2022年5月18日(水)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
5/17はトルコ・エルドアン大統領がスウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟に反対を表明しましたが大きな影響なく、その他も目立った材料なし。引き続き、ウクライナ情勢悪化に関する報道や発言あればドル買い円買いが交錯してドル円が不規則な動きになりやすいため警戒したい。

2. 経済指標・要人発言
5/18は大きな注目材料ありませんが、5/17の米国パウエルFRB議長のタカ派発言を受けて、下記①~④の組合せがどうなるか確認したい。

①「米国債利回り上昇→ドル買い」
②「米国債利回り上昇→株価指数下落→リスクオフドル買い」
③「米国債利回り上昇→株価指数下落→リスクオフ円買い」
④「米国債利回り上昇→(織り込み済みで)株価指数上昇→リスクオン円売り」

一方、ドル円は材料交錯のためか日足以下レンジで5/17も大きく上下に振れる展開でした。方向性が判りやすくなるまでは様子見が適切かも知れません。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始

7:46 要人発言
米国シカゴ・エバンス連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)

「インフレは明らかに高すぎる」
「中立金利2.25%~2.50%まで政策金利を迅速に引き上げるべき」
「前倒しの利上げを支持」
「2023年までにインフレ率3%以下が期待できる」


【考察】タカ派発言

8:50 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
日本GDP1次速報値 第1四半期
前期比:前回1.1%(改定0.9)、予想-0.5%、結果-0.2%(○)
前期比年率:前回4.6%(改定3.8)、予想-1.7%、結果-1.0%(○)
GDPデフレータ前年比:前回-1.3%、予想-1.1%、結果-0.4%(◎)

東京マーケット(9:00~15:00)

10:03 要人発言
米国シカゴ・エバンス連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「7月または9月会合に、0.25%利上げ幅への移行を議論」
「年内に0.50%利上げ完了し、0.25%利上げへの移行を期待」


【考察】ハト派発言

13:30 経済指標
日本鉱工業生産確報値3月:速報値ではないためドル円への影響小。
前月比:前回0.3%(改定-0.5)、予想-、結果0.3%(◎)
前年比:前回-1.7%、予想-、結果-1.7%(○)


設備稼働率3月
前月比:前回1.5%、予想-、結果-1.6%(✕)

欧州マーケット(16:00~25:00)

20:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国MBA住宅ローン申請指数:注目度は高くないため確認のみ。
前回2.0%、予想-、結果-11.0%(✕)

21:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国住宅着工件数4月度
住宅着工件数:前回179.3万件(改定172.8)、予想178.0万件、結果172.4万件(✕)
住宅建築許可件数:前回187.3万件(改定187.0)、予想183.0万件、結果181.9万件(✕)

(Bloomberg)

22:11 要人発言
米国イエレン財務長官
「世界的な経済見通しは不確実」
「米国の金融引き締め、リスク回避はドルの強さを支持」
「米国が景気後退に陥るとは思わないが、インフレリスクあり」
「食料品とエネルギー問題がインフレと景気減速を共存させている」

「ドル上昇は他国にとって懸念要素」
(Bloomberg)

【考察】ドル高牽制とはならず懸念発言。

NYマーケット(22:30~29:00)

23:16 報道
中国・天津市、ロックダウン対象拡大
(Bloomberg)

【考察】世界経済の景気悪化懸念でリスクオフ加速

23:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
原油在庫:前回848.7万バレル、予想153.0万バレル、結果-339.4万バレル(✕)
ガソリン在庫:前回-360.7万バレル、予想-132.0万バレル、結果-477.9万バレル(✕)

22:56 要人発言
米国シカゴ・エバンス連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)

「年末までに中立水準に金利を引き上げたい」
「2023年にコアPCE3%未満を期待」
「2.00-2.50%の範囲が中立とみられる」
「中立水準になると、FRBは0.25%の利上げに移行する可能性」
「FRBは中立金利水準に向けて迅速に動いている」

(Bloomberg)

【考察】午前の内容と変わらず。タカ派・ハト派混在

25:00 欧州クローズ

26:00 経済指標
米国20年債入札:「入札好調→利回り低下→ドル売り」、「入札不調→利回り上昇→ドル買い」の動き。

前回3.095%、結果3.290%(◎)

【考察】入札好調で米国債20年利回りだけでなく、米国債2年,10年利回りも低下。しかし、リスクオフドル買いドル買いが強いためか、ドル買い継続。

29:00 NYクローズ

29:00 要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)

「6月と7月に0.50%利上げを見込む」
「その後は0.25%利上げを予想」
「インフレ抑制が最優先事項」
「マイナス成長のリスクあり」
「経済は引き締めに耐えうる」
「ソフトランディング可能」

(Reuters)(Reuters)

【考察】タカ派発言とハト派発言。総じてハト派優勢か。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. JPY(リスクオフ通貨):前日8位。株先物・株価指数急落によるリスクオフで強烈な買い。
  2. CHF(リスクオフ通貨):前日3位。株先物・株価指数急落によるリスクオフで強烈な買い。
  3. USD(基軸通貨):前日7位。株先物・株価指数急落によるリスクオフで買い。
  4. CAD(資源国リスクオン通貨):前日6位。
  5. EUR(リスクオン通貨):前日2位。株先物・株価指数急落によるリスクオフで売り。
  6. NZD(資源国リスクオン通貨):前日4位。株先物・株価指数急落によるリスクオフで売り。
  7. AUD(資源国リスクオン通貨):前日5位。株先物・株価指数急落によるリスクオフ
  8. GBP(リスクオン通貨):前日1位。株先物・株価指数急落によるリスクオフで売り。

米国債イールドカーブ

5/18(水)は5/17(火)に対して、ブル・フラットニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差縮小)。

*ブル・フラットニング:
直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来も景気後退懸念→将来も利下げの見込み→ドル売り示唆

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。しかし十字線形成中。
  • 週足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク終了したものの上昇トレンド。
  • 日足: 5/17陽線実体が20MAで抑えられて引け。ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
  • 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
  • 1H足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
  • 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H戻り高値実体129.957上抜け→レジサポ→目標日足戻り高値実体130.352。

②ショート
(B)4H足押し安値実体128.808下抜け→レジサポ→目標日足実体128.279。

日足以下レンジで5/17も大きく上下に振れる展開。本日は様子見が適切かも知れません。

【考察】
22:30 4H足押し安値実体128.808下抜け→レジサポ→(B)ショート可
24:30 目標日足実体128.279到達。(B)ショート成立
ラウンドナンバー直前128.007で下げ止まり。

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