2022年4月19日(火)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
ロシアにとって重要な5/9「戦勝記念日」に勝利宣言する可能性が浮上しており、ロシアはウクライナ東部への大規模攻撃を開始、更にウクライナ軍が攻撃を続けるなら首都キーウへの攻撃も明言しています。今後、戦況が急速に悪化する恐れがあることから、リスクオフ後退に繋がる報道や要人発言に要注目したい。

2.円売り加速
①日本の金融緩和継続、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。

4/18は日本要人から円安牽制発言でなく円安容認発言が出たことで東京マーケットでドル円が大きく上下しました。しかし、円安牽制発言は本質的な問題解決には繋がらないことから、一時的にドル円が下落しても、押し目買いの良い材料になると考えます。本日もこの流れは変わらない見込み。

3. 経済指標・要人発言
重要指標なし。
米国エバンス・シカゴ連銀総裁の発言が予定されていますが、いつも通りのタカ派発言が予想されますのでサプライズがない限りはドル円が動きにくいと考えます。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 126.979 (前営業日終値 126.994 から -1.50 pips )
・米国債2年利回り: 2.452 %
・米国債10年利回り: 2.858 %

【考察】
前日米国債10年利回り上昇やNYマーケット直後の米国ブラード・セントルイス総裁のタカ派発言を受けてドル円上昇継続の可能性あり。
米国債2年利回りは日足2.356~2.551レンジ推移で日足ボリンジャーバンド+1σで上値反発中。
米国債10年利回りは日足レンジ2.782%を上抜けており、強い上昇中。次の上値目途は2.911%。

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 127.146 (始値比 +16.70 pips )
・米国債2年利回り: 2.452 (始値比 +0.000 % )
・米国債10年利回り: 2.851 (始値比 -0.007 % )
・日経平均株価: 27096.49 (前日営業日終値 26799.64 から +296.85 )

・TOPIX 1898.05 (前日営業日終値 1880.08 から +17.97 )

【考察】
前日米国主要3指数が軟調だったことで、日本株価指数も弱いかと考えましたがギャップアップスタート、
円安による輸出関連株が買い支えの効果か。
ドル円は前日NYマーケットクローズ後の米国ブラード・セントルイス連銀総裁おタカ派発言をあってか、「ドル買い」「円売り」で東京マーケットオープン前にあっさりとラウンドナンバー127.000上抜け。
オープン時は「ドル売り」「円買い」でスタートしたものの、15M足下ヒゲピンバーで始値126.979と15M足20MAからの反発を見せて急騰。

9:43 要人発言
鈴木財務相
「為替レートは市場において決定」
「過度な変動や無秩序な動きは悪影響を与える」

「円安はデメリットをもたらす面が強い」

【考察】
円安牽制と円安容認発言でしたが、円安牽制効果なく「ドル買い」と「円売り加速」でドル円上昇。

9:55 仲値
・ドル円: 127.324 (始値比 +34.50 pips )(東京マーケット始値比 +17.80 pips )

【考察】
仲値に向けてドル円上昇継続し、仲値通過後の上昇勢い止まらず。

13:30 経済指標
日本鉱工業生産確報値2月度

(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
前月比:前回0.1%、予想-、結果2.0%(◎)
前年比:前回0.2%、予想-、結果0.5%(◎)

15:00 クローズ
・ドル円: 128.165 (始値比 +118.60 pips )(東京マーケット比 +101.90 pips )
・米国債2年利回り: 2.446 (始値比 -0.006 % )
・米国債10年利回り: 2.853 (始値比 -0.005 % )
・日経平均株価: 26985.02 (前営業日比 +185.38 、 +0.69 %)
(東京マーケット始値比 -111.47 、 -0.41 %)
・TOPIX 1895.70 (前営業日比 +15.62 、 +0.83 %)
(東京マーケット始値比 -2.35 、 -0.12 %)

【考察】
ドル円は東京マーケットだけで100pips以上の上げ。要人からは悪い円安との口先介入はあるものの何の実行力もないため円売り止まらず。
強い円買い材料が出てこない限りドル円上昇は止まりそうにない。
株価指数は円安による輸出関連株買いが堅調だったものの、日経平均27000とTOPIX1900が強いレジスタンスとなって日足陰線で引け。

16:23 要人発言
松野官房長官
「為替市場の安定は重要、急速な変動は好ましくない」

【考察】
円安牽制発言。発言の直前にアーリー欧州勢の「ドル売り」「円買い」が入ったためかドル円128.229から127.826まで急落。
このドル円急落後の円安牽制発言であったことから更にドル円下落が生じるかと考えましたが、直ぐに「円売り」へ転換し全戻しの上昇。

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 128.066 (始値比 +108.70 pips )
・米国債2年利回り: 2.452 (始値比 +0.000 % )
・米国債10年利回り: 2.861 (始値比 +0.003 % )

【考察】
欧州勢が本格参入後、「米国債2年,10年利回り強い上昇→しかしドル売り」「円売り継続」によって、円主導で再びドル円ラウンドナンバー128.000上抜けて上昇トレンド継続。

21:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国住宅着工件数3月度:前回176.9万件(改定178.8)、予想174.0万件、結果179.3万件(◎)

米国住宅建築許可件数3月度:前回185.9万件(改定186.5)、予想182.0万件、結果187.3万件(◎)
米住宅着工件数、3月は年換算179万3000戸に増加-市場予想上回る(Bloomberg)

