2022年4月14日(木)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
4/13も今後の不透明感に変わりなしですが、ロシアにとって重要な5/9「戦勝記念日」に勝利宣言する可能性が浮上しており、それまでに戦況が急速に悪化する恐れもあります。
今後、リスクオフ後退に繋がる報道や要人発言に要注目したい。

2.円売り加速
①日本の金融緩和継続、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。

4/13はドル円126台に達したことで、今までより強い円安牽制発言が出てきました。本日もドル円急騰することがあれば「日本金融当局者から強い円安牽制発言→強い円買い」によって一時的にドル円下落が生じる可能性があります。

3. 米国経済指標・要人発言
米国GDPを占う重要な米国小売売上高が注目材料。前回かつ予想が高い数値になればドル買いドル円上昇、反対に弱い数値になればドル売りドル円下落を想定します。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 125.582 (前営業日終値 125.651 から -6.90 pips )
・米国債2年利回り: 2.365 %
・米国債10年利回り: 2.704 %

【考察】
ドル円ギャップダウンスタートから即窓埋め上昇。
米国債2年利回りの日足20MAと押し安値2.300%であることから、反発によってまず2.421%まで上昇あり得る。
米国債10年利回りはボリンジャーバンドBB+1σ付近。反発上昇目処は2.782%。
米国債利回り上昇に転じるなら、ドル買いドル円上昇継続しそう。

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 125.365 (始値比 -21.70 pips )
・米国債2年利回り: 2.365 (始値比 +0.000 % )
・米国債10年利回り: 2.701 (始値比 -0.003 % )
・日経平均株価: 26925.64 (前日営業日終値 26843.42 から +82.22 )
・TOPIX 1894.84 (前日営業日終値 1890.06 から +4.78 )

【考察】
前日決算を発表したデルタ航空が大幅高となったことを受けて上昇した米国主要3指数を引き継ぎ、日本株価指数はギャップアップスタート。
取引開始直後のギャップアップから125.699へ上昇したものの、ドル円1Hネックライン125.673から売りにおされ125.210まで下落。
米国債利回り堅調推移でドルは小幅の動きだったことから、強い円買いでドル円下落しており、本日も円安牽制発言出ればドル円下落に反応しやすい地合いか。

9:55 仲値
・ドル円: 125.558 (始値比 -2.40 pips )(東京マーケット始値比 +19.30 pips )

【考察】
ドル円125.210まで下落後は、「米国債利回り2年,10年上昇→ドル買い」と「円売り」で仲値に向けて125.593まで上昇。
仲値通過後は15M足20MAかつ200MAが重なるネックライン125.555で反発し、125.101まで下落しました。
日足ヒゲ先レジスタンス125.108であり、ここでレジサポして上昇するか、更に下落を続けるかの注目ポイント。

12:43 要人発言
若田部日銀副総裁
「為替は経済・金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましい」
「為替相場に対するコメントは控えたい」

為替はファンダメンタルズ反映し安定推移望ましい-若田部日銀副総裁(Bloomberg)

【考察】
円安牽制・円安容認が混在する発言でしたが、「円売り」強くドル円上昇。

15:00 クローズ
・ドル円: 125.415 (始値比 -16.70 pips )(東京マーケット比 +5.00 pips )
・米国債2年利回り: 2.326 (始値比 -0.039 % )
・米国債10年利回り: 2.679 (始値比 -0.025 % )
・日経平均株価: 27171.93 (前営業日比 +328.51 、 +1.22 %)
(東京マーケット始値比 246.29 、 +0.91 %)
・TOPIX 1908.05 (前営業日比 +17.99 、 +0.95 %)
(東京マーケット始値比 13.21 、 +0.70 %)

【考察】
株価指数は米国債利回り軟調の影響も受け日足陽線で引け。
ドル円は小幅レンジ。この後に控えるECB理事会や米国経済指標発表を警戒して取引参加者が少ないか。

