2022年3月15日(火)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
(1)戦闘激化、停戦交渉不調、ウクライナ原発攻撃、核威嚇:リスクオフ
「安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」「安全資産ドル買い」
「米国債利回り低下→日米金利差縮小→円買い」、「株価下落→円買い」
⇒ドル買いドル売り交錯、円買い。総じてドル円下落と推測。

(2)停戦交渉前進:リスクオフ後退
 (1)と逆の動きとなるためドル円上昇と推測。

(3)コモディティ価格・食品価格急騰
「決済ドル需要増→ドル買い」、「インフレ加速→米利上げ見込み→ドル買い」、「スタグフレーション懸念→ドル売り」
「日本貿易収支悪化→円売り」、「インフレ加速→円利上げ観測→円買い」「スタグフレーション懸念→円売り」
⇒ドル買いドル売り、円買い円売りが交錯。しかし、急な円利上げは考えにくいことから、総じてドル円上昇と推測。

3/14はウクライナ・ロシア停戦交渉で一定の進展があり、3/15も交渉予定となったことで、リスクオフ後退。


2. 日米金融政策、経済回復差
①米国:3/15-16FOMCで米利上げ0.25%予定、その後も利上げやバランスシート縮小が見込まれています⇒ドル買い材料
②日本:金融緩和継続⇒円売り材料
③日本:貿易収支悪化(エネルギーや食品価格急騰が主因)⇒円売り材料
 ①~③でドル買い円売りによってドル円上昇しやすい。

3. 新型コロナ感染急拡大で中国深圳ロックダウン(Bloomberg)
トヨタの現地工場も稼働停止しており日本経済が更なる悪化に陥る懸念あり。「日本株価指数急落→円買い→ドル円下落」の可能性あり。


本日も材料1と2でドル円上昇しやすいと推測しますが、材料3で一時的に(特に東京マーケット中)ドル円下落はあり得ると考えます。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 118.138 (前営業日終値 118.188 からギャップダウンスタート)

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 118.243
・日経平均株価: 25228.53 (前日営業日終値 25307.78 )
・TOPIX 1811.51 (前日営業日終値 1812.28 )
注目材料3中国ロックダウンの影響のためか、株価指数ギャップダウンスタート。

9:55 五十日仲値
・ドル円: 118.224

15:00 クローズ
・ドル円: 118.328
・米国債2年利回り: 1.868 %
・米国債10年利回り: 2.142 %
・日経平均株価: 25346.41 (前営業日比 +38.63 +0.15 %)
・TOPIX 1826.63 (前営業日比 +14.35 +0.79 %)
株価指数は結局前営業日プラスで引け。新型コロナによるロックダウンは一時的との考えや、原油先物価格の下落でインフレ懸念後退で株価指数買いになったよう。

16:09 要人発言
ロシア国防省「ウクライナ・ヘルソン地域全土制圧」

【考察】リスクオフ材料

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 117.975
・米国債2年利回り: 1.839 %
・米国債10年利回り: 2.119 %

21:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国生産者物価指数2月度
前月比:前回1.0%、予想0.9%、結果0.8%(✕)
前年比:前回9.7%、予想10.0%、結果10.0%(○)
コア前月比:前回0.8%、予想0.6%、結果0.2%(✕)
コア前年比:前回8.3%、予想8.7%、結果8.4%(△)

米PPI、前年比で10%上昇-FOMCの利上げ軌道を後押し(Bloomberg)

米国ニューヨーク連銀製造業景気指数3月度:前回3.1、予想6.4、結果-11.8(✕)
米NY州製造業業況指数、3月はマイナス11.8 20年5月以来の低さ(Reuters)

【考察】総じて弱い数値でドル円下落。しかし影響小。

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 118.020
・米国債2年利回り: 1.792 %
・米国債10年利回り: 2.085 %
・ダウ平均: 32989.27 (前営業日終値 32945.23 )
・S&P500: 4188.82 (前営業日終値 4173.12 )
・ナスダック: 12685.23 (前営業日終値 12581.23 )
米国主要3指数ギャップアップスタート

