ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
前日ベラルーシで第2回停戦交渉が開催され、「民間人退避中の交戦停止」と「来週初めに第3回目停戦交渉」で合意。リスクオフ後退かと考えましたが米国主要3指数しドル円も下落。本日もこの流れを引き継ぐと想定しドル円ショート優先。
2. 経済指標
米国雇用統計に注目。3/2米国ADP雇用者数が良好だったことで米国雇用統計も期待あり。米国雇用統計が強い数値になれば、「3月FOMCでの利上げ期待→ドル買い」でドル円上昇と考えます。
マーケットの動き
東京マーケット前
7:00 取引開始
・ドル円:115.451(前営業日終値115.457 とほぼ同じ)
8:15 要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁
「インフレはFRB予想よりはるかに高い」
「今年金利を正常な水準に戻し、バランスシート縮小開始へ」
NY連銀総裁、政策を通常のスタンスに戻す必要-3月利上げ予想(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 115.483
・日経平均株価: 26421.85 (前日営業日終値 26577.2 からギャップダウンスタート)
9:23 報道
「ロシア軍、欧州最大規模の原子力発電所ウクライナのザポリージャ原発に砲撃、火災発生」
【考察】強烈なリスクオフ材料
9:55 仲値(3/5前日につき実質五十日)
・ドル円: 115.384
10:59 要人発言
国際原子力機関(IAEA)「ウクライナから原発の放射能レベルに変化なしと報告」
【考察】リスクオフ後退材料
15:00 クローズ
・ドル円: 115.447
・米国債2年利回り: 1.522 %
・米国債10年利回り: 1.799 %
・日経平均株価: 25985.40 (前営業日比 -591.80 -2.23 %)
欧州マーケット(17:00~1:30)
17:00 オープン
・ドル円: 115.452
・米国債2年利回り: 1.510 %
・米国債10年利回り: 1.809 %
22:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国雇用統計
非農業部門雇用者数:前回46.7万人、予想42.3万人、結果67.8万人(◎)
失業率:前回4.0%、予想3.9%、結果3.8%(◎)
平均時給
前月比:前回0.7%、予想0.5%、結果0.0%(✕)
前年比:前回5.7%、予想5.8%、結果5.1%(✕)
米雇用者数、予想上回る67.8万人増に加速-賃金の伸びは減速(Bloomberg)
米2月雇用67.8万人増、予想大幅に上回る 失業率3.8%に改善(Reuters)
【考察】強弱入り混じりの結果で初動ドル円は下ヒゲピンバー陽線。
22:51 要人発言
米国エバンス・シカゴ連銀総裁
「雇用統計データはパウエル議長の立場を変えない」
「より中立的な政策金利に引き上げるべき」
シカゴ連銀総裁、年末までに2%付近と言及-最大7回の利上げ示唆(Bloomberg)
米利上げ、90年代ほど「制限的にはならない」=シカゴ連銀総裁(Reuters)
【考察】タカ派発言
NYマーケット(23:30~6:00)
23:30 オープン
・ドル円: 115.401
・米国債2年利回り: 1.484 %
・米国債10年利回り: 1.744 %
・ダウ平均: 33655.43 (前営業日終値 33794.65 )
・S&P500: 4342.12 (前営業日終値 4363.5 )
・ナスダック: 13455.23 (前営業日終値 13537.95 )
米国主要3指数ギャップダウンスタート
25:30 欧州クローズ
・ドル円: 114.72
・米国債2年利回り: 1.462 %
・米国債10年利回り: 1.703 %
28:01 要人発言
ホワイトハウス「ロシア原油の輸入禁止を検討」
ホワイトハウス、ロシア産原油の米国への輸入禁止を検討-関係者(Bloomberg)
【考察】リスクオフ材料
30:00 NYクローズ
・ドル円: 114.813
・米国債2年利回り: 1.494 %
・米国債10年利回り: 1.744 %
・ダウ平均: 33614.81 (前営業日比 -179.86 -0.53 %)
・S&P500: 4328.88 (前営業日比 -34.62 -0.79 %)
・ナスダック: 13313.45 (前営業日比 -224.49 -1.66 %)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日3位
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日1位
