ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日本10年債入札
・米国貿易収支
・米国JOLTS求人件数
・米国ISM非製造業景気指数
・米国10年債入札
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ次期大統領
・FRB
3.その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い(円キャリー促進)」、「株売り(円キャリー巻き戻し)」の傾向。特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・経団連など経済3団体が新年祝賀パーティー、各団体トップ会見
・1/10(金)米国雇用統計(強)期待のスイング勢織り込み
米経済、2024年は緩やかだが健全な雇用拡大の年-10日に12月雇用統計(Bloomberg)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目は米国JOLTS求人件数と米国ISM非製造景気指数です。
(2024年、米国JOLTS求人件数発表日のドル円動きまとめ)
(2024年、米国ISM非製造業景気指数発表日のドル円動きまとめ)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:30)
11:02~要人発言
投機的な動向含め、為替市場の動向を憂慮=加藤財務相(Reuters)
【考察】円安牽制発言。ドル円下落。
12:07~要人発言
「行き過ぎた動きに適切対応」と財務相、政府から円安警戒発言相次ぐ(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言。ドル円下落。
12:35 経済指標
日本10年債入札(財務省)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額:2兆6000億円程度
最高落札利回り:前回1.089%、結果1.141%(×)
応札倍率:前回3.12倍、結果3.36倍(◎)
テール:前回5銭、結果1銭(◎)
【考察】総じて入札好調。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国貿易収支
前回-738億ドル(改定-736)、予想-782億ドル、結果-782億ドル(○)
23:12~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2025年FOMC投票権なし)
(過去の発言:11/21, 12/4, 1/3, 1/7)
:政策スタンスはタカ派。前回1/3タカ、ハト派発言。
「価格圧力が強まれば、金利をより厳しくする必要がある」
【考察】タカ派発言。ドル円小幅上昇。
24:00 経済指標
米国JOLTS求人件数(過去の発表日; 1/3, 1/30, 3/6, 4/2, 5/1, 6/4, 7/2, 7/30, 9/4, 10/1, 10/29, 12/3, 1/7)
(Bureau of Labor Statistics)
前回774.4万件(改定783.9)、予想774.3万件、結果809.8万件(◎)
米求人件数、11月は809.8万件に増加-6カ月ぶり高水準(Bloomberg)
24:00 経済指標
米国ISM非製造業景気指数(ISM Report On Business)
(過去の発表日; 1/5, 2/5, 3/5, 4/3, 5/3, 6/5, 7/3, 8/5, 9/5, 10/3, 11/5, 12/4, 1/7)
景気の先行指標として注目度大。
基準50、前回52.1(改定)、予想53.6、結果54.1(◎)→注目大
・仕入価格:前回58.2、予想57.5、結果64.4(◎)
・新規受注:前回53.7、予想54.2、結果54.2(○)
・雇用:前回51.5、予想51.4、結果51.4(○)→注目大
米ISM非製造業景況指数、12月は上昇-価格指数は23年以来の高水準(Bloomberg)
【考察】
発表前:日足安値157.36を付けてから強い数値期待の織り込みでドル円じり上げ。直前157.77。
発表後:米国ISM非製造業景気指数、米国JOLTS求人件数とも強い数値で日足高値158.43へ上昇。
25:31~要人発言
米国トランプ次期大統領
「金利は高すぎる」
【考察】金利高牽制発言。ドル円下落。
27:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
(過去の発表日:9/11, 10/9, 11/5, 12/11, 1/7)
発行額(Offering Amount):390億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.235%、結果4.680%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.70倍、結果2.53倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回70.0%、結果61.4%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-1.7bps、結果+2.0bps(×)。4.680-4.678=0.020
WI:4.678%
【考察】入札不調。ドル円上昇
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値157.56
取引開始直後に日通し安値157.55を付けると、前日同様に仲値に向けたドル需要に加えて日本株上昇(円キャリー促進)に連れて日通し高値158.42へ急上昇。
しかし、加藤財務相と赤沢経済再生相の相次ぐ円安牽制発言を受けると日通し安値157.68へ急落して引けました。
【日本市況】日経平均4万円に戻す、半導体急伸-円と債券は持ち直す(Bloomberg)
欧米マーケット:
東京マーケットの影響を引き継いで欧州オープン直後に日足安値157.36を付けてからはドル円じり上げ、米国ISM非製造業景気指数・米国JOLTS求人件数(強)で日足高値158.43へ急上昇。
しかし、米国債利回り急上昇を嫌気した米国株下落(円キャリー巻き戻し)に連れてドル円下落。
更に米国トランプ次期大統領の金利高牽制発言を受けて米国ISM非製造業景気指数・米国JOLTS求人件数(強)のドル円上昇分を全戻し下落となりました。
その後、米国10年債入札(弱)や原油先物価格上昇に連れてじり上げで引けました。
日足終値158.07
【米国市況】インフレ懸念で国債利回り上昇、株下落-ドル158円付近(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言
・米国JOLTS求人件数、米国ISM非製造業景気指数(強)
・米国10年債入札(弱)
・原油先物価格上昇→インフレ懸念
売り材料:
・米国トランプ次期大統領:金利高牽制発言
<円買い優勢>
買い材料:
・加藤財務相、赤沢経済再生相の円安牽制発言
・米国JOLTS求人件数、米国ISM非製造業景気指数(強)→米国債利回り急上昇嫌気の米国株下落(円キャリー巻き戻し)
売り材料:
・AI向け次世代半導体需要への期待感→日本株上昇(円キャリー促進)
・日本10年債入札(強)
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回1月29日(水)公表:据え置き(91.4→95.2%)、0.25%引き下げ(8.6→4.8%)
2025年内利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:1月陰線形成中。レンジ。ダウ転換シグナル付近。
- 週足:1/6週、陽線形成中。上昇トレンド。三尊右肩かつ戻り高値付近。
- 日足:1/6陽線。レンジ。BB+1σ付近
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足レンジ高値157.649をダウ上昇→目標4H足レンジ高値158.044
(B)日足レンジ安値156.392付近へ下落→転換上昇→目標4H足押し安値157.164
②Short
(B)4H足押し安値157.164をダウ下落→目標4H足レンジ安値156.611
本日:1勝0敗、+28.5pips
1月通算:3勝5敗、勝率37.5%、RR2.06 、-17.4pips
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