2022年9月8日(木)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. 経済指標・要人発言
9/7は米国金融当局者発言や米国経済指標よりも、原油先物WTI由来でドル円が動いたようにも見えたことから本日もWTIに注目します。

また、本日の最大の注目材料は米国パウエルFRB議長発言(9月FOMC前のブラックアウト期間直前)です。タカ派発言には変わりがないと考えますが、金融引き締めの強弱に関する発言を確認した。

一方、日本からは相変わらずの口先介入が続いていますが、押し目を提供しているだけになっていますので、引き続き押し目買いを考えたい。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 経済指標
日本GDP2次速報値 第2四半期
前期比:前回0.5%、予想0.7%、結果0.9%(◎)
前期比年率:前回2.2%、予想2.9%、結果3.5%(◎)
GDPデフレータ前年比:前回-0.4%、予想-0.4%、結果-0.3%(◎)

8:50 経済指標
日本国際収支7月度
経常収支:前回-1324億円、予想7960億円、結果2290億円(✕)
経常収支(季調済):前回8383億円、予想199億円、結果-6290億円(✕)
貿易収支:前回-11140億円、予想-11374億円、結果-12122億円(✕)

【考察】貿易収支が弱数値→円売り材料

東京マーケット(9:00~15:00)

12:22 要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「インフレを抑制するため景気を減速させる必要がある」

【考察】タカ派発言ですが、この程度の内容は織り込み済でドル買い材料になりにためか、ドル円への影響なし。

14:50 報道
財務省・日銀・金融庁会合開催予定(16:45~)

【考察】前回6/10以来の三者会合。強い円安牽制発言を警戒してか、「ドル売り・円買い→ドル円下落」

欧州マーケット(16:00~25:00)

16:38 要人発言
木原官房長官
「急速で一方的な動きが継続する場合には必要な対応を取る」
「ファンダメンタルズに沿った安定推移が重要」

【考察】円安牽制発言ですが、三者会合後の会見待ちのためかドル円動きなし。

17:25 要人発言(Bloomberg)
神田財務官
「急速な円安進行受けて三者会合を開催」
「過度な変動はファンダメンタルズだけでは正当化できない」
「過度な変動、継続すればあらゆる措置排除せず必要な対応とる」

【考察】円安牽制発言で「円買い→ドル円下落」。しかしながら、円安を止めるような明確な方針が打ち出されないことで、直ぐに「円売り→ドル円上昇」へ転換。やはり実効性のない口先介入だけと見透かされているようです。

21:15 経済指標(Bloomberg)
ECB政策金利9月度
前回0.50%、予想1.25%、結果1.25%(○)

21:24 要人発言
ECB声明
「今後数回の会合で追加利上げ見込み」
「2024年までのインフレ率予想は上方修正、2023年成長率予想は下方修正」

【考察】ECB・FRBと日銀との金融政策差が改めて明確になり、「ユーロ買い、ドル買い、円売り→ドル円下落」

21:30 経済指標(Bloomberg)
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回23.2万件(改定22.8)、予想24.0万件、結果22.2万件(◎)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回143.8万件(改定143.7)、予想143.5万件、結果147.3万件(✕)

【考察】 米国失業保険申請件数の強い数値に反応し「ドル買い→ドル円急騰」。米国失業保険継続申請件数の弱い数値の影響が見られなかったことから、悪材料はスルーされ、好材料が意識される地合いのよう。

22:09 要人発言(Bloomberg)
米国パウエルFRB議長
「Covid-19拡大がこれほどまでに高いインフレを引き起こした」
「Covid-19拡大が供給抑制の一因」
「インフレ低下するまで利上げ継続する」
「早急な緩和のリスクを歴史が警告」
「インフレを抑えることに強くコミット」
「インフレ期待が固定されたままであることが非常に重要」
「労働力は依然として極めて強い」
「財政政策は持続可能な軌道に回帰する必要がある」

【考察】 予想通りのタカ派発言。「米国債利回り上昇→ドル買い・円売り→ドル円上昇」
しかし、サプライズないためか4Hレンジ144.300付近を超える材料にはならず、「米国債利回り急落→ドル売り・円買い→ドル円下落」

21:48 要人発言(Reuters)
ECBラガルド総裁
「今後数回の会合で追加利上げ見込み」
「ユーロ下落がインフレ圧力を増長」
「高インフレは弱いユーロも原因」
「成長へのリスクは下振れ見込み」
「インフレ見通しは主に上振れ見込み」
「ガス供給停止が経済減速を強めている」
「利上げ決定は全会一致」
「次回利上げは75bpである必要はない」

