2022年4月26日(火)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
ロシアにとって重要な5/9「戦勝記念日」に勝利宣言する可能性が浮上しており、ロシアはウクライナ東部への大規模攻撃を開始、首都キーウ含めた中枢への攻撃も明言。
4/25はロシア・プーチン大統領が欧米の軍事支援批判やロシアによるウクライナ鉄道拠点攻撃によりリスクオフ。ドル円に大きな影響は見られなかったものの、今後も停戦交渉の見通しなく、戦況が急速に悪化しておりリスクオフ後退に繋がる報道や要人発言に要注目したい。

2.円買い・円売り
①日本の金融緩和継続(指し値オペ実施通告)、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。

日本要人から円安牽制発言は同じ内容の繰り返しですが、円買い効果が出たりでなかったりと、まちまな動き。口先だけの円安牽制発言は本質的な問題解決には繋がらないことから、一時的にドル円が下落しても、押し目買いの良い材料になると考えます。
4/25は「世界株価指数下落→リスクオフ円買い」が見られたことから、思ったよりも②安全資産としての円魅力はまだ続いているようです。
4/25は「米国主要3指数が引けに掛けて急上昇→リスクオン円売り」が生じたことから、本日東京マーケットはこの流れを引き継ぐと考えます。

3. 経済指標・要人発言
複数の米国経済指標発表が予定されており、「サプライズの強い結果→ドル買い→ドル円上昇」や「サプライズの弱い結果→ドル売り→ドル円下落」を想定します。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 128.118 (前営業日終値 128.126 から -0.80 pips )
・米国債2年利回り: 2.634 %
・米国債10年利回り: 2.824 %

【考察】
ドル円はギャップアップスタートから直ぐに窓埋め上昇。
しかし、4H足戻し高値実体128.147であり戻り売り圧力が強い位置。

7:00
ドル円128.225まで上昇したものの、4H足戻り高値実体128.147は固く、「ドル売り」「円買い」で上ヒゲ陰線付けて下落。
「株先物(ダウ、日経)下落→円買い」となっており4/25と同じ関係。マーケットオープン後もこの関係が続けばドル円の方向性が見えやすい。

8:30  経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
日本雇用統計3月度
完全失業率:前回2.7%、予想2.7%、結果2.6%(◎)
有効求人倍率:前回1.21倍、予想1.22倍、結果1.22倍(○)

8:48 要人発言
国際通貨基金(IMF)高官
「日銀の緩和策、継続は適切」

「インフレはまだ加速していない」

【考察】
4/21と同じ円安容認発言で円売り材料にも関わらず、実際には4/21と同じように
「米国債利回り2年,10年低下→ドル売り」と「株先物(ダウ、日経)→強い円買い」でドル円急落。またマーケットオープン前の市場参加者が少ない時間を狙って大口の仕掛けが入ったのか。
4H足戻り高値実体128.147から押し戻されて15M足ダウ転換し20MAで上値抑えられており、テクニカル的にも下落しやすい状況だった様子。

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 127.777 (始値比 -34.10 pips )
・米国債2年利回り: 2.611 (始値比 -0.023 % )
・米国債10年利回り: 2.808 (始値比 -0.016 % )
・日経平均株価: 26743.21 (前日営業日終値 26590.71 から +152.50 )・TOPIX 1881.49 (前日営業日終値 1876.52 から +4.97 )

【考察】
4/25米国主要3指数急騰を引き継いで日本株価指数もギャップアップスタートしたものの、中国ロックダウンの悪材料を懸念してか、株価指数直ぐに下落に転じており、「株先物(ダウ、日経)・株価指数下落→円買い」の関係変らず。やはり、本日も東京マーケットに入ってからも株先物・株価指数のドル円への影響あり。

9:30
オープン前から始まった「米国債利回り2年,10年低下→ドル売り」と「株先物(ダウ、日経)・株価指数下落→円買い」ドル円急落は日足・4H足レンジ下限ヒゲ先127.449付近の127.343で下げ止まり。
127.459は強い材料がない限り下抜けは難しそう。つまり、押し目買い狙いやすいポイントか。

9:43 要人発言
鈴木財務相
「日米財務相会談で為替介入議論あったとの報道は事実に反する」

【考察】
円安牽制の否定、つまり円安容認発言。
ドル円日足・4H足レンジ下限ヒゲ先127.459付近の127.343で下げ止まり、「円売り」主導で上昇転換。

9:55 仲値
・ドル円: 127.578 (始値比 -54.00 pips )
(東京マーケット始値比 -19.90 pips )

【考察】
直前の鈴木財務相による円安容認発言もあって仲値に向けてドル円上昇。通常のドル買い需要でのドル円上昇ではなく、「ドル売り」と「強い円売り」の綱引きで発生。

