ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. 経済指標・要人発言
本日の最大の注目材料は「米国ペロシ下院議長の台湾訪問」。8/1は該報道後に「米中関係悪化の地政学リスク→リスクオフ円買い→ドル円下落」が生じました。
中国政府は、ペロシ下院議長の台湾訪問が実施されれば軍事行動を含めた強力な対抗措置を取ると明言しています。
よって、以下が想定されます。
①ペロシ下院議長の台湾訪問が実施→中国の強力な対抗措置懸念→強いリスクオフ円買い→ドル円急落
②中国に配慮しペロシ下院議長の台湾訪問が急遽取りやめ→リスクオフ後退→円売り→ドル円上昇
現状は①の可能性が高いですが、急な報道に注意したい。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(16:00~25:00)
21:35 米国第2四半期決算(Bloomberg)
キャタピラー
売上:予想143.5億ドル、結果142億ドル(✕)
EPS:予想3.01ドル、結果3.18ドル(◎)
NYマーケット(22:30~29:00)
22:52 要人発言(Bloomberg)
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「インフレは高過ぎる」「インフレ対策は終了からほど遠い」「物価安定に断固とした姿勢で取り組む」「住宅市場、ガソリン価格の下落は非常に良い兆し」「雇用とCPIデータで利上げペースを判断」
【考察】タカ派発言
23:00 経済指標(Bloomberg)
米国JOLT求人労働異動調査6月度:前回1125.4万件、予想1100.0万件、結果1069.8万件(✕)
23:05 要人発言
米国バイデン大統領
「ガソリン価格は6月中旬から83セント下落」
23:44 報道
米国ペロシ下院議長の台湾到着
【考察】懸念されていた中国の強力な対抗措置なく無事に台湾到着したことでリスクオフ後退。但し、別途、台湾や米国に対して中国から対抗となる制裁が発動されると予想されるためリスクオフ高まる懸念は当面続くと予想されます。
23:55 要人発言
中国、米国ペロシ下院議長の台湾訪問は一つの中国の原則に反する。
【考察】想定通りの反応で米中関係悪化懸念のリスクオフ材料。発言のみのため影響薄。
24:02 要人発言(Bloomberg)
米国ペロシ下院議長
「米国は一方的な現状変更の取り組みに反対」
【考察】米中関係悪化懸念のリスクオフ材料
24:05 要人発言
中国人民解放軍、8/4~8/7まで台湾周辺で軍事訓練実施予定
【考察】米国ペロシ下院議長、台湾訪問への対抗措置。しかし、軍事訓練に留まるためリスクオフ材料としては弱い。
25:02 要人発言(Reuters)
米国エバンス・シカゴ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「9月FOMCでの0.50%利上げは妥当だが0.75%でも良い」
「現在のインフレ率は経済にとって不健康」
「年内、3.25-3.5%のFF金利目標に到達は合理的」
【考察】タカ派発言であるものの、過度の利上げには慎重姿勢
25:50 要人発言(Reuters)
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「リセッションに陥っているとは思わない」
「米国の労働市場は健全」
「インフレピークには達していない」
「インフレ低下の証拠が継続的に必要」
「物価を冷やしてインフレ抑制が必須」
29:18 米国第2四半期決算
AMD
売上:予想65.3億ドル、結果65.5億ドル(◎)
EPS:予想1.03ドル、結果1.05ドル(◎)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- USD(基軸通貨):米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、米国エバンス・シカゴ連銀総裁と米国メスター・クリーブランド連銀総裁のタカ派発言で買い。
- CAD(資源国リスクオン通貨):
- GBP(リスクオン通貨):
- CHF(リスクオフ通貨):
- EUR(リスクオン通貨):
- JPY(リスクオフ通貨):米国ペロシ下院議長の台湾訪問のリスクオフで買い、大きな問題なく台湾到着したことでリスクオフ後退し売り。
- NZD(資源国リスクオン通貨):
- AUD(資源国リスクオン通貨):RBA理事会はで予想通りに政策金利引き上げ決定だったものの、声明がハト派的と判断され売り。
米国債イールドカーブ
8/2(火)は8/1(月)に対して、ベア(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差拡大)。2年と10年利回りの逆イールド継続ですが、徐々に解消に向かって推移しつつあり。
*債券ベア:「安全資産債券売り→債券利回り上昇」、「安全資産債券売り→リスク資産買い(株式等)」、景気良好
・ドルインデックス:日足大陽線。チャネル上限かつレジスタンス106.386に一気に到達しており、8/3は一旦、反発下落の可能性あり。
・米国債2年利回り:日足大陽線。レジスタンス3.05%に一気に到達しており、8/3は一旦、反発下落の可能性あり。
・米国債10年利回り:日足大陽線。レジスタンス2.748%に一気に到達しており、8/3は一旦、反発下落の可能性あり。
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク終了し、+2σ~+1σ間を推移。
- 週足:20MAに向けて下落中。
- 日足:8/1大陰線。ボリンジャーバンド-2σエクスパンションし下降トレンド。
- 4H足:ボリンジャーバンド-2σ~-1σ間を推移の下降トレンド。
- 1H足:ボリンジャーバンド-2σ~-1σ間を推移の下降トレンド。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足戻り高値132.598上抜け→レジサポ→目標1H足レジスタンス133.220。
②ショート
(B)トレンドラインや1H足20MA付近まで上昇→反発→日足ヒゲ先131.509下抜け→レジサポ→目標ラウンドナンバー131.000。
【考察】前提:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上
9:15 131.509下抜け→レジサポなく131.000到達→(B)ショート見送り
27:00 132.598上抜け→レジサポ→NYマーケットクローズが近いため(A)ロング見送り
8月通算:1勝0敗
8月獲得pips:+28.8
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