2022年1月6日(木)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

前日の注目イベントであった、米国ADP雇用者数と米国FOMC議事要旨公表は、共に強いドル買い材料でした。思った以上のドル円急騰にはなりませんでしたが、ドル円上昇トレンド継続の可能性は高まったと推測します。

本日のシナリオ
①1/5 FOMC議事要旨公表:予想以上のタカ派内容(3月利上げ示唆、バランスシート縮小議論)→米国債売り→米国債利回り上昇→ドル買い→ドル円上昇
②1/5 米国ADP雇用者数:予想以上に強い結果→1/7 米国雇用統計期待→織り込みドル買い→ドル円上昇
③前日のFOMC議事要旨公表結果:予想以上のタカ派内容→米主要3指数急落→日本株価下落の可能性(特にハイテク株関連)→株売り円買い→ドル円下落
④前日報道が相次いだ国内の新型コロナ感染急拡大→景気後退懸念→リスクオフ株売り円買い→ドル円下落

①と②の影響が強いと判断して、ドル円上昇目線を維持したいと考えます。

東京マーケット

9:55 仲値
シナリオ
五十日ではないですが、ドル買い流れが続いてドル円上昇になりそう。

結果
始値116.070から上昇していったものの、「日本株価指数急落→強い円買い」となって、仲値前からドル円急落、仲値通過後は下落が加速していきました。
タカ派的なFOMC議事要旨公表を受けて、「時間外米国債金利上昇→ドル買い」を期待していましたが、リスクオフ円買いが予想以上に強烈でした。
つまり、現在は株価指数主導でドル円は動いていると解釈できそうです。
そうなると、円買いが進む限りはドル円ショート目線、円買いが落ち着いて円売りに転換するまではドル円ロングは止めるべきかも知れません。

10:45 経済指標:中国財新サービス業PMI
基準50.0、前回52.1、予想51.9、結果53.7

シナリオ
①前回かつ予想より大幅高→ドル買い円売り→ドル円上昇
②基準50.0より低い→ドル売り円買い→ドル円下落
③前回同様→ドル円動きなし

結果
前回かつ予想を超えて良好な数値。しかし、「株価指数指数急落→リスクオフ円買い」材料が圧倒的に大きく、ドル円上昇にはなりませんでした。

11:27 報道(Bloomberg):東京23区に大雪警報、国内線の一部が欠航-電力需給は逼迫
「リスクオフ材料→日本株価下落に寄与→円買い→ドル円下落後押し」

欧州、NYマーケット

17:29 報道(Reuters): 日銀、ETF買い入れを見送り J-REITもなし
本日の日本株下落では日銀の買い支え不要という判断。

18:42 報道(共同通信):Go To トラベル再開、当面見送り
「リスクオフ材料→日本株価下落に寄与→円買い→ドル円下落後押し」、もしくは想定内材料か。

22:30 経済指標: 米国新規失業保険申請件数
前回19.8万件、予想19.5万件、結果20.7万件
昨年末から減少が続いており、コロナ前水準まで戻っていますので、予想より大幅に低くなることは考えにくいと思います。

シナリオ
①前回かつ予想より件数大減→ドル買い円売り→ドル円上昇
②前回かつ予想より件数大幅→ドル売り円買い→ドル円下落
③前回同様→ドル円動きなし

22:30 経済指標: 米国失業保険継続受給者数
前回171.6万件、予想168.8万件、結果175.4万件
新規失業保険申請件数と同様に減少が続いており、既にコロナ前水準まで戻っていますので、予想より大幅に低くなることは考えにくいと思います。

シナリオは新規失業保険申請件数と同じ。

結果
新規失業保険申請件数と継続受給者数は、共に弱い数値となりましたが、コロナショック以前と同レベルであり、材料にはなりにくかったと思います。

22:30 経済指標: 米国貿易収支
前回-671億ドル、予想-809億ドル、結果-802億ドル。

シナリオ
①前回よりマイナス大幅減少→貿易赤字縮小→GDP拡大→ドル買い
②予想通り又は予想よりマイナス大幅増加→貿易赤字拡大→GDP縮小→ドル売り

結果
予想より少し良い数値でしたが材料になるほどの値ではありませんでした。

24:00 経済指標: 米国ISM非製造業景気指数
基準50.0、前回69.1、予想67.0、結果62.0
1/4の米国ISM製造業景気指数はサプライズの弱い数値でドル円下落しましたが、ISM非製造業も同じになるか注目度は高い指標だと考えます。

シナリオ
①ISM非製造業結果とは反対に、予想 and/or 前回を上回る高い数値→ドル買い→ドル円上昇
②ISM非製造業同様に60を下回るほどの低い数値→ドル売り→ドル円下落
③予想同等→ドル円動きなし

結果
弱い数値でしたが、初動は「米国債2年と10年利回り上昇→ドル買い」の反応。Buy the factか。しかし、「米国主要3指数下落→円買い」が強くドル円下落となりました。
とは言え、強いドル円下落トレンドは継続せずに115.666付近で持ちこたえた様子。

24:00 経済指標: 米国耐久財受注(確報値)
(前月比)前回2.5%、予想2.5%、結果2.6%。(コア前月比)前回0.8%、予想 – %、結果0.9%。
ISM非製造業景気指数より注目度は低いため様子見のみ。