15:26 報道
ロシア国防省、「太平洋艦隊の潜水艦から日本海にある敵の艦船と想定した船を標的に、巡航ミサイル『カリブル』の発射実験を行った」と発表

ロシア、日本海でミサイル演習 日米訓練をけん制か(日本経済新聞)
【考察】
「地政学リスクオフ→円買い」でドル円下落。

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 125.334 (始値比 -24.80 pips )
・米国債2年利回り: 2.32 (始値比 -0.045 % )
・米国債10年利回り: 2.665 (始値比 -0.039 % )

【考察】
オープン直前にドル円125.083まで下落したものの、直ぐに下ヒゲで反発。やはり下値は日足ヒゲ先レジスタンス125.108が固そう。

20:45 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
ECB政策金利4月度:前回0.00%、予想0.00%、結果0.00%(○)

20:49 要人発言
ECB声明
「債券買い入れ終了から一定期間後に金利は上昇する」
「データはAPPの7-9月終了の見通しを強めた」

「量的緩和の縮小ペース維持」

【考察】
ハト派発言で「ユーロ売り」。「ドル買い」「円売り」によってドル円上昇。

21:30 経済指標
米国輸入物価指数3月度
前月比:前回1.4%(改定1.6)、予想2.3%、結果2.6%(◎)
前年比:前回10.9%(改定11.3)、予想11.9%、結果12.5%(◎)

米国新規失業保険申請件数:前回16.6万件(改定16.7)、予想17.0万件、結果18.5万件(✕)
米国失業保険継続申請件数:前回152.3万件、予想150.0万件、結果147.5万件(◎)
米新規失業保険申請18.5万件に増加、依然として低水準(Reuters)

米国小売売上高3月度
前月比:前回0.3%(改定0.8)、予想0.6%、結果0.5%(△)
コア前月比:前回0.2%(改定0.6))、予想1.0%、結果1.1%(◎)

米小売売上高、3月は0.5%増-ガソリン高の影響浮き彫り(Bloomberg)

【考察】
注目の米国小売売上高のコア指数が強かったことに加え、同刻発表の他指標も総じて強い数値。
「米国債2年,10年利回り上昇→ドル買い」と「円売り」でドル円125.359から急騰。

21:38 要人発言
ラガルド総裁発言
「資産買入れ終了後の一定期間後に利上げ」
「一定期間とは1週間もあり得るし、数カ月後もあり得る」

「量的金融引き締めについて話すのは時期尚早」
ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨(Reuters)

【考察】
ハト派発言で「ユーロ売り」。「ドル買い」「円売り」によってドル円上昇継続。

21:45 要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁
「消費者が支出パターンを変える複数の初期兆候がある」
「5月FOMCで50ベーシスポイントが妥当な選択肢」
「政策金利は中立水準へと戻す必要がある」

NY連銀総裁、0.5ポイントの利上げは「妥当な選択肢」(Bloomberg)

【考察】
3/25と同様、タカ派発言。
「米国債2年,10年利回り上昇→ドル買い」と「円売り」でドル円上昇継続。

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 125.599 (始値比 +1.70 pips )
・米国債2年利回り: (始値比 -2.365 % )
・米国債10年利回り: (始値比 -2.704 % )
・ダウ平均: 34628.46 (前営業日終値 34564.6 から +63.86 )
・S&P500: 4449.12 (前営業日終値 4446.6 から +2.52 )
・ナスダック: 13647.43 (前営業日終値 13643.6 から +3.83 )

【考察】
ドル円は米国経済指標の強い結果を引き継ぎ上昇継続。

23:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)4月度:前回59.4、予想59.0、結果65.7(◎)

米国企業在庫2月度:前回1.1%(改定1.3)、予想1.3%、結果1.5%(◎)

【考察】
共に強い数値でドル円上昇継続に見えましたが、ラウンドナンバー126.000でロング勢の利確や逆張りショート勢参入が多かったためか、126.017到達から125.721まで下落しました。

24:27 要人発言
ECB関係者

「依然として7月に利上げする可能性は残っている」
ECB、7-9月の0.25ポイント利上げで合意しつつある-関係者(Bloomberg)

