2022年5月11日(水)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
ウクライナ情勢悪化に関する報道や発言あれば、ドル買い円買いが交錯してドル円が不規則な動きになりやすいため警戒したい。

2. 経済指標・要人発言
5/10は日本の要人から円安牽制・円安容認発言、米国要人からはタカ派発言が相次ぎました。本日も、要人発言に注意したい。
また、最大の注目材料は米国消費者物価指数(CPI, 特にコア前月比)。最近、米国金融当局者からもインフレが落ち着きつつあるような発言も出てきており、「弱い数値→インフレ懸念後退→ドル売り」、「強い数値→インフレ懸念→ドル買い」と考えます。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
ドル円:ギャップダウンから直ぐに窓埋め上昇スタート。
ドルインデックス:日足陽線が続いているものの上昇勢い低下。
米国債2年利回り:下降ダウを形成しながら日足チャネル下限到達。チャネル下抜けの可能性もあり。
米国債10年利回り:日足押し安値2.932%まで下落した後は一旦の反発上昇か。

日経先物:日足レンジ下限で十字線。上昇に転じるか、下降トレンド継続かの分岐点。
ダウ先物:日足レンジ下限で十字線。上昇に転じるか、下降トレンド継続かの分岐点ですが、下落の勢いが強い。

総じて、ドル円は上昇より下落優勢の環境と推測します。

東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 仲値

14:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
日本景気動向指数速報値3月度
景気先行指数:前回100.0、予想100.9、結果101.0(◎)
景気一致指数:前回96.8、予想97.0、結果97.0(○)

欧州マーケット(16:00~24:30)

20:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国MBA住宅ローン申請指数:注目度は高くないため確認のみ。前回2.5%、予想-、結果2.0%(✕)

21:30 経済指標
米国消費者物価指数4月度:米国FRBがインフレターゲットとしているのは個人消費支出(PCE)デフレータですが、PCEデフレータと傾向が似ておりかつ発表が早いため注目度大。普段は変動が激しい食品とエネルギー価格を除いたコア指数が重要ですが、現状はエネルギー価格高騰が著しいため、コア以外も重要度高い。
前月比:前回1.2%、予想0.2%、結果0.3%(○)
前年比:前回8.5%、予想8.1%、結果8.3%(○)
コア前月比:前回0.3%、予想0.4%、結果0.6%(◎)
コア前年比:前回6.5%、予想6.0%、結果6.2%(○)

米消費者物価指数、4月は予想以上の伸び-インフレ長期化を示唆(Bloomberg)

NYマーケット(22:30~29:00)
23:30 経済指標
米国週間石油在庫統計:
原油在庫:前回130.3万バレル、予想-145.0万バレル、結果848.7万バレル(◎)
ガソリン在庫:前回-223.0万バレル、予想-160.0万バレル、結果-360.7万バレル(✕)

25:00 欧州クローズ

25:35 要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「インフレが高すぎることを理解している」

「中立金利到達で0.50%利上げ支持」
市場金利上昇、FRBインフレ対応への信頼=アトランタ連銀総裁(Reuters)

【考察】
5/10同様、タカ派発言

26:00 経済指標
米国10年債入札:「入札好調→利回り低下→ドル売り」、「入札不調→利回り上昇→ドル買い」の動き。

前回2.720%、結果2.943%(✕)

【考察】
入札不調で米国債10年利回り上昇。しかし上昇は初動だけで直ぐに利回り低下。

27:00 経済指標
米国財政収支4月度:前回-1930億ドル、予想2200億ドル、結果3082億ドル(◎)

米財政収支、4月は3080億ドルの黒字と過去最高 歳入増で(Reuters)

29:00 NYクローズ

29:02 要人発言
米国ブラード・セントルイス総裁(2022年FOMC投票権あり)
「インフレはより広範囲でより持続的」
「今後の会合で0.50%利上げは好ましいベンチマーク」
「0.75%利上げは私の基本シナリオではない」
「個人的に政策金利は年内3.5%に達すると考える」
「米国の景気後退リスクは今のところ低い」


【考察】
4/18に「基本ではないが0.75%利上げを排除しない」と比べれば、「0.75%利上げは私の基本シナリオではない」はハト派。しかし、総じてタカ派。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. JPY(リスクオフ通貨):前日2位。株価指数の変動に大きく釣られたものの総じてリスクオフ円買いの動き。
  2. CAD(資源国リスクオン通貨):前日3位。資源価格上昇で堅調。
  3. CHF(リスクオフ通貨):前日5位。
  4. NZD(資源国リスクオン通貨):前日8位。資源価格上昇で堅調。NZが7月末に国境を完全再開。
  5. USD(基軸通貨):前日1位。米国消費者物価指数(特にコア)が強くインフレ懸念で強いドル買いになったものの、大口の仕掛けが入ったためか全戻しのドル売り、しかしその後はドル買いで変動大。
  6. AUD(資源国リスクオン通貨):前日6位。資源価格上昇で堅調。
  7. EUR(リスクオン通貨):前日7位。要人のタカ派発言相次ぐもスタグフレーション懸念のためか低調。
  8. GBP(リスクオン通貨):前日4位。英国がNI議定書撤回ならEUは貿易停止用意との報道あり。

米国債イールドカーブ

5/11(水)は5/10(火)に対して、ツイスト・フラットニング(短期金利上昇、長期金利低下、長短金利差縮小)。

*ツイスト・フラットニング:直近の景気良好→政策金利引き上げ(又は予測より利上げ前進)の可能性浮上→将来は景気減速懸念→将来は利上げ見込み後退→直近のドル買い、将来のドル売り示唆

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
  • 週足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
  • 日足: 5/10下ヒゲ陽線ピンバーで引け。上昇トレンドからチャネルへ移行しつつあり。
  • 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
  • 1H足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
  • 15M足:上昇トレンドからチャネルへ移行しつつあり。
    日足以下の方向性が不明確であり手を出しにくい地合い。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レンジ実体130.463上抜け→レジサポ→目標1H戻り高値130.826。
(B)1H戻り高値130.826上抜け→レジサポ→目標4H足実体131.172。

②ショート
(C)1H足サポート129.965下抜け→レジサポ→目標4H足サポート129.534。

レンジ範囲129.965~130.463付近の内部トレードはスルーして、レンジ抜けてからトレードを考えたい。

【考察】
20:00 1H足サポート129.965下抜け→レジサポ→(C)ショート可。しかし、大きな注目材料である米国消費者物価指数が控えておりエントリーには適さないタイミング。
21:30 目標129.534未達→(C)ショート不成立。強い米国消費者物価指数でドル円噴き上げ。やはりエントリースルーすべきでした。

22:15 1H足レンジ実体130.463上抜け→レジサポなく急落→(A)ロング不成立。

強い米国消費者物価指数でドル円噴き上げは想定内でしたが、その後の全戻しの急落、再上昇の動きはお手上げ。これに対応できるスキルなし。

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