【考察】
サプライズの強い数値で「米国債2年,10年利回り上昇→ドル買い」と「円売り」でドル円上昇。

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 128.645 (始値比 +166.60 pips )
・米国債2年利回り: 2.535 (始値比 +0.083 % )
・米国債10年利回り: 2.911 (始値比 +0.053 % )
・ダウ平均: 34476.9 (前営業日終値 34411.7 から +65.20 )
・S&P500: 4390.63 (前営業日終値 4391.7 から -1.07 )
・ナスダック: 13312.44 (前営業日終値 13332.37 から -19.93 )

【考察】
米国主要3指数は強弱まちまちのスタートから全て急騰。
ドル円は15M足ボリンジャーバンド+2σ~+1σ間の小幅推移。

25:20 要人発言
米国エバンス・シカゴ連銀総裁

「年末までに2.25~2.5%の中立金利達成の可能性」
「インフレ抑制が見られないなら中立金利以上に引き上げが必要」
「バランスシートは慎重に調整すべき」

シカゴ連銀総裁、米政策金利はいずれ中立金利上回ると予想(Bloomberg)

【考察】
タカ派発言ですが、サプライズがないことと今年のFOMCで投票権がないためかドル円反応薄。

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 128.768 (始値比 +178.90 pips )
・米国債2年利回り: 2.550 (始値比 +0.098 % )
・米国債10年利回り: 2.909 (始値比 +0.051 % )

【考察】
ドル円15M足は上昇チャネルを形成しており、上昇勢いがやや低下。
米国債2年利回りは日足レンジ上限実体2.551到達。
米国債10年利回りは日足戻り高値2.911%近辺。
米国2年,10年利回り共に節目に到達しており、上昇トレンド継続か、レンジ推移かの分岐点。

28:31 要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁
「中立金利約2.5%を想定」
「0.75%利上げは視野にない」
「インフレが抑制された兆候が見られる」
「市場が機能する限り、バランスシート縮小すべき」

FRB、世界経済減速の可能性で「慎重に」利上げ=アトランタ連銀総裁(Reuters)

【考察】
タカ派・ハト派発言が混在していたことと、NYクローズ直前であったためかドル円反応薄。

29:00 NYクローズ
・ドル円: 128.860 (始値比 +188.10 pips )
・米国債2年利回り: 2.604 (始値比 +0.152 % )
・米国債10年利回り: 2.938 (始値比 +0.080 % )
・ダウ平均: 34911.21 (前営業日比 +499.51 、 +1.45 %)
(NYマーケット始値比 434.31 、 +1.26 %)
・S&P500: 4462.22 (前営業日比 +70.52 、 +1.61 %)
(NYマーケット始値比 71.59 、 +1.63 %)
・ナスダック: 13619.67 (前営業日比 +287.31 、 +2.15 %)
(NYマーケット始値比 307.23 、 +2.31 %)

【考察】
ドル円は約190pipsの上昇。4/20には節目の130円台到達もあり得そうな上昇勢い。
米国主要3指数は日足大陽線で引け。翌日の東京マーケットは上昇スタートの可能性大。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. AUD(資源国リスクオン通貨):前日8位
  2. EUR(リスクオン通貨):前日4位
  3. NZD(資源国リスクオン通貨):前日7位
  4. USD(基軸通貨):前日1位
  5. CAD(資源国リスクオン通貨):前日2位
  6. GBP(リスクオン通貨):前日5位
  7. CHF(リスクオフ通貨):前日3位
  8. JPY(リスクオフ通貨):前日6位

【考察】
豪準備銀行(RBA)議事要旨:タカ派内容でAUD買い
オア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁:タカ発言でNZD買い
米国債10年利回り上昇と要人タカ派発言でUSD買い
日本要人のワンパターン円安牽制の効果がなくなり強烈なJPY売り

米国債イールドカーブ

4/19(火)は4/18(月)に対して、ベア・フラットニング(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差低下)。

*ベア・フラットニング:直近の景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→長短金利上昇→長期金利高く将来も利上げ見込み→利上げが続く可能性あり→景気にブレーキ掛かりそう→リスクオン終焉に近い→ドル買い後退示唆

【考察】
ドル買いの勢いは強いですが、やや一服する可能性があるか。

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 日足: 陽線で引け。上昇トレンド継続するもボリンジャーバンドはスクイーズ移行中。
  • 4H足:ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 1H足:ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 15M足:上昇トレンド継続するもボリンジャーバンドはスクイーズ移行中。

【シナリオ】
①ロング
(A)ラウンドナンバー127.000上抜け→レジサポ→目標月足レジスタンス127.633。
(B)日足トレンドラインかつ4H足押し安値126.307まで下落後、反発→4H足押し安値126.517上抜け→レジサポ→目標ラウンドナンバー127.000。

②ショート
(C)日足トレンドラインかつ4H足押し安値126.306下抜け→レジサポ→目標4H押し安値125.853。

1H足以上が上昇トレンドであるためロング優先ですが、ラウンドナンバー127.000直前であり本日も要人から強い円安牽制発言が出ると予想されます。東京マーケットは要人発言によって上下しやすいと考えます。

【考察】
7:15 ラウンドナンバー127.000上抜け→レジサポ→(A)ロング可
11:15 目標月足レジスタンス127.633到達→(A)ロング成立

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