2022年4月28日(木)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
ロシアにとって重要な5/9「戦勝記念日」に勝利宣言する可能性が浮上しており、ロシアはウクライナ東部への大規模攻撃を開始、首都キーウ含めた中枢への攻撃も明言。
4/27は「ロシアがポーランドへのガス供給停止」したものの、4/26に予告があったためかリスクオフ後退。一方で、ロシア・プーチン大統領が「他国が持たない兵器を必要なら使う」発言しており、リスクオフが強まってドル買い円買いが交錯する可能性あり。

2. 経済指標・要人発言
日銀金融政策決定会合が注目材料。金融緩和策の維持が見込まれており、予想通りの声明や発言でも日米金利差拡大によって「ドル買い円売り」でドル円上昇と推測します。
一方で、ドル円上昇弱ければSell the fact、またはサプライズのタカ派声明や黒田総裁からのタカ派発言あれば一時的にドル円下落が生じると考えます。

また、複数の米国経済指標発表が予定されいますが、米国実質GDP速報値第1四半期が注目大。「サプライズの強い結果→ドル買い→ドル円上昇」や「サプライズの弱い結果→ドル売り→ドル円下落」を想定します。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 128.413 (前営業日終値 128.420 から -0.70 pips )
・米国債2年利回り: 2.597 %
・米国債10年利回り: 2.834 %

【考察】
ドル円ギャップダウンから直ぐに上昇転換。

8:50  経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
日本鉱工業生産(速報値)3月度
前月比:前回2.0%、予想0.5%、結果0.3%(✕)
前年比:前回0.5%、予想-1.3%、結果-1.7%(✕)

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 128.445 (始値比 +3.20 pips )
・米国債2年利回り: 2.583 (始値比 -0.014 % )
・米国債10年利回り: 2.822 (始値比 -0.012 % )
・日経平均株価: 26430.28 (前日営業日終値 26313.14 から +117.14 )・TOPIX 1865.17 (前日営業日終値 1853.39 から +11.78 )

【考察】
前日米国主要3指数が総じて強い結果を引き継いで、日本株価指数もギャップアップスタート。
ドル円は日銀金融政策決定会合前の手控えのためか動き小。

9:35 要人発言
鈴木財務相
「為替は市場において決まるもの」
「為替の安定は重要で急速な変動は望ましくない」


【考察】
円安牽制発言でしたが以前からの内容と同じで反応薄。

9:55 月末&実質五十日仲値
・ドル円: 128.809 (始値比 +39.60 pips )(東京マーケット始値比 +36.40 pips )

【考察】
4/29祝日につき、実質五十日かつゴールデンウィーク前のドル需要のためか、ドル円仲値に向けて上昇。仲値通過後は小幅下落推移。

12:09 経済指標
日銀政策金利4月度:前回-0.1%、予想-0.1%、結果-0.1%(○)

12:13 要人発言
日銀声明
「2%の物価目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続」
「必要あれば躊躇なく追加緩和」
「今後連続指値オペを実施する」

日銀が指し値オペ運用を明確化、0.25%で毎営業日-緩和維持(Bloomberg)

【考察】
懸念されていたタカ派内容なく金融緩和継続のハト派発言で。「強烈な円売り」発生。
「米国債利回り2年,10年上昇→ドル買い」も重なりドル円急騰。

12:14 経済指標
日銀展望レポート:2022年度のGDP見通し+2.9%、CPI見通し+1.9%

15:00 クローズ
・ドル円: 130.03 (始値比 +161.70 pips )(東京マーケット比 +158.50 pips )
・米国債2年利回り: 2.585 (始値比 -0.012 % )
・米国債10年利回り: 2.822 (始値比 -0.012 % )
・日経平均株価: 26847.68 (前営業日比 +461.27 、 +1.75 %)
(東京マーケット始値比 417.40 、 +1.58 %)
・TOPIX 1899.62 (前営業日比 +38.86 、 +2.09 %)
(東京マーケット始値比 34.45 、 +1.85 %)

