ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
(1)戦闘激化、停戦交渉不調、ウクライナ原発攻撃、核威嚇:リスクオフ
「安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」「安全資産ドル買い」
「米国債利回り低下→日米金利差縮小→円買い」、「株価下落→円買い」
⇒ドル買いドル売り交錯、円買い。総じてドル円下落と推測。
(2)停戦交渉前進:リスクオフ後退
(1)と逆の動きとなるためドル円上昇と推測。
(3)コモディティ価格・食品価格急騰
「決済ドル需要増→ドル買い」、「インフレ加速→米利上げ見込み→ドル買い」、「スタグフレーション懸念→ドル売り」
「日本貿易収支悪化→円売り」、「インフレ加速→円利上げ観測→円買い」「スタグフレーション懸念→円売り」
⇒ドル買いドル売り、円買い円売りが交錯。しかし、急な円利上げは考えにくいことから、総じてドル円上昇と推測。
3/22もリスクオフが高まるような要人発言が相次ぎましたがドル円への影響見られず。
しかし、ロシアからウクライナへの最後通牒があったことから、ロシア軍の攻撃激化が予想されリスクオフが高まる可能性があると考えます。
2. 3/18, 3/21に続いて3/22も米国金融当局者のタカ派発言相次ぐ
米国FRBの金融引き締め方針⇒ドル買い
3.円売り加速多発
①日本の金融緩和継続、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。円売り勢の決済で円買いが入っても一時的になると考えます。
注目材料2.と3.から、本日もドル買い円売りによるドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 120.753 (前営業日終値 120.772 からギャップアップダウンスタート)
6:39 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁
「インフレ抑制のためでなくとも、バランスシート縮小に必要なことを実施する」
【考察】タカ派
東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 121.339
・日経平均株価: 27606.79 (前日営業日終値 27224.04 )
・TOPIX 1956.38 (前日営業日終値 1933.74 )
株価指数はギャップアップスタート。
9:55 仲値
・ドル円: 121.204
15:00 クローズ
・ドル円: 121.031
・米国債2年利回り: 2.140 %
・米国債10年利回り: 2.401 %
・日経平均株価: 28040.09 (前営業日比 +816.05 、 +3.00 %)
・TOPIX 1978.70 (前営業日比 +44.96 、 +2.33 %)
欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 121.057
・米国債2年利回り: 2.144 %
・米国債10年利回り: 2.390 %
20:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国MBA住宅ローン申請指数:前回-1.2%、予想 -、結果-8.1%(✕)
NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 120.694
・米国債2年利回り: 2.134 %
・米国債10年利回り: 2.353 %
・ダウ平均: 34748.84 (前営業日終値 34807.47 )
・S&P500: 4493.10 (前営業日終値 4511.6 )
・ナスダック: 13990.35 (前営業日終値 14108.83 )
米国主要3指数はギャップダウンスタート。
23:00 経済指標
米国新築住宅販売件数2月度:前回80.1万件、予想81.0万件、結果77.2万件(✕)
米新築住宅販売、2カ月連続で減少-金利上昇などの影響示唆(Bloomberg)
23:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
原油在庫:前回434.5万バレル、予想-75.0万バレル、結果-250.8万バレル(✕)
ガソリン在庫:前回-361.5万バレル、予想-215.0万バレル、結果-294.8万バレル(△)
23:36 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁
「バランスシート縮小開始を支持」
「今年0.50%の利上げが必要」
「金利の引き上げは遅いよりも前倒しの方がよい」
クリーブランド連銀総裁、年内に複数回の0.5ポイント利上げを支持(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。
24:35 要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁
「少なくとも2.5%の利上げが必要」
「0.50%の利上げはデータ次第」
SF連銀総裁、5月に0.5ポイント利上げが必要となる可能性も(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。
25:30 欧州クローズ
・ドル円: 121.050
・米国債2年利回り: 2.134 %
・米国債10年利回り: 2.357 %
28:13 要人発言
米国ブラード・セントルイス連銀総裁
「すべてのデータは、今春にインフレ加速を示唆」
「インフレは高すぎる」
「バランスシート縮小開始が必要な時期」
【考察】タカ派発言。
29:00 NYクローズ
・ドル円: 121.126
・米国債2年利回り: 2.107 %
・米国債10年利回り: 2.293 %
・ダウ平均: 34358.51 (前営業日比 -448.96 、 -1.29 %)
・S&P500: 4456.23 (前営業日比 -55.37 、 -1.23 %)
・ナスダック: 13922.61 (前営業日比 -186.20 、 -1.32 %)
米国主要3指数全て急落。翌日の日本株下落懸念あり。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日2位
- CHF(リスクオフ通貨):前日6位
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日1位
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日1位
- USD(基軸通貨):前日7位
- EUR(リスクオン通貨):前日5位
- JPY(リスクオフ通貨):前日8位
- GBP(リスクオン通貨):前日3位
【考察】
ウクライナ情勢悪化でややリスクオフの流れ。リスクオフでもJPYの弱さが際立つ。
米国債イールドカーブ
3/23(水)は3/22(火)に対して、ベア・スティープニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差縮小)になりました。
ウクライナ情勢悪化を懸念したリスクオフの動きと推測します。
*債券ブル:「安全資産債券買い→債券利回り低下」、「リスク資産売り(株式等)→安全資産債券買い」、景気後退
*ブル・フラットニング:直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来も景気後退懸念→将来も利下げの見込み→ドル売り示唆
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
- 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
- 日足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
- 4H足:ボリンジャーバンドエクスパンションからスクイーズしつつあるも、上昇トレンド。
- 1H足: ボリンジャーバンドエクスパンションからスクイーズしつつレンジ形成。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)三角持ち合い上抜け→レジサポ→目標1H足ヒゲ先121.024。オーバーシュートで月足実体121.141。
(B) (D)で1H足押し安値120.315下落後反発→レジサポ→目標1H足レジスタンス120.663。
(C) (B)で120.663到達後、120.663上抜け→レジサポ→目標1H足ヒゲ先121.024。オーバーシュートで月足実体121.141。
②ショート
(D)三角持ち合い下抜け→レジサポ→目標1H足押し安値120.315。
4H足以上が上昇トレンド中であるため、15M足や1H足が上昇に転じて強い上昇になりやすい。よってロング優先。
【考察】
7:45 三角持ち合い上抜け→レジサポ→目標121.024、121.141到達→(A)ロング成立。
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