2024年6月19日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>

(1)経済指標
・日本通関ベース貿易収支
・政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(4月25・26日分)

(2)要人発言
・政府、日銀円安牽制発言
・FRB要人発言

(3)その他
・欧州政情不安リスクオフ
・米国祝日休場(奴隷解放記念日、ジューンティーンス)→欧州マーケット後半からは方向感ない動きになりやすい。
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、台中)
・スワップ3倍デー
来週のドル・円は上昇か、日銀慎重姿勢映し円売り-節目158円上回る(Bloomberg

本日の注目材料は3点。

①前日NYマーケット影響
注目の米国小売売上高(弱)でしたが、FRB早期利下げ期待のリスクオン米株上昇、米国鉱工業生産指数・米国設備稼働率(強)や相次ぐFRB要人のタカ派発言が交錯し、ドル円も乱高下しました。
この影響を受け、基本は(1)か(3)を想定します。
一方で、(2)や(4)でドル円下落が生じても、(5)~(7)恒常的円売り材料が下値を支えることから、サプライズ円買い材料(例②欧州政情不安再燃など)が発生しない限りは、ドル円押し目買い機会になると想定します。

(1)米国小売売上高(弱)影響→米国債利回り低下→リスクオン日本株上昇→ドル円上昇
(2)米国小売売上高(弱)影響→米国債利回り低下→「ドル売り>円売り」→ドル円下落
(3)FRB要人のタカ派発言影響→米国債利回り上昇→「ドル買い強」→ドル円上昇
(4)FRB要人のタカ派発言影響→米国債利回り上昇→リスクオフ日本株下落→ドル円下落

<恒常的円売り材料>
(5)日米金融政策差→FRBタカ派、日銀ハト派→ドル円上昇
(6)米国投資増加(新NISA等)→ドル円上昇
(7)日本デジタル赤字増加(ビッグテックのサービス利用拡大)→ドル円上昇

②欧州政情不安リスクオフ影響
6/10から欧州政情不安リスクオフが続いていますが、影響は欧州マーケットに強く表れており、東京マーケット、NYオープン後や欧州クローズ後はリスクオフ後退しています。
また、6/16(日)仏極右政党・国民連合(RN)を率いるルペン氏が、マクロン大統領と協力する意向を示したことから、6/17,18は「リスクオフ後退→欧州株上昇→ドル円上昇」しました。

本日も東京マーケットクローズ頃からの欧州勢動向に注目が集まります。新たなヘッドラインで動きが変わりやすいため引き続き注意したい。
(1)欧州政情不安ヘッドライン→リスクオフ株下落→ドル円下落
(2)欧州政情不安後退ヘッドライン→リスクオン株上昇→ドル円上昇
(3)新たなヘッドラインなし→リスクオン株上昇→ドル円上昇

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支
貿易赤字拡大は実需の円売り材料。
季調前:前回-4625億円(改定-4656)、予想-12985億円、結果-12213億円(○)
季調済:前回-5608億円(改定-)、予想-6252億円、結果-6182億円(○)
貿易収支、5月は1兆2212億円の赤字 2カ月連続(日本経済新聞

8:50 経済指標
政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(4月25・26日分)(日本銀行
日銀4月会合要旨 追加利上げへ「時期や幅の議論必要」(日本経済新聞

【考察】日銀4月会合公表はハト派でしたが、議事要旨には追加利利上げ、円安牽制や国債買入減額議論のタカ派内容も含まれていました。先日の6月会合要旨には更に踏み込んだタカ派議論が実施された可能性も想定されます。そのためか、ドル円上昇から下落に転換。

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値157.86
日銀4月会合公表はハト派でしたが議事要旨タカ派内容も多く、東京始値157.87から、一旦東京高値157.93を付けるも東京安値157.72へ下落。
しかし、あくまで過去の議論であり、その後は6/18米国小売売上高(弱)影響を受けたリスクオン日本株上昇に連れてドル円上昇。但し、材料不足かつ米国祝日休場を受けて動意薄の揉み合いで東京引けとなりました。
東京終値157.79

【日本市況】米利下げ期待で株式続伸、超長期債が堅調-円は小動き(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後、リスクオフ欧州株下落に連れて日足安値157.60(4H足ダウ安値157.68かつ4H足20MA付近)しましたが、欧州株下げ止まりから日通し高値157.95へ急反発。
材料不足かつ米国祝日休場の動意薄故に、恒常的な円売り材料(日米金融政策差、新NISA等海外投資急増、日本デジタル赤字増加等)やスワップ3倍狙いフローが入ったためか、日足高値158.13へ急上昇。
日足終値158.08

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売り優勢>
買い材料:
・スワップ3倍

売り材料:
・6/18米国小売売上高(弱)影響

<円売り優勢>
買い材料:
・政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(4月25・26日分):タカ派内容

売り材料:
・6/18米国小売売上高(弱)影響→リスクオン株上昇
・材料不足かつ米国祝日休場の動意薄故に、恒常的な円売り材料(日米金融政策差、新NISA等海外投資急増、日本デジタル赤字増加等)やスワップ3倍

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回7月31日公表:据え置き89.7%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ61.1%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利475~500bps相当

テクニカル分析

Trade

  • 月足:6月陽線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:6/17週、確定。上昇トレンド。
  • 日足:6/18陽線。レンジ
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】

①Long
(A)日足安値157.518付近へ下落→1H足20MAをダウ上昇→目標1H足戻り高値157.965
(B)4H足押し安値157.249付近へ下落→転換上昇→目標日足安値157.518

②Short
(C)日足安値157.518をダウ下落→目標4H足押し安値157.249

6月通算:13勝6敗、勝率68.4%、+220.1pips

(Trading View)

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