2025年6月25日(水)ドル円戦略と結果

ファンダメンタルズ分析
テクニカル分析
1. トレードシナリオと結果

ファンダメンタルズ分析

注目材料

１．経済指標
・日銀、金融政策決定会合における主な意見（6月16・17日分）
・日銀、国債買入オペ通知
・米国新築住宅販売件数
・米国5年債入札

２．要人発言
・田村日銀審議委員
・米国パウエルFRB議長（半期に一度の議会証言、上院）
・米国トランプ大統領
・FRB

３．その他
・五十日仲値
・NATO首脳会議（6/24～6/25）
・地政学リスクオフ（イスラエル・イラン、ウクライナ・ロシア）
・スワップ３倍デー

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)

東京マーケット前

8:50 経済指標
日銀、金融政策決定会合における主な意見（6月16・17日分）（日本銀行）
日銀意見、物価上振れの指摘相次ぐ－米関税で政策対応には慎重姿勢も（Bloomberg）

【考察】タカ、ハト派内容

東京マーケット(9:00~15:30)

9:15～要人発言
米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁（2025年FOMC投票権あり）
：政策スタンスはタカ派。
米金融当局の「様子見」姿勢は適切－カンザスシティー連銀総裁（Bloomberg）

【考察】タカ派発言

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。

10:01～要人発言
田村日銀審議委員
物価目標の実現前倒しの可能性、果断に動くべき場面あり得る＝田村日銀委員（Reuters）

【考察】タカ派発言

10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知（日本銀行）（日銀、オペレーション）
3～5年債：前回2750億円、予想2750億円、結果2750億円（○）
5～10年債：前回3000億円、予想3000億円、結果3000億円（○）
25年超債：前回750億円、予想750億円、結果750億円（○）
物価連動債：前回500億円、予想500億円、結果500億円（○）

【考察】据え置き

14:11～要人発言
田村日銀審議委員
田村日銀委員、物価目標実現「前倒し十分ある」－利上げ対応の局面も（Bloomberg）

【考察】ハト派発言

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

17:23～要人発言
米国トランプ大統領
「イスラエル・イラン停戦順調」
トランプ氏、ＮＡＴＯの国防費増額計画を称賛－「全面的に支持」（Bloomberg）

22:45～要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁（2025年FOMC投票権あり）
：政策スタンスは中立。
ボストン連銀総裁、「能動的で辛抱強い」アプローチが適切－政策巡り（Bloomberg）

【考察】タカ派発言

23:00 経済指標
米国新築住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として中古住宅販売件数とともに重要。
件数：前回74.3万件（改定72.2）、予想70.0万件、結果62.3万件（×）
前月比：前回10.9%（改定9.6）、予想-6.5%、結果-13.7%（×）

23:00～要人発言
米国パウエルFRB議長
パウエル議長、関税が物価に及ぼす影響を見極めきれない－上院証言（Bloomberg）

【考察】タカ派、ハト派発言

23:14～要人発言
米国トランプ大統領
トランプ氏、米はイランと来週協議へ－中東での戦争「終わった」（Bloomberg）

26:00 経済指標
米国5年債入札（Upcoming Auctions）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。

発行額（Offering Amount）：700億ドル
最高落札利回り（High Yield）：前回4.071%、結果3.879%（◎）
応札倍率（Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額）：前回2.39倍、結果2.36倍（×）
外国中銀など間接入札者の落札比率（Indirect Bidder）：前回78.4%、結果64.7%（×）
テール(Bid利回りと落札利回りの差)：前回-0.4bps、結果+0.5bps（×）。3.879-3.874-=+0.005
WI：3.874%

【考察】入札不調

26:40 報道
ＦＲＢ、銀行資本規制の緩和計画を発表－補完的レバレッジ比率下げ（Bloomberg）

26:42～要人発言
米国ボウマンFRB理事
：政策スタンスは中立。

【考察】

27:16 要人発言
ロシア、追加増産受け入れの構え－ＯＰＥＣプラスが必要と判断なら（Bloomberg）

【考察】原油先物価格下落

＜まとめ＞
東京マーケット
日足始値144.95
東京オープン後、米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁のタカ派発言で日通し高値145.05を付けるも、田村日銀審議委員のタカ派発言を受けて日足安値144.61へ下落。
しかし、午後には田村日銀審議委員ハト派発言もあり、円売り主導で日通し高値145.21を付けて引けました。

【日本市況】債券上昇、日銀の利上げ慎重を確認－円は145円台に下落（Bloomberg）

欧米マーケット
欧州オープン後、東京後半の流れを引き継ぎと米国トランプ大統領「イスラエル・イラン停戦順調」発言リスクオンに連れて上昇継続し、日足高値145.92を付けました。
ところが、米国新築住宅販売件数（弱）をきっかけに下落。また、イスラエル・イラン地政学リスクオフ後退の有事ドル買い巻き戻しで下落継続して引けました。
日足終値145.26

【米国市況】Ｓ＆Ｐ500、高値警戒感から上昇一服－ドル145円台前半（Bloomberg）

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

＜ドル買いから売り優勢＞
買い材料：
・米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁のタカ派発言

売り材料：
・米国新築住宅販売件数（弱）
・米ドル回避の取引需要、アジアの金融機関で拡大－貿易摩擦の強まりで（Bloomberg）
・米国トランプ関税→貿易戦争激化→ドル信認低下
ドルが新たな「犠牲者」に－世界的な貿易戦争激化で信認脅かされる（Bloomberg）

＜円売り優勢＞
買い材料：
・田村日銀審議委員のタカ派発言
・2025年3月調査想定為替レート上期147.17（日本銀行、短観）以下推移→日本企業業績悪化、リスクオフ（円キャリー巻き戻し）

売り材料：
・日銀、国債買入オペ通知：据え置き
・田村日銀審議委員のハト派発言
・米国トランプ大統領「イスラエル・イラン停戦順調」発言→リスクオン
・構造的円売り（日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（航空燃料不足、パイロット不足、クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）