10:43 要人発言
鈴木財務相
「為替の安定は重要、急速な変動は望ましくない」
「円安進行を含め、為替動向をしっかりと緊張感を持って注視」


【考察】
直前の円安容認から一転して円安牽制発言。「ドル売り」と「円買い」でドル円下落。しかし、ドル円日足・4H足レンジ下限ヒゲ先127.459付近は高く127.411で下げ止まり。

11:24 要人発言
北朝鮮・金正恩総書記
「核兵器開発を加速させるための措置を続ける」

【考察】
「地政学リスクオフ円買い」でドル円下落するもサプライズでないためか反応薄。

12:55 要人発言
鈴木財務相
「将来の為替介入に備えて外貨の保有が重要」

【考察】
ドル売り円買い介入をしないということで円安容認発言か。
「米国債利回り2年,10年上昇→ドル買い」と「株先物・株価指数買い→強い円売り」ドル円上昇継続し、再び4H足戻り高値実体128.147付近の128.179まで上昇。しかし、口先介入では突破できない固いラインで上げどまり。

15:00 クローズ
・ドル円: 127.968 (始値比 -15.00 pips )(東京マーケット比 +19.10 pips )
・米国債2年利回り: 2.641 (始値比 +0.007 % )
・米国債10年利回り: 2.847 (始値比 +0.023 % )
・日経平均株価: 26700.04 (前営業日比 +109.33 、 +0.41 %)
(東京マーケット始値比 -43.17 、 -0.16 %)
・TOPIX 1878.51 (前営業日比 +1.99 、 +0.11 %)
(東京マーケット始値比 -2.98 、 -0.16 %)

【考察】
ドル円は4H足戻り高値実体128.147付近で反発下落。
中国ロックダウンの影響を懸念してか株価指数は日足陰線で引け。リスクオフは続く可能性あり。

16:05 要人発言
日銀、27日と28日に連続指値オペ実施を通告

【考察】
円売り材料ですが、円売り続かず円買いに転換。材料としては弱くなった様子。

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 127.890 (始値比 -22.80 pips )・米国債2年利回り: 2.616 (始値比 -0.018 % )
・米国債10年利回り: 2.810 (始値比 -0.014 % )

18:11 要人発言
岸田首相
「物価高などへの対策、2段階のアプローチで経済財政運営を行っていく」
「6月までに新しい資本主義のビジョンと実行計画などを取りまとめる」


【考察】
具体的な対策の中身を明言していないためかドル円反応薄。

18:45 要人発言
岸田首相
「為替の水準は経済・金融、その他さまざまな対策の結果」
「急激な為替の変動は多くの関係者にとって好ましくない」
「円安の水準について申し上げるのは控える」


【考察】
円安牽制・円安容認が交錯する発言でドル円反応薄。

21:30  経済指標
米国耐久財受注速報値3月度

(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
前回民間設備投資の先行指標で特にコア前月比に注目。今回速報値のため、より注目度大。
前月比:前回-2.1%(改定-1.7)、予想1.0%、結果0.8%(△)
コア前月比:前回-0.6%(改定-0.5)、予想0.5%、結果1.1%(◎)

22:00 経済指標
米国住宅価格指数2月度:前回1.6%、予想1.5%、結果2.1%(◎)

米国S&Pケースシラー住宅価格2月度:前回19.10%(改定18.94)、予想19.20%、結果20.20%(◎)

【考察】
総じて強い結果でしたが、「ドル売り」と「円買い」によるドル円下落の流れ変わらず。NYマーケットオープンを控えて様子見か。

22:21 要人発言
岸田首相
「円安のプラス面とマイナス面の両方を見ていく」
「円安のマイナス面については対策を用意した」
「経済対策によって為替の安定した状況を実現する」
「2%の物価安定目標に向け日銀に期待」

2%目標へ「日銀に努力を期待」、原発再稼働にも意欲-岸田首相(Bloomberg)

【考察】
再び円安牽制・円安容認が交錯する発言でドル円反応薄。


NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 127.239 (始値比 -87.90 pips )
・米国債2年利回り: 2.546 (始値比 -0.088 % )
・米国債10年利回り: 2.741 (始値比 -0.083 % )
・ダウ平均: 33907.49 (前営業日終値 34049.47 から -141.98 )
・S&P500: 4278.14 (前営業日終値 4296.13 から -17.99 )
・ナスダック: 12918.04 (前営業日終値 13004.86 から -86.82 )