【考察】タカ派発言からスタートしたものの、途中からのハト派発言がサプライズ「ユーロ売り、ドル売り、円買い→ドル円上昇」へ転換。

NYマーケット(22:30~29:00)

24:00 経済指標
米国週間石油在庫統計
「在庫増→需要低迷・供給過多→原油・ガソリン売り材料→ドル売り材料」、「在庫減→需要増・供給不足→原油・ガソリン買い材料→ドル買い材料」
原油在庫:前回-328.2万バレル、予想-665.9万バレル、結果884.5万バレル(◎)
ガソリン在庫:前回-117.2万バレル、予想-184.0万バレル、結果33.3万バレル(◎)

24:44 要人発言
米国ブラード・セントルイス連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「FRB目標はインフレ率2%」

【考察】タカ派発言

25:16 要人発言(Reuters)
米国エバンズ・シカゴ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「インフレは非常に高く労働市場は強い」
「景気後退を避けられる見込み」
「2022年GDP成長率は0.5%程度の見込み」
「世界的な景気減速を懸念」
「目標インフレ2%達成が最優先」
「9月FOMC会合で0.75%利上げの可能性が高い」

【考察】タカ派発言

28:00 経済指標
米国消費者信頼残高7月度
クレジットカードやローンに関する消費者負債の増減を示す指標。個人消費や消費者信頼感指数とも相関性あるものの変動が大きい。
前回401.5億ドル、予想330.0億ドル、結果238.1億ドル(✕)

(Trading View)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. CHF(リスクオフ通貨):スイス・ジョーダン中銀総裁のタカ派発言で買い。
  2. CAD(資源国リスクオン通貨):原油先物WTI価格上昇で買い。カナダ・ロジャース中銀副総裁のタカ派発言で買い。
  3. USD(基軸通貨):米国新規失業保険申請件数の強い数値で買い。米国パウエルFRB議長のタカ派発言で買い。
  4. EUR(リスクオン通貨):ECB理事会利上げ決定・ECBタカ派声明で買い。ECBラガルド総裁のタカ派・ハト派発言で買い売り交錯。
  5. JPY(リスクオフ通貨):財務省・日銀・金融庁会合の円安牽制で買い。
  6. AUD(資源国リスクオン通貨):
  7. GBP(リスクオン通貨):
  8. NZD(資源国リスクオン通貨):

米国債イールドカーブ

9/8(木)は9/7(水)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差拡大)。2年と10年利回りの逆イールド継続。

・ドルインデックス:日足十字線。上昇トレンド継続。
・米国債2年利回り:日足大陽線。上昇トレンド継続。
・米国債10年利回り:日足陽線。上昇トレンド継続。

米国金融当局者のタカ派発言が相次いでもドル買いが進まなくなってきています。つまり、ドル円上昇の原動力は円安次第と考えます。

(Trading View)

テクニカル分析

ドル円トレード

  • 月足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。
  • 週足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。
  • 日足:9/6上長ヒゲ陽線。上昇トレンドですが調整の下落が生じる可能性あり。
  • 4H足:ボリンジャーバンド+1σで反発。上昇トレンド継続。
  • 1H足:下降トレンドに転換。ボリンジャーバンドスクイーズ。
  • 15M足:下降トレンド。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス144.135上抜け→レジサポ→目標4H足レジスタンス144.837

②ショート
(B)1H足サポート143.588下抜け→レジサポ→目標4H足サポート142.770

【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー

トレード1
・144.135上抜け→レジサポ→(A)ロング→S/L 到達→(A)ロング失敗

ロング:144.237
目標利益:(144.837-144.237)×100=60.0 pips
S/L :144.237-0.30=143.937
目標RR:60.0/30=2.00
実S/L:143.936
実RR:1.99
獲得pips:-30.1
考察:レンジ推移の中、節目になりやすい144.500付近の抵抗を最初のT/Pとして考えるべきでした。

トレード2
・144.135上抜け→レジサポ→(A)ロング→S/L 到達→(A)ロング失敗

ロング:144.268
目標利益:(144.837-144.268)×100=56.9 pips
S/L :56.9-0.25=144.018
目標RR:56.9/25=2.28
実S/L:144.018
実RR:2.28
獲得pips:-25.0
考察:米国パウエルFRB議長のタカ派発言で145円に向かって上昇の可能性が高いと考えましたが、織り込み済だったためか失速。よって円売りが進まないとドル円上昇にならない環境であったことから円の動きにより注目すべきでした。

9月通算:3勝2敗1分
9月獲得pips:+93.3

(Trading View)

コメント

タイトルとURLをコピーしました