2024年9月9日(月)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・日本国際収支
・日本実質GDP2次速報値第2四半期
・米国Ny連銀インフレ期待調査
・米国アトランタ連銀GDP Now

2.要人発言
・政府、日銀
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:9/7~9/19)につき

3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①円キャリー取引(促進or巻き戻し)、②米国労働市場、③米国経済成長、④インフレ、⑤地政学リスクに分類できます。
・【債券週間展望】長期金利は低下か、米利下げ確実-日銀利上げは先に(Bloomberg
・【日本株週間展望】メジャーSQ控え荒い値動き、米景気不透明さ残る(Bloomberg
・来週の円相場は上昇か、米大幅利下げ観測くすぶりドル売り圧力(Bloomberg

5.本日の注目材料
(1)9/6(金)マーケット影響
注目の米国雇用統計は強弱混在(NFP(弱)、失業率(強)、平均時給(強))となり、ドル円は乱高下しながらも、米国景気減速懸念リスクオフ(株売り、債券買い、円買い)が強まりドル円下落優勢となりました。

本日、米国景気減速懸念リスクオフの影響を引き継いでドル円下落を想定します。
但し、リスクオフでは、円買いだけでなくドル買いが生じてドル円乱高下もあり得ます。この場合でも、ドル円上昇トレンドへの転換は起きにくいことから、上昇は一時的で戻り売りに押されると考えます。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 経済指標
日本国際収支
経常収支[海外とのモノやサービス、投資などの取引状況(=貿易収支、サービス収支、第1次所得収支、第2次所得収支)]
:前回15335億円(改定)、予想25000億円、結果31930億円(◎)
経常収支(季調済):前回17763億円(改定)、予想21100億円、結果28029億円(◎)
貿易収支[=輸出ー輸入]:前回5563億円、予想-4242億円、結果-4827億円(×)
経常黒字、7月で最大3.1兆円 投資収益増や円安で拡大(日本経済新聞

8:50 経済指標
日本実質GDP1次速報値第2四半期(内閣府
前期比:前回0.8%(改定)、予想0.8%、結果0.7%(×)
前期比年率:前回3.1%(改定)、予想3.2%、結果2.9%(×)
GDPデフレータ[=名目GDP/実質GDP]前年比:前回3.0%(改定)、予想3.0%、結果3.2%(◎)
GDP2.9%増に低下、4〜6月改定値 持ち直し基調は継続(日本経済新聞

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

24:00 経済指標
米国Ny連銀インフレ期待調査(NY FED SURVEY OF CONSUMER EXPECTATIONS
1年後:前回3.0%、結果3.0%(○)
3年後:前回2.3%、結果2.5%(◎)
5年後: 前回2.8%、結果2.8%(○)

【考察】強い数値。ドル円上昇

24:50 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
Q3:前回2.1%、予想2.1%、結果2.5%(◎)

【考察】強い数値。ドル円上昇

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値142.31
取引開始後、日通し安値141.96を付けましたが、9/6米国雇用統計後の乱高下で付けた日足安値141.77下抜け失敗。
9/6米国雇用統計を受けて、先週末からブラックマンデーへの警戒感が高まっていましたが、8/2米国雇用統計の様なサプライズ弱ではなかったと判断されたためかリスクオフ(株安)影響は軽微で、リスクオン(株買戻し、債券安、円安、ドル高)により日通し高値143.10へ急騰しました。
(1H足上昇トレンドで、4H足戻り高値142.83到達)

【日本市況】株式は連日安、米雇用統計で景気警戒-長期金利上昇(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後も、リスクオン(欧州株高、債券安、円安、ドル高)につれて日通し高値143.80へ急騰。
ところが、9/6米国雇用統計後の乱高下で付けた日足高値144.09上抜け失敗すると、リスクオフ(株安、債券高、円買い)が強まりNYオープン直後には142.65へ急落。
その後、再びリスクオン(米株高、円安)に連れてドル円下げ止まり。
日足終値143.17

総じて、9/6米国雇用統計後のリスクオフ影響は軽微で、リスクオン(株高、ドル高・円安)が強まり日足安値141.96から日足高値143.89へ上昇。
但し、9/6米国雇用統計後の乱高下で付けた日足安値141.77~日足高値144.09(2.32円)間を推移する展開となりました。
(日足レンジヒゲ先・下降チャネル下限付近に、4H足三角持ち合い形成)

【米国市況】株は押し目買いで反発、CPIに注目-ドル143円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル買い優勢>
買い材料:
・米国Ny連銀インフレ期待調査、米国アトランタ連銀GDP Now(強)

売り材料:

<円売り優勢>
買い材料:
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以下推移→日本企業業績悪化・株下落懸念(円キャリー巻き戻し)

売り材料:
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回9月18日公表:25bps引き下げ70.0→71.0%、50bps引き下げ30.0→29.0%
年内利下げ観測:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:9月陰線形成中。上昇チャネル。20MA付近。
  • 週足:9/2週、。下降トレンド。
  • 日足:9/6。レンジ下限付近。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)日足安値141.037付近へ下落→転換上昇→目標日足安値141.768
(B)4H足ダウ安値142.610かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足戻り高値142.983

②Short
(C)1H足レンジ安値142.120をダウ下落→目標日足安値141.768
(D)日足安値141.768をダウ下落→目標日足安値141.037

本日:1勝1敗、+9.9pips
9月通算:7勝6敗、勝率53.8%、RR2.09 、+71.6pips

(Trading View)

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