ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
ロシアにとって重要な5/9「戦勝記念日」に勝利宣言する可能性が浮上しており、ロシアはウクライナ東部への大規模攻撃を示唆、更にウクライナ軍が攻撃を続けるなら首都キーウへの攻撃を明言しています。今後、戦況が急速に悪化する恐れがあることから、リスクオフ後退に繋がる報道や要人発言に要注目したい。
2.円売り加速
①日本の金融緩和継続、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。
4/13はドル円126台に達したことで、今までより強い円安牽制発言が出てきました。その効果もあってか4/14はラウンドナンバー126.000付近で上昇ストップ。本日、ドル円急騰することがあれば「日本金融当局者から強い円安牽制発言→強い円買い」によって一時的にドル円下落が生じる可能性があります。
3. 米国経済指標・要人発言
注目度の高い指標なし。加えて、4/15はイースター(復活祭)前の金曜日でグッドフライデーで日本以外の多く金融市場が休場。4/18(月)も日本と米国以外の多くの国が休場となっています。従って、本日は値動きが小さいか、もしくは市場参加者が少ない状況を見計らって大口が一気にストップ狩りを狙った仕掛けを実施する可能性があります。
以上から、本日は様子見のみが適切と考えます。
マーケットの動き
東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 125.863 (前営業日終値 125.886 から -2.30 pips )
【考察】
ドル円は若干のギャップダウンスタート。
8:10 要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
「緩和策を整然と解除する必要がある」
「過度な政策の引き締めは望まない」
「バランスシート縮小を近く開始」
【考察】
サプライズはないものの総じてタカ派発言。
「ドル買い」「円売り」でドル円上昇。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 126.171 (始値比 +30.80 pips )
・日経平均株価: 26932.48 (前日営業日終値 27171.93 から -239.45 )
・TOPIX 1890.72 (前日営業日終値 1908.05 から -17.33 )
【考察】
ドル円小幅レンジ上限の126.000は固い抵抗になり得ると考えていましたが、前日米国経済指標の強い結果や直前の米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁のタカ派発言を受けてあっさり上抜け。
前日米国主要3指数の流れを引き継ぎ、日本株価指数はギャップダウンスタート。日経平均は節目の27000下抜け。
株価指数急落でも強い円買いは見られないことから、「日本株価指数下落→円売り」の流れか。
9:21 要人発言
鈴木財務相
「為替の安定は重要、急速な変動は望ましくない」
「価格が十分に転嫁できず、賃金が伸びない環境は悪い円安」
価格転嫁できず賃金が伸びない環境は「悪い円安」-鈴木財務相(Bloomberg)
【考察】
ドル円126台になったこともあり円安牽制発言あり。126.262から126.109まで下落したものの、口先介入のみでは何の解決にもなっていないとから直ぐに上昇転換。円安牽制発言がドル円の押し目買いの合図となっている様子。
9:55 週末五十日仲値
・ドル円: 126.331 (始値比 +46.80 pips )(東京マーケット始値比 +16.00 pips )
【考察】
五十日仲値に向けてドル円126.361まで上昇。仲値通過後、126.552までオーバーシュートして下落に転じるかと見えましたが上昇継続。
12:07 要人発言
岸田首相
「日銀の政策は為替誘導のために行われているものではない」
「物価上昇は主に世界的な原材料価格の高騰が背景」
日銀の金融政策、為替誘導目的ではない-正常化要求に岸田首相(Bloomberg)
【考察】
円安牽制なし。日銀金融政策に対する批判への否定は円安容認とも言えそうですが、ドル円反応薄。
15:00 クローズ
・ドル円: 126.421 (始値比 +55.80 pips )(東京マーケット比 +25.00 pips )
・日経平均株価: 27093.12 (前営業日比 -78.81 、 -0.29 %)
(東京マーケット始値比 160.64 、 +0.60 %)
・TOPIX 1896.31 (前営業日比 -11.74 、 -0.62 %)
(東京マーケット始値比 5.59 、 +0.30 %)
【考察】
要人の円安牽制があっても効果薄で、円安容認発言あり、ドル円は大きな下落なく上昇継続。
16:27 要人発言
ロシア・ショイグ国防相
「キエフでの攻撃強化の可能性」
【ウクライナ】ロシア黒海艦隊旗艦が沈没-キーウへの攻撃強化も(Bloomberg)
【考察】