23:44 要人発言
ロシア、米国バイデン大統領とブリンケン国務長官に制裁

24:55 要人発言
ロシア・プーチン大統領
「キエフは互いに受け入れられる解決策に真剣ではない」

【考察】交渉決裂でリスクオフ

25:11 報道
ロシア、欧州評議会から正式に脱退

【考察】欧州とロシアの関係悪化でリスクオフ

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 118.249
・米国債2年利回り: 1.814 %
・米国債10年利回り: 2.124 %

28:41 報道
16日もウクライナとロシアの停戦交渉

29:00 経済指標
米国対米証券投資1月度:前回1145億ドル、予想-、結果588億ドル(✕)

米国内に海外からの資金フローを確認する指標。

29:00 NYクローズ
・ドル円: 118.27
・米国債2年利回り: 1.853 %
・米国債10年利回り: 2.151 %
・ダウ平均: 33544.35 (前営業日比 +599.08、 +1.82 %)
・S&P500: 4262.46 (前営業日比 +89.34、 +2.14 %)
・ナスダック: 12948.63 (前営業日比 +367.41、 +2.92 %)
米国主要3指数は急騰。ウクライナ情勢に関してはリスクオフ材料ばかりでしたが、リスクオフの流れ。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. CAD(資源国リスクオン通貨):前日5位
  2. NZD(資源国リスクオン通貨):前日7位
  3. GBP(リスクオン通貨):前日3位
  4. EUR(リスクオン通貨):前日1位
  5. AUD(資源国リスクオン通貨):前日8位
  6. USD(基軸通貨):前日2位
  7. JPY(リスクオフ通貨):前日6位
  8. CHF(リスクオフ通貨):前日4位

【考察】
ウクライナ停戦交渉は不調に終わりリスクオフ報道や要人発言が相次いだにもかかわらず、通貨はリスクオンの動きになりました。余程の報道や要人発言がない限りは強いリスクオフにはなりにくい状況の様子。

米国債イールドカーブ

3/15(火)は3/14(月)に対して、ツイスト・スティープニング(短期金利低下、長期金利上昇、長短金利差拡大)になりました。

*ツイスト・スティープニング:直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来は景気回復期待→将来は利上げ見込み→直近のドル売り示唆

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド継続。下値は5MAでサポート。
  • 週足: 先週は大陽線でアセンディングトライアングル上抜け。ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 日足: ボリンジャーバンドエクスパンションし強い上昇トレンド。
  • 4H足:ボリンジャーバンドエクスパンションし強い上昇トレンド。
  • 1H足: ボリンジャーバンドエクスパンション終了も、上昇トレンド。
  • 15M足:ボリンジャーバンドエクスパンションし強い上昇トレンド。

【シナリオ】
①ロング
(A)15M足20MAかつ右上がりトレンドライン反発・レジサポ→目標月足・週足ヒゲ先118.569(前日継続)。
(B)1H足押し安値117.883まで下落→上昇ダウ・レジサポ→目標月足・週足ヒゲ先118.569。
(C)1H足押し安値117.697まで下落→上昇ダウ・レジサポ→目標月足・週足ヒゲ先118.569。

②ショート
(D)目標1H足押し安値117.697下抜け→レジサポ→目標1H足サポート117.347。
(E)目標1H足サポート117.347下抜け→レジサポ→目標4H足20MA付近押し安値116.872。

全時間足上昇トレンドであるためロング優先。

【考察】
3/14 10:00~ 15M足20MA・トレンドライン反発→(A)ロング可→目標118.569に向けて上昇中。
19:50 117.697まで下落→上昇ダウ・レジサポ→(C)ロング可。
20:50 117.813急落→15M足ダウ崩れ→(C)ロング不成立。
24:05 (C)ロングではなく、急落後は、1H足ネックライン抜け→15M足レジサポがロング適切でした。

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