- JPY(リスクオフ通貨):前日4位
- CHF(リスクオフ通貨):前日2位
- USD(基軸通貨):前日5位
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日6位
- GBP(リスクオン通貨):前日7位
- EUR(リスクオン通貨):前日8位
【考察】
前日同様、ウクライナ情勢悪化やエネルギー価格急騰が欧州経済圧迫との見方でGBPとEURが弱くなりました。
米国債イールドカーブ
- 3/4(金)は3/3(木)に対して、ブル・フラットニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差縮小)になりました。
*債券ブル:「安全資産債券買い→債券利回り低下」、「リスク資産売り(株式等)→安全資産債券買い」、景気後退
*債券ベア:「安全資産債券売り→債券利回り上昇」、「安全資産債券売り→リスク資産買い(株式等)」、景気良好
*ブル・スティープニング:直近の景気後退→政策金利下げ(又は利上げ期待後退)の可能性浮上→将来の金利もやや低下見込み→景気後退懸念→リスクオフ→ドル売り示唆
*ブル・フラットニング:直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来も景気後退懸念→将来も利下げの見込み→ドル売り示唆
*ベア・スティープニング:直近の景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→長短金利上昇→長期金利高く将来も利上げ見込み→好景気継続→リスクオン→ドル買い示唆
*ベア・フラットニング:直近の景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→長短金利上昇→長期金利高く将来も利上げ見込み→利上げが続く可能性あり→景気にブレーキ掛かりそう→リスクオン終焉に近い→ドル買い後退示唆
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンド開いており、上昇トレンド継続。上値目処は月足実体上限116.762。
- 週足: ボリンジャーバンドスクイーズし、トレンドラインまで下落した後、下ヒゲピンバーで反発。直近の流れはレンジ。
- 日足: ボリンジャーバンドスクイーズ中で直近の流れはレンジ。
2/16戻り高値実体115.588とボリンジャーバンド+1σを実体で上抜けできない状況が継続中。
日足レンジ上限で上ヒゲ陰線形成したことで本日は下目線。 - 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズ。押し安値115.515下抜けたことで直近の上昇トレンド終了。
4H足押し安値115.515でレジサポすれば日足下目線と一致して本格的な下落となり、下値目処4H足20MA付近サポート115.190。 - 1H足: ボリンジャーバンドエクスパンション。直近は下落トレンド。
4H足押し安値115.515と1H足右下がりトレンドラインで反発すれば、下値目処200MA付近115.190。 - 15M足:ボリンジャーバンドエクスパンション。直近は下落トレンド。戦略は1H足と同じ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足右下がりトレンドラインかつ4H足押し安値115.515上抜け→レジサポ→目標1H足20MA付近戻り高値115.659
(B)1H足20MA付近戻り高値115.659上抜け→レジサポ→目標1H足・4H足戻り高値115.782
②ショート
(C)4H足押し安値115.515かつ1H足右下がりトレンドラインへ戻り反発→レジサポ→目標4H足20MA付近かつ1H足200MA付近サポート115.190。
(D) ロング(A)→1H足戻り高値115.659反発下落→4H足押し安値115.515下抜け→レジサポ→目標4H足20MA付近かつ1H足200MA付近サポート115.190。
(E)4H足サポート115.190下抜け→レジサポ→目標日足実体サポート114.885。
日足下目線であるためショート優先。
【考察】
11:00 115.515かつトレンドライン反発→レジサポ→(C)ショート可
23:45 目標115.190到達→(C)ショート成立。しかしながら、22:30米国雇用統計発表でドル円急騰した可能性もあったはず。実際には11:00からポジション保有し続けるのはリスク大。
24:00 レジサポなく急落して目標114.885到達→(E)ショート未成立。
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