24:00 経済指標: 米国製造業新規受注
(前月比)前回1.0%、予想1.5%、結果1.6%。
ISM非製造業景気指数より注目度は低いため様子見のみ。

2:16 要人発言(Trader’s web): デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「FF金利を引き上げた後、バランスシートの調整を行う必要がある」

3:25 要人発言(Trader’s web): ブラード米セントルイス連銀総裁
「バランスシート縮小が次の政策ステップ」「現在、米雇用市場は堅調」「FRBは3月に金利を引き上げることが可能」

5:15 要人発言(Trader’s web): ブラード米セントルイス連銀総裁「昨年12月時点で今年3回の利上げを想定」

前日FOMC議事要旨公表結果と同様であり、特に驚く発言ではありませんでしたが、「米国債2年利回り上昇継続→ドル買い→ドル円上昇」

ドル、円材料まとめ

ドル買い材料

  • 金融政策
    • テーパリング加速決定:2021.12.15 FOMCで、2022年3月終了に前倒し
    • 政策金利:2021.12.15 FOMCで2022年末までに0.25%ずつ3回利上げ方針
    • 米国FOMC議事要旨公表(1/5)→3月利上げ開始の可能性も示唆→織り込み増加
  • 経済
    • 暖房用と米経済回復による原油需要拡大→需要ひっ迫警戒感→原油価格上昇→インフレ高進懸念→米利上げ織り込み→米国債金利上昇
    • 米国債利回り急上昇、22年最初の取引-早期利上げ観測強まるとの見方(1/4, Bloomberg)
    • 米国インフレが一時的(transitory)でなく持続的:エネルギー需要増&供給不足、労働賃金上昇→利上げ観測前進
    • 米国ADP雇用者数が強い数値(1/5)→米国雇用統計(1/7)期待感で織り込み増加
  • 要人発言
    • 米FRB関係者のタカ派転換発言
  • 新型コロナ
    • オミクロン株はデルタ株に比べて重症化事例が少ない→経済活動回復期待
    • ワクチンや経口薬開発が進んでいる→経済活動回復期待

ドル売り材料

  • 経済
    • 米国貿易赤字が過去最大規模
  • 新型コロナ
    • オミクロン株の感染拡大や重症化リスクが払拭されていない→経済活動停滞や景気回復鈍化懸念→利上げ時期後退の可能性
    • オミクロン株はデルタ株より入院率は低いが医療システム逼迫懸念
  • 地政学リスク
    • 台湾情勢を巡る米中関係やウクライナ情勢を巡る露・欧米関係の緊迫化

円買い材料

  • 金融政策
    • 日銀、量的緩和じわり修正 国債保有残高13年ぶり減少(1/5, 日経新聞):弱いながらも実質的なテーパリングとも考えられる。
    • 米国FOMC議事要旨公表(1/5)→3月利上げ開始の可能性も示唆→株価指数急落→リスクオフ
  • 新型コロナ
    • 世界中で新型コロナのオミクロン株感染拡大:英国やドイツでもロックダウンが実施されるようなら株価下落でリスクオフ円買いあり得る。
  • 地政学リスク
    • 台湾情勢を巡る米中関係やウクライナ情勢を巡る露・欧米関係の緊迫化
  • IMM通貨先物
    • 12/28時点、円ショートポジション縮小

円売り材料

  • 金融政策
    • 2021.12.17 日銀金融政策決定会合で、金融緩和継続方針の決定
    • 日本以外でテーパリングや利上げ実施する国が増加→円を売って海外通貨買って利回りが良い海外国債などに投資した方が良い
  • 要人発言
    • 2021.12.17 日銀金融政策決定会合で、黒田総裁が円安容認発言→発言直後、円売りが強まりドル円上昇となった。
  • 経済
    • 原油など資源価格高騰→輸入物価上昇→資源輸入への支払い増→日本の経常収支悪化
  • 新型コロナ
    • 日本国内での新型コロナ感染急拡大

米国FOMC議事要旨公表での早期利上げ開始の可能性とバランスシート縮小示唆は、ドル買いを強く後押しする材料になったと考えます。

テクニカル分析

ドル円チャート

月足: 大陽線で上昇トレンド中。上値目処は2017年1月の118円台前半
週足: 5週連続陽線形成中。強い上昇トレンド継続。
日足: ボリンジャーバンド+2σバンドウォークでトレンド継続で下ヒゲピンバー形成。前日までの大陽線ではないのが気になる点。
4H足: トレンドラインや20MA下抜けていないもののレンジ形成中(上限116.246、下限115.795)。よって、レンジ上限を抜けることができなければ、ダブルトップ形成から大きな下落が生じる可能性があります。
1H足: レンジ形成中(上限116.297、下限115.666)
15M足: レンジ中。

見通し:ファンダメンタルズ分析ではドル買い優勢と推測していますので、ドル円も買い目線継続です。
①4H足レンジ範囲が約50pipsありますので、レンジ上下限からの反発を狙った取引できそうですが、レンジ下限からのロング狙いとします。
②1H足レンジ実体上限116.297上抜けロング狙い。
③1H足レンジ実体下限115.666下抜けショート狙い(この可能性は低いと想定しています)。

結果
ドル円上昇を見込んでいましたが、4H足レンジ実体下限が 115.795から115.743への広がり高値を切り下げて4H足と1H足ではフラッグを形成しました。
115.666付近を下ヒゲで複数回反発しており下値の堅さが伺えました。
想定として、①4H足レンジ下限(115.795)からのロング狙いを考えていましたが、タイミング悪く手を出せなかったのが反省点です。

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