【考察】
株価指数は日銀が大規模金融緩和の継続を発表したことで大幅上昇。
ドル円130.000突破。
東京午後に日銀が超金融緩和の継続を決定し、指し値オペについても明確化の意向を表明したことを受け、円全面安の展開。一部では長期金利の変動幅拡大(金利上昇を一定幅で容認)を匂わせるとの警戒感も浮上していただけに、円売り安心感が一気に広まった。

15:36 要人発言
黒田日銀総裁

「消費者物価は22年度に2%程度まで上昇」
「必要なら躊躇なく追加緩和」
「インフレ2%にはなお時間がかかる」
「為替の短期的な過度な変動は先行き不確実性を高める」
「為替相場はファンダメンタルズを反映し安定推移が望ましい」
「指値オペの明確化は政策スタンスの憶測を払拭するため」
「全体として円安がプラス」
「今回の政策がより円安を促すと思わない」
オペ明確化で政策の「臆測払拭」、粘り強く緩和-黒田日銀総裁(Bloomberg)

【考察】
4/22のニューヨーク・コロンビア大学講演でも世界に向けて金融緩和継続を明言していたことから、予想通り円安容認スタンスに変更ない。円安牽制もあったものの、総じて超金融緩和政策継続、円安容認のハト派発言。
「円売り」継続でドル円上昇後押し。

欧州マーケット(16:00~25:00)
16:00 オープン
・ドル円: 130.594 (始値比 +218.10 pips )・米国債2年利回り: 2.573 (始値比 -0.024 % )
・米国債10年利回り: 2.813 (始値比 -0.021 % )

【考察】
欧州勢参入後も「強烈な円売り」主導のドル円上昇止まらず。131.000到達の勢い。

18:27 要人発言
財務省幹部
「為替の足もとの動きは極めて憂慮すべき」
「必要な場合には適切な対応を取る」

財務省幹部、必要な場合には適切な対応を取る-一時131円台で(Bloomberg)

【考察】
円安牽制発言。急速に円売りが進んでいた反動やドル円利確の影響もあってか、「円買い」主導でドル円上昇とまり軟調推移。

21:30  経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国実質GDP速報値第1四半期:

米国内生産活動の全体が把握できるため注目度大。今回は速報値であることから特に注目される。インフレ加速(金融政策見通しの甘さ、サプライチェーン問題、ウクライナ情勢悪化)によって米経済鈍化見込み。

実質GDP:前回6.9、予想1.0%、結果-1.4%(✕)
個人消費:前回2.5%、予想3.5%、結果2.7%(△)
GDPデフレータ:前回7.1%、予想7.2%、結果8.0%(◎)
PCEコアデフレータ:前回5.0%、予想5.5%、結果5.2%(○)

米GDP、1-3月は予想外のマイナス-貿易赤字拡大など響く(Bloomberg)

米国失業保険申請件数:前回18.4万件、予想18.0万件、結果18.0万件(○)
米国失業保険継続申請件数:前回141.7万件(改定140.9)、予想140.3万件、結果140.8万件(△)

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 130.773 (始値比 +236.00 pips )
・米国債2年利回り: 2.633 (始値比 +0.036 % )
・米国債10年利回り: 2.861 (始値比 +0.027 % )
・ダウ平均: 33425.96 (前営業日終値 33302.67 から +123.29 )
・S&P500: 4222.58 (前営業日終値 4183.95 から +38.63 )
・ナスダック: 12712.86 (前営業日終値 12488.94 から +223.92 )

【考察】
米国主要3指数ギャップアップスタート。

24:00 経済指標
米国カンザスシティ連銀製造業活動指数:前回37、予想35、結果25(✕)

24:00 月末ロンドンフィックス

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 131.003 (始値比 +259.00 pips )
・米国債2年利回り: 2.666 (始値比 +0.069 % )
・米国債10年利回り: 2.878 (始値比 +0.044 % )

26:00 経済指標
米国7債年入札440億ドル
前回2.499%、結果2.908%(✕)