【考察】
「米国債利回り2年,10年低下→ドルドル売り」と「株先物・株価指数下落→円買い」でドル円下落継続。
米国主要3指数はギャップダウンスタート。

23:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国新築住宅販売件数3月度:住宅需要増→建築資材・家電などの耐久財需要増。新築住宅販売件数は中古住宅販売件数より景気先行性あり。
前回77.2万件、予想76.8万件、結果76.3万件(✕)

米国カンファレンスボード消費者信頼感指数4月度:類似指標の米国ミシガン大学消費者信頼感指数より規模が大きく消費者マインドが分かる。2021.12から低下継続中。
前回107.2、予想108.2、結果108.3(◎)

米国リッチモンド連銀製造業指数4月度:前回13、予想7、結果14(◎)

23:39 報道
ロシア、ポーランドへのガス供給を停止

【ウクライナ】ポーランドにガス供給停止、交渉拒まないとプーチン氏(Bloomberg)

【考察】
他の欧州各国の懸念も強まるリスクオフ材料。
ポンド、ユーロ急落、株価指数急落、リスクオフドル買い・円買いでドル円は綱引き状態。

25:30 欧州クローズ

26:00 経済指標
米国2債年入札480億ドル
前回2.365%、結果2.585%(✕)


【考察】
入札好調で「米国債2年利回りだけでなく10年利回り低下」。しかし、ドル買い継続し、「円買い」によってドル円下落。

28:15
ドル円127.684まで上昇後、「米国債利回り2年,10年低下してもドル買い継続」にも関わらず「米国主要3指数下落→強い円買い」によって、4H足レジサポ127.599かつ1H足20MA&200MAが重なる位置からドル円戻り売り優勢。

29:00 NYクローズ
・ドル円: 127.425 (始値比 -69.30 pips )
・米国債2年利回り: 2.515 (始値比 -0.119 % )
・米国債10年利回り: 2.749 (始値比 -0.075 % )
・ダウ平均: 33240.19 (前営業日比 -809.28 、 -2.38 %)
(NYマーケット始値比 -667.30 、 -1.97 %)
・S&P500: 4175.21 (前営業日比 -120.92 、 -2.81 %)
(NYマーケット始値比 -102.93 、 -2.41 %)
・ナスダック: 12490.74 (前営業日比 -514.11 、 -3.95 %)
(NYマーケット始値比 -427.30 、 -3.31 %)

【考察】
ドル円下落継続。
米国主要3指数日足陰線で引け。東京マーケットも株価指数下落スタートの可能性大。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. JPY(リスクオフ通貨):前日1位
  2. USD(基軸通貨):前日2位
  3. CHF(リスクオフ通貨):前日4位
  4. CAD(資源国リスクオン通貨):前日3位
  5. AUD(資源国リスクオン通貨):前日8位
  6. EUR(リスクオン通貨):前日7位
  7. NZD(資源国リスクオン通貨):前日5位
  8. GBP(リスクオン通貨):前日6位

【考察】
4/26同様、世界株価指数急落リスクオフでJPY買い。米利上げ期待と世界株価指数急落リスクオフでUSD買い強い流れ。
中国ロックダウンによる景気悪化受けて、中国と経済の結びつきが強いAUD, NZD, EURが軟調。
ロシアのポーランドへのガス供給停止で欧州景気悪化懸念でEUR, GBP売り加速。

米国債イールドカーブ

4/26(火)は4/25(月)に対して、ブル・スティープニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差拡大)。

*ブル・スティープニング:直近の景気後退→政策金利下げ(又は利上げ期待後退)の可能性浮上→将来の金利もやや低下見込み→景気後退懸念→リスクオフ→ドル売り示唆

【考察】
米国債利回り下落が続くようなら強いドル売りを示す可能性あり。

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
  • 週足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
  • 日足: 日足レンジ内でコマ足陰線で引け。日足トレンドラインかつボリンジャーバンド+1σ推移し、上昇勢い弱まるも上昇トレンド継続。
  • 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
  • 1H足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
  • 15M足:上昇トレンド中であるものの、ボリンジャーバンドスクイーズに移行中。

【シナリオ】
①ロング
(A)日足実体128.878上抜け→レジサポ→目標4H足実体129.273。

②ショート
(B)日足押し安値127.449かつ日足トレンドライン下抜け→レジサポ→目標4H押し安値実体126.973。

日足以上の上昇トレンドが崩れていないためロング優先ですが、4/25同様に「株価指数下落→リスクオフ円買い」主導のドル円下落の可能性もあり。

【考察】
22:30 日足押し安値127.449かつ日足トレンドライン下抜け127.449下抜け→レジサポ→(B)ショート可
25:00 127.449上抜け→レジサポ失敗→(B)ショート不成立
28:15 4H足レジサポ127.599かつ1H足20MA&200MAが重なる位置から戻り売りが優勢の動き。

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