ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. 経済指標・要人発言
9/28の最大の注目材料は英国政府・中銀政策。その他の日米材料は影響が小さい地合いでした。
「英国債崩壊を防ぐために英中銀が国債を無制限の緊急買い入れ発表→世界的な国債のパニック買い→リスク資産(株先物、株、金、原油先物、暗号通貨など)買いに波及」
本日の注目材料は、米国経済指標(特に米国実質GDP確報値)とFRB当局者発言、政府・日銀為替介入。しかし、英国政府・中銀政策の影響を市場が織り込むまでは不安定な地合いが続く可能性があると考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(16:00~25:00)
17:28 要人発言(Bloomberg)
OPECプラス
「来週の会合で減産を議論予定」
【考察】原油先物WTI上昇→ドル買い・円売り→ドル円上昇
17:52 要人発言(Bloomberg)
岸田首相
「明日の閣議で、総合経済対策(物価高・円安、構造的賃上げ、成長投資)を指示」
【考察】 バラマキなら事実上の金融緩和で円売り材料。
18:28 報道(Reuters)
中国人民銀、元安阻止へ介入準備指示
【考察】 ドル売り元買い規模が大きいとの観測で、ドル円下落材料。しかし、まだ実施されていないためドル円反応薄。
中国は世界第1位のドル準備保有国であることから、口先介入に留まってもドル円上値が更に重くなる可能性あり。介入が実施されれば強いドル売りでドル円急落か。
20:54 報道(日本経済新聞)
北朝鮮、日本海に弾道ミサイル2発発射
【考察】 地政学リスクオフ円買い材料ですが、連日のミサイル発射でサプライズないためかドル円上昇継続。
20:56 要人発言(Bloomberg)
鈴木財務相
「為替は市場で決定され、安定が重要」
「為替、必要があれば必要な措置をとる」
「投機筋の動きは是正することが重要」
「為替の急激で一方的な変動は望ましくない」
【考察】 円安牽制発言ですが、サプライズないためかドル円上昇継続。
21:05 要人発言(Bloomberg)
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「BOEは困難な状況に直面」
「インフレを鎮静化させるために利上げ継続する」
「中立金利の私見はドット・プロットよりも高い」
「金利はまだ抑制的な領域に入っていない」
「より強いドルはインフレ面で助けになる」
【考察】 タカ派発言でドル円上昇継続。
21:30 経済指標(Bloomberg)
米国実質GDP確報値第2四半期
速報値に比べて注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
実質GDP:前回-0.6%、予想-0.6%、結果-0.6%(○)
個人消費:前回1.5%、予想1.5%、結果2.0%(◎)
GDPデフレータ:前回8.9%、予想8.9%、結果9.0%(◎)
PCEコアデフレータ:前回4.4%、予想4.4%、結果4.7%(◎)
21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回21.3万件(改定20.8)、予想21.5万件、結果21.3万件(○)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回137.9万件(改定137.6)、予想138.8万件、結果134.7万件(◎)
【考察】 総じて強い数値。ドル買い・円売りでドル円急騰しても良さそうですが、政府・日銀の為替介入が警戒されているためかドル円動き小。
21:37 報道(NHK)
LNG調達でマレーシア国営企業と覚書
【考察】 エネルギー価格安定に寄与→貿易収支悪化抑制→円買い材料ですが、ドル円反応薄。
NYマーケット(22:30~29:00)
22:37 要人発言(Bloomberg)
米国ブラード・セントルイス連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「市場は最新のドット・プロットのメッセージを理解」
「迅速な利上げによりインフレ抑制を期待」
「労働市場は非常に強い」
「ドットプロットは今年の追加利上げを示唆」
「FRBは世界経済に注意を払っているが焦点は米国」
「インフレ抑制レベルに金利引き上げを決意」
「バランスシート縮小の影響評価は時間が必要」
【考察】タカ派発言ですが、月末リバランス等も含めて材料交錯しているためかドル円反応薄。
24:00 月末ロンドンフィックス
25:53 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「11月FOMC利上げの決定はデータ次第」
「景気後退は予測できないが、雇用市場は依然として不均衡」
「ハリケーン・イアンはFRB政策に影響しない」
「景気後退で利上げを止めない」
【考察】欧州マーケットクローズし、欧州の月末リバランスの影響がなくなったためか、タカ派発言で、「米国債利回り上昇→ドル買い・円売り→ドル円上昇」
29:46 要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「複数のリスクがソフトランディングを阻害している」
「追加利上げが必要」
「深刻な景気後退が生じるか分からない」
「インフレ抑制には経済活動と労働市場の低下が必要」
【考察】タカ派発言。
東京マーケットはドル買い・円売りでドル円上昇の比較的分かりやすい展開でしたが、欧米マーケットに入ってからはドル売り・円買い円売り交錯でドル円が右往左往する展開でした。
欧米マーケット最大の注目材料は、英国政府・中銀政策であることに加え、月末リバランスも絡んで個々の材料に対して素直なドル・円の売買が分かりにくい地合いでした。
気になるのは、中国人民銀、元安阻止へ介入準備の報道。中国は世界第1位のドル準備保有国であることから、口先介入でもドル円上値を抑え、介入が実施されれば強いドル売りで一時的にドル円急落の可能性がありそう。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- GBP(リスクオン通貨):ウクライナ情勢悪化の地政学リスクで売り。月末リバランスで買い。
- EUR(リスクオン通貨):ウクライナ情勢悪化の地政学リスクで売り。ECB当局者のタカ派発言で買い。月末リバランスで買い。
- USD(基軸通貨):FBR当局者のタカ派発言で買い。
- CHF(リスクオフ通貨):
- NZD(資源国リスクオン通貨):
- JPY(リスクオフ通貨):政府・日銀の為替介入警戒で買い。金融緩和継続で売り。
- AUD(資源国リスクオン通貨):
- CAD(資源国リスクオン通貨):
米国債イールドカーブ
9/29(木)は9/28(水)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差拡大)。
ベアでしたが金利差拡大のためかドル売り優勢。
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。一旦の上限は147.222付近と推測。
- 週足:ボリンジャーバンド+2σバンドウォーク終了。上昇トレンド継続。
- 日足:9/28陰線。レンジ上限で宵の明星形成。下落優勢か。
- 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
- 1H足:ボリンジャーバンド-2σバンドウォーク。
- 15M足:下降チャネル。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス144.221上抜け→レジサポ→目標1H足レジスタンス144.575
②ショート
(B)1H足サポート143.825下抜け→レジサポ→目標1H足サポート143.348
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー
トレード1
一気に1H足戻高値144.211上抜けて20MA到達
→1H足レベルでの戻しが生じやすい為、様子見
→1H足ダウ転換形成
→上昇継続の可能性あり。
→15M足20MAで下ヒゲピンバー反発
→上昇継続の可能性高いと判断(実際には15M足20MAで下ヒゲピンバーの時点では15M足下降ダウ形成中のため、15M足転換後のロングが好ましかった。)
→(A)ロング
→目標T/P到達で(A)ロング成立
ロング:144.285
T/P :144.587
獲得pips:+30.2
9月通算:8勝8敗1分、勝率50.0%、平均RR2.12
9月獲得pips:+127.9
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