定1.6)、予想0.5%、結果0.5%(○)
前年比:前回11.2%(改定11.5)、予想10.7%、結果11.0%(○)
コア前月比:前回1.0%(改定1.2)、予想0.6%、結果0.4%(✕)
コア前年比:前回9.2%(改定9.6)、予想8.9%、結果8.8%(✕)
米生産者物価、4月は予想上回る11%上昇-前月分も上方修正(Bloomberg)
NYマーケット(22:30~29:00)
25:00 欧州クローズ
26:00 経済指標
米国30年債入札:「入札好調→利回り低下→ドル売り」、「入札不調→利回り上昇→ドル買い」の動き。
前回2.815%、結果2.997%(○)
【考察】
入札好調で「米国債30年利回り低下→ドル売り」
27:06 報道
米上院、パウエルFRB議長の再任を承認-圧倒的賛成多数で(Bloomberg)
【考察】
FRB金融政策不安定回避となるためドル買い材料。
28:48 要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言(2022年FOMC投票権なし)
「今後2会合でそれぞれ0.50%利上げ方針を変える理由は見当たらない」
「0.50%か0.75%利上げかは主な検討事項ではない」
「年内に中立金利2.5%に到達したい」
「4月CPIデータは特に驚くべきものではない」
【考察】
強くはないもののタカ派発言
29:00 NYクローズ
29:31 要人発言
米国パウエルFRB議長
「インフレの抑制が最優先課題」
「インフレ目標2%到達には痛みが伴う」
「高インフレは景気後退を意味する」
「今後2回の会合で0.50%の利上げは適切」
【考察】
強いタカ派発言
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- JPY(リスクオフ通貨):前日1位。株先物・株価指数下落によるリスクオフ円買い。
- USD(基軸通貨):前日5位。株先物・株価指数下落によるリスクオフドル買い、米国債利回り低下によるドル売りの綱引き。
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日2位。原油価格堅調。
- GBP(リスクオン通貨):前日8位。
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日4位。株先物・株価指数下落。
- CHF(リスクオフ通貨):前日3位。
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日6位。株先物・株価指数下落。
- EUR(リスクオン通貨):前日7位。欧米長期金利が低水準、欧州株軟調に推移、フィンランドの大統領と首相が北大西洋条約機構(NATO)加盟を支持したことが伝わったことでロシアの態度がより硬化することへの警戒感。ロシアがドイツ向けガスを停止。
米国債イールドカーブ
5/12(木)は5/11(水)に対して、ブル・スティープニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差拡大)。
*ブル・スティープニング:直近の景気後退→政策金利下げ(又は利上げ期待後退)の可能性浮上→将来の金利もやや低下見込み→景気後退懸念→リスクオフ→ドル売り示唆
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
- 週足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク終了。上昇勢いやや低下。
- 日足: 5/11陰線で引け。ボリンジャーバンドスクイーズしつつありレンジ。
- 4H足:ボリンジャーバンド横向きでレンジ。
- 1H足:ボリンジャーバンドやや下向きでレンジ。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしつつありレンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足戻り高値実体130.252上抜け→200MA反発・レジサポ→目標1H戻り高値実体130.741。
②ショート
(B)1H足サポート実体129.534下抜け→レジサポ→目標日足押し安値129.047。
日足以下がレンジであり、手を出しにくい地合い。
【考察】
15:45 1H足サポート実体129.534下抜け→レジサポ→(B)ショート可
16:15 目標日足押し安値129.047到達→(B)ショート成立
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