ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日銀金融政策決定会合公表
・米国実質GDP確報値
・米国フィラデルフィア連銀景況指数
・米国新規失業保険申請件数、米国失業保険継続申請件数
・米国景気先行指数
・米国中古住宅販売件数
・BOE金融政策委員会
2.要人発言
・政府円安牽制
・植田日銀総裁会見
・米国トランプ次期大統領
・ベイリーBOE総裁発言
3.その他
・日銀会合公表直前リーク報道
・日銀、25年の緩和策の検証結果公表へ 政策効果に限界も(日本経済新聞)
・政情不安リスクオフ(韓国、フランス)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)日銀金融政策決定会合公表、植田日銀総裁会見
(2024年、日銀金融政策決定会合発表日のドル円動きまとめ)
(2)米国経済指標
注目は、米国実質GDP確報値と米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数です。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:30)
11:52 経済指標
日銀金融政策決定会合公表(日本銀行)
(発表日:1/23, 3/19, 4/26, 6/14, 7/31, 9/20, 10/31, 12/19)
過去の傾向では正午付近の公表は会合参加者の意見の相違は少なく金融政策変更なし。13:00頃に近づくほど金融政策変更の可能性高いです。
①政策金利:前回0.25%、予想0.25%、結果0.25%(○)。
(実質金利=政策金利-期待インフレ率=0.25-2.00=-1.75%)
②声明:日銀、政策金利の現状維持を決定 田村委員は利上げ主張し反対(Reuters)
【考察】
発表前:取引開始後に日足安値を154.44を付けると、公表前の手控えで乱高下。直前154.62。
発表後:政策維持、声明ハト派内容を受けると日通し高値155.48へ上昇。その後、植田日銀総裁会見控えて様子見多く小動き。
15:30~要人発言
植田日銀総裁
(発言:11/18, 11/21, 11/29, 12/19)
:前回11/29タカ派発言
日銀が金融政策の維持決定、植田総裁のハト派的発言受けて円安加速(Bloomberg)
【考察】
会見前:日通し高値155.48へ上昇してからは総裁会見控えて小動き。直前155.22。
会見後:ハト派発言。ドル円急上昇継続。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
21:00 経済指標
BOE金融政策委員会
政策金利:前回4.75%、予想4.75%、結果4.75%(○)
MPC議事要旨:ハト派内容
英中銀、6対3で金利据え置き決定-2025年も緩和継続へ(Bloomberg)
21:07~要人発言
英国ベイリーBOE総裁
【考察】タカ派発言
22:30 経済指標
米国フィラデルフィア連銀景況指数
米国ISM製造業購買担当者景気指数の先行指標。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
基準0、前回-5.5(改定-)、予想2.2、結果-16.4(×)
22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回24.2万件(改定22.5)、予想23.0万件、結果22.0万件(◎)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回188.6万件(改定187.9)、予想188.0万件、結果187.4万件(◎)
22:30 経済指標
米国実質GDP確報値(過去の発表日:1/25, 2/28, 3/28, 4/25, 5/30, 6/27, 7/25, 8/29, 9/26, 10/30, 11/27, 12/19)
速報値は改定値や確報値に比べて注目度高いですが、改定値や確報値でもドル円が大きく動くことあり。
【12/18(水)米国FOMC公表2024年見通し:実質GDP2.5%、コアPCE2.8%】
実質GDP(=名目GDP-物価変動):前回2.8%、予想2.8%、結果3.1%(◎)
個人消費:前回3.5%、予想3.5%、結果3.7%(◎)
GDPデフレータ(=名目GDP/実質GDP):前回1.9%、予想1.9%、結果1.9%(○)
PCEコアデフレータ(FRB目標2.0%):前回2.1%、予想2.1%、結果2.2%(○)
【考察】
発表前:植田日銀総裁ハト派発言の影響でドル円上昇継続。直前156.81。
発表後:強い数値。ドル円上昇継続。
24:00 経済指標
米国景気先行指数
前月比:前回-0.4%(改定-)、予想-0.1%、結果0.3%(◎)
24:00 経済指標
米国中古住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として米国新築住宅販売件数とともに重要。
件数:前回396万件(改定)、予想407万件、結果415万件(◎)
前月比:前回3.4%(改定-)、予想3.3%、結果4.8%(◎)
【考察】強い数値。ドル円上昇継続。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値154.78
取引開始後に日足安値を154.44を付けると、日銀金融政策決定会合公表前の手控えから乱高下。
日銀金融政策決定会合公表の政策維持・声明ハト派内容を受けると日通し高値155.48へ上昇。その後、植田日銀総裁ハト派発言を受けて、会見終了後には日通し高値156.78へ急上昇。
【日本市況】円が5カ月ぶり安値、利上げ期待後退で一時156円台後半(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後も植田日銀総裁ハト派発言の影響で上昇継続し、更に相次ぐ米国経済指標(強)を受けて日足高値157.81を付けて引けました。
日足終値157.43
【米国市況】円売り加速、一時対ドル158円接近-FOMCと日銀通過(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売買交錯>
買い材料:
・米国実質GDP確報値(強)
・米国新規失業保険申請件数、米国失業保険継続申請件数(強)
・米国景気先行指数(強)
・米国中古住宅販売件数(強)
売り材料:
・米国フィラデルフィア連銀景況指数(弱)
<円売り優勢>
買い材料:
・
売り材料:
・日銀金融政策決定会合公表:政策据え置き
・植田日銀総裁のハト派発言
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回1月29日(水)公表:据え置き(92.7→91.4%)、0.25%引き下げ(7.2→8.6%)
2025年内利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
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