【考察】
ハト派発言が続いた中で、突然のサプライズのタカ派発言。
ユーロ買い、ドル売り、円買いとなったものドル円動き小。

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 125.878 (始値比 +29.60 pips )
・米国債2年利回り: 2.435 (始値比 +0.070 % )
・米国債10年利回り: 2.804 (始値比 +0.100 % )

【考察】
ドル円はラウンドナンバー126.000手前でレンジ推移。

28:21 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀
「米国労働市場はタイトでインフレは強い上昇」

FRB、景気損ねずインフレ抑制目指す=クリーブランド連銀総裁(Reuters)

【考察】
タカ派発言ですが特にインパクトもなく、NYクローズ直前だったこともありドル円動きなし。

29:00 NYクローズ
・ドル円: 125.946 (始値比 +36.40 pips )
・ダウ平均: 34451.24 (前営業日比 -113.36 、 -0.33 %)
(NYマーケット始値比 -177.22 、 -0.51 %)
・S&P500: 4392.60 (前営業日比 -54.00 、 -1.21 %)
(NYマーケット始値比 -56.52 、 -1.27 %)
・ナスダック: 13351.09 (前営業日比 -292.50 、 -2.14 %)
(NYマーケット始値比 -296.34 、 -2.17 %)

【考察】
連休を控えたことや米国債利回り上昇によって米国主要3指数は売り優勢で日足陰線で引け。
翌日の日本株価指数も下落スタートの可能性あり。
本日はグッドフライデーの前日で米債券市場が短縮取引だったこともあり、ドル円も市場参加者が減ってきたためかNYマーケットはレンジ推移。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. USD(基軸通貨):前日4位
  2. NZD(資源国リスクオン通貨):前日8位
  3. JPY(リスクオフ通貨):前日6位
  4. GBP(リスクオン通貨):前日1位
  5. CAD(資源国リスクオン通貨):前日2位
  6. AUD(資源国リスクオン通貨):前日5位
  7. EUR(リスクオン通貨):前日3位
  8. CHF(リスクオフ通貨):前日7位

【考察】
米国経済指標の強い結果が続いたこととECB理事会やECBラガルド総裁のハト派発言によって、EUR売り、ドル買いの流れ。後にECB関係者から利上げについて言及有ったためEUR買い戻し。

米国債イールドカーブ

4/14(木)は4/13(水)に対して、ベア・スティープニング(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差上昇)。

*ベア・スティープニング:直近の景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→長短金利上昇→長期金利高く将来も利上げ見込み→好景気継続→リスクオン→ドル買い示唆

【考察】
米国債利回りの動きの安定が続けばドル買いの勢いはやや低下するか。

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 日足: 上ヒゲ陽線十字線で引け。上昇トレンド継続ですが勢い低下しつつあり。
  • 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
  • 1H足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
  • 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1Hネックライン125.673上抜け→レジサポ→目標4H実体上限126.032。
(B)4H実体上限126.032上抜け→レジサポ→目標日足ヒゲ先126.318。


②ショート
(C)1H足押し安値125.339、4H20MA、トレンドライン下抜け→レジサポ→目標4H押し安値124.920。
(D)4H押し安値124.920下抜け→レジサポ→目標4H押し安値124.272。

週足以上が上昇トレンドであるためロング優先ですが、126台になると再び強い円安牽制発言で円買いが生じやすい。よって、短期的にはショートの可能性あり。

【考察】
20:15 1H足押し安値125.339、4H20MA、トレンドライン下抜け→レジサポ→(C)ショート可。
21:30 目標4H押し安値124.920未達で1H足押し安値125.339上抜け→(C)ショート不成立。

23:30 1Hネックライン125.673上抜け→レジサポ→(A)ロング可。
24:45 ラウンドナンバー126.000が高いためか、目標4H実体上限126.032に届かず125.993まで上昇してレンジ推移。翌日上昇するか様子見。

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