ウクライナが黒海艦隊旗艦を沈没させた報復強化。
「リスクオフ円買い」でドル円下落。
欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン(株式・債券市場がグッドフライデーのため休場)
・ドル円: 125.465 (始値比 -39.80 pips )
【考察】
海外勢の多くがグッドフライデーで市場参加していないことから動きにくい環境を想定していましたが、それを狙って大口が市場操作を狙っているのも
しれません。そうであれば、急激な上下への値動き変動に巻き込まれる恐れあり。
21:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国ニューヨーク連銀製造業景気指数4月度:前回-11.8、予想1.0、結果24.6(◎)
NY連銀製造業景況指数、4月は急回復-仕入れ価格は過去最高(Bloomberg)
22:15 経済指標
米国鉱工業生産指数3月度:前回0.5%(改定0.9)、予想0.4%、結果0.9%(◎)
米国設備稼働率3月度:前回77.6%(改定77.7)、予想77.8%、結果78.3%(◎)
米鉱工業生産指数、3月は製造業が前月比0.9%上昇-予想上回る(Bloomberg)
【考察】
強い結果だったにも関わらずドル円反応薄。やはりグッドフライデーで市場参加者が少ないためか。
NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン(株式・債券市場がグッドフライデーのため休場)
・ドル円: 126.487 (始値比 +62.40 pips )
25:30 欧州クローズ
・ドル円: 126.350 (始値比 +48.70 pips )
【考察】
ドル円日足ヒゲ先と1H足20MAが重なる126.318で反発中。レジサポライン候補。この付近をサポートとして維持できるなら来週上昇スタートの可能性あり。
29:00 経済指標
米国対米証券投資2月度:前回588億ドル、予想-、結果1417億ドル(◎)
【考察】
米国への資金フロー増加を示しドル買い材料でドル円上昇。
29:00 NYクローズ
・ドル円: 126.371 (始値比 +50.80 pips )
【考察】
ドル円日足ヒゲ先126.318で反発継続。この付近をサポートとして維持できるなら来週上昇スタートの可能性あり。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- USD(基軸通貨):前日1位
- CHF(リスクオフ通貨):前日8位
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日5位
- GBP(リスクオン通貨):前日4位
- EUR(リスクオン通貨):前日7位
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日6位
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日2位
- JPY(リスクオフ通貨):前日3位
【考察】
4/15はイースター(復活祭)前の金曜日でグッドフライデーで日本以外の多く金融市場が休場だったことで全体的に動き小。JPYの弱さが際立つだけでした。
米国債イールドカーブ
米国債券市場もグッドフライデーのため休場
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
- 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
- 日足: 陽線で引けて上昇トレンド継続。
- 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
- 1H足:ボリンジャーバンドエクスパンション終わりつつあり。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1Hネックライン125.673上抜け→レジサポ→目標4H実体上限126.032(4/14継続)。
(B)4H実体上限126.032上抜け→レジサポ→目標日足ヒゲ先126.318。
②ショート
(C)4H押し安値124.920下抜け→レジサポ→目標4H押し安値124.272。
週足以上が上昇トレンドであるためロング優先ですが、126台になると再び強い円安牽制発言で円買いが生じやすい。よって、短期的にはショートの可能性あり。
【考察】
4/14 23:00 1Hネックライン125.673上抜け→レジサポ→(A)ロング可継続。
8:00 目標126.032到達→(A)ロング成立。
9:30 4H実体上限126.032上抜け→15M十字線発生・レジサポ126.208→(B)ロング可。
9:45 目標日足ヒゲ先126.318到達→(B)ロング成立。しかしながら、レジサポ時126.208からの値幅小さくエントリーに不適か。
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