【考察】
入札不調で「米国債7利回り上昇」。しかしドル買い小でドル円反応薄。

26:17 報道
ウクライナ首都キーウで大規模爆発


【考察】
ロシアが明言していた攻撃と推測できますが、大きな地政学リスク材料の割にリスクオフドル買い円買い見られず。情報になにか齟齬があるのか。

29:00 NYクローズ
・ドル円: 130.884 (始値比 +247.10 pips )
・米国債2年利回り: 2.631 (始値比 +0.034 % )
・米国債10年利回り: 2.840 (始値比 +0.006 % )
・ダウ平均: 33916.40 (前営業日比 +614.46 、 +1.85 %)
(NYマーケット始値比 +490.44 、 +1.47 %)
・S&P500: 4287.49 (前営業日比 +103.52 、 +2.47 %)
(NYマーケット始値比 +64.91 、 +1.54 %)
・ナスダック: 12871.54 (前営業日比 +382.60 、 +3.06 %)
(NYマーケット始値比 +158.68 、 +1.25 %)

【考察】
リスクオフ後退で米国主要3指数は急騰。4/29東京マーケットは休場のため、NYマーケットを引き継いだリスクオン円売りは見込めず。
日銀金融政策決定会合のハト派姿勢継続で「強烈な円売り」発生しドル円急騰。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. CAD(資源国リスクオン通貨):前日1位
  2. USD(基軸通貨):前日2位
  3. CHF(リスクオフ通貨):前日6位
  4. AUD(資源国リスクオン通貨):前日3位
  5. EUR(リスクオン通貨):前日7位
  6. GBP(リスクオン通貨):前日4位
  7. NZD(資源国リスクオン通貨):前日5位
  8. JPY(リスクオフ通貨):前日8位

【考察】
日銀声明と黒田総裁の超金融緩和継続・ハト派発言で強烈なJPY売り。
ウクライナ情勢悪化や世界株価指数下落のリスクオフはやや後退でEUR, CHF買い優勢。
ロシアがポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を停止したことでエネルギー供給不安から原油先物価格堅調でCAD買い。

米国債イールドカーブ

4/28(木)は4/27(水)に対して、ベア・フラットニング(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差縮小)。

*ベア・フラットニング:直近の景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→長短金利上昇→長期金利高く将来も利上げ見込み→利上げが続く可能性あり→景気にブレーキ掛かりそう→リスクオン終焉に近い→ドル買い後退示唆

【考察】
4/27同様、4/28も米国債利回りが上昇に転じイールドカーブ通りのドル買い。4/25,26のような「リスクオフドル買い」と「米国債買い→利回り低下→ドル売り」が交錯しなければ、4/29もドル買い優勢か。

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
  • 週足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
  • 日足: 日足トレンドライン割れから大陽線包み足。
  • 4H足:下降チャネルで下落中。
  • 1H足:下降チャネルで下落中。
  • 15M足:ボリンジャーバンドエクスパンションし強い下降トレンド。

【シナリオ】
①ロング
(A)日足戻り高値実体128.878上抜け→レジサポ→目標日足戻り高値ヒゲ先129.407。
(B)4H足戻り高値実体128.091上抜け→4H足20MA反発、レジサポ→目標日足戻り高値実体128.878。4/27継続。

②ショート
(C)4H足サポート128.091下抜け→4H足20MA反発・レジサポ→目標日足・4Hサポート実体127.196。

日足陽線包み足が出たためにロング優先。ウクライナ情勢悪化や中国ロックダウンの影響で再び「株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」となればショート狙いを考えたい。

【考察】
4/27 23:45 4H足戻り高値実体128.091上抜け→4H足20MA反発、レジサポ→128.183から(B)ロング可継続。
T/P(目標128.878-128.183=69.5pips)
S/L(69.5/2=34.75pips、128.183-0.3475=127.846)

10:00 目標128.878到達→(B)ロング成立。

12:00 日足戻り高値実体128.878上抜け→レジサポなく一気に→目標日足戻り高値ヒゲ先129.407到達し(A)ロング狙えず。

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