ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)10/25の欧米マーケット影響
欧州オープン前から「米国債利回り上昇→ドル買い」、「株先物・株価指数上昇→リスクオン円売り」が重なるも149.95付近で揉み合っていたが、「米国築住宅販売件数の強い数値→ドル買い」、「ウクライナ・中東情勢悪化→原油供給不安再燃→原油先物価格上昇→ドル買い・円売り」、「米国5年債入札不調→ドル買い」、「米国債利回り上昇→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い・ドル買い→ドル買い強」「米国下院議長選出→ドル買い」、で150円台に乗り日足高値150.32。
日足終値150.22。
(2)経済指標
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国実質GDP速報値
・米国卸売在庫速報値
・米国耐久財受注速報値
・米国中古住宅販売成約指数
・米国7年債入札
・ECB理事会
(3)要人発言
・政府日銀の円安牽制
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):ブラックアウト期間(10/21~11/2)のため、いつもの様に発言や記事に要注意。
(4)その他
・中東情勢の地政学リスクオフ
・米国主要企業決算
本日の注目材料は、前日に150円台乗せたことで政府日銀の円安牽制や為替介入への警戒が高まる。
また、注目度の高い米国経済指標が相次ぎ、ECB理事会も実施される。
中東情勢の緊張も高まっていることから材料の多い日となる。
150.00下値が固いと判れば上昇継続の可能性高い。
<材料とドル・円方向性>
①「中東情勢悪化→安全資産の米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」
②-1「中東情勢悪化→原油先物価格上昇→インフレ懸念→米国債利回り上昇→ドル買い」
②-2「中東情勢悪化→原油先物価格上昇→インフレ懸念→日本貿易収支悪化懸念→円売り」
③-1「中東情勢悪化→地政学リスクオフ円買い」
③-2「中東情勢悪化→景気悪化懸念→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」
④「中東情勢悪化→有事のゴールド買い→ドル売り」
⑤「政府日銀の円安牽制警戒、日銀政策修正観測→ドル売り・円買い」
⑥-1「米国経済指標の強い数値→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑥-2「米国経済指標の弱い数値→米国債利回り低下→ドル売り」
⑦-1「FRB要人のタカ派発言→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑦-2「FRB要人のハト派発言→米国債利回り低下→ドル買い」
⑧-1「米国財政赤字拡大→米国債供給量増加→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑧-2「米国財政赤字拡大→米国経済悪化懸念→ドル売り」
⑨-1「米国10年債利回り5%突破→ポートフォリオへの組み入れ需要増→米国債価格上昇→米国債利回り低下→ドル売り」
⑨-2「米国10年債利回り5%突破→ポートフォリオへの組み入れ需要増→米国外投資家のドル需要増→ドル買い」
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:47~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:9/1, 9/8, 9/22, 9/26, 9/28, 9/29, 10/2, 10/3, 10/4, 10/6, 10/10, 10/13, 10/20, 10/26)
為替動向を緊張感持って見ていく、年初来の安値更新で-鈴木財務相(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言だが表現弱い→ドル円下落し150.04へ付けるも直ぐに全戻し。
東京マーケット(9:00~15:00)
11:30~要人発言
為替の過度な変動望ましくない、年初来の安値更新-官房副長官(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言だが表現弱い→ドル円上昇継続
14:11 要人発言
【イスラエル】ハマス幹部を殺害、一時的にガザへ地上侵攻(Bloomberg)
【考察】前日の地上侵攻延期合意に反する発言→地政学リスクオフ
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:15 経済指標
ECB政策金利(過去の速報発表日:6/15, 7/27, 9/14, 10/26)
前回4.50%、予想4.50%、結果4.50%(○)
21:15~要人発言
ECB声明
【考察】タカ派発言
21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回19.8万件(改定20.0)、予想20.7万件、結果21.0万件(×)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回173.4万件(改定172.7)、予想173.7万件、結果179.0万件(×)
21:30 経済指標
米国実質GDP速報値(過去の発表日:10/27, 11/30, 12/22, 1/26, 2/23, 3/30, 4/27, 5/25, 6/29, 7/27, 8/30, 9/28, 10/26)
速報値は改定値や確報値に比べて注目度高いが、改定値や確報値でもドル円が大きく動くことあり。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
実質GDP:前回2.1%、予想4.3%、結果4.9%(◎)
個人消費:前回0.8%、予想4.0%、結果4.0%(○)
GDPデフレータ:前回1.7%、予想2.6%、結果3.5%(◎)
PCEコアデフレータ:前回3.7%、予想2.6%、結果2.4%(×)
21:30 経済指標
米国卸売在庫速報値
前月比:前回-0.2%(改定-)、予想0.2%、結果0.0%(△)
【考察】実質GDPはサプライズの強い数値。一方で同刻発表指標は強弱入り交じる数値。市場はPCEコアデフレータと米国失業保険申請件数・失業保険継続申請件数の弱い数値を材料視した様子となり、「米国債利回り低下→ドル売り」、「米国債利回り低下→株先物・株価指数上昇→リスクオン円売り」が交錯するも、ドル売り強くドル円下落。
21:51~要人発言
ラガルドECB総裁
【考察】タカ派発言
21:30 経済指標
米国耐久財受注速報値:設備投資の先行指標
前月比:前回0.1%(改定)、予想1.9%、結果4.7%(◎)
コア前月比:前回0.4%(改定)、予想0.2%、結果0.5%(◎)
23:00 経済指標
米国中古住宅販売成約指数
売買契約が結ばれているものの、最終引渡しが行われていない物件の指数。引き渡しが済んだ中古住宅販売件数の先行指標として注目される。
前月比:前回-7.1%(改定)、予想-1.5%、結果1.1%(◎)
前年比:前回-18.8%(改定-)、予想-%、結果-13.1%(◎)
【考察】強い数値→ドル円上昇。前日の米国新築住宅販売件数の強い数値でもドル円上昇しており、住宅関連指標の注目度は高い。
24:01 報道
ハマス、ガザ脱出検討
【考察】噂レベルで真偽不明だが、事実となれば地政学リスクオフ後退。
26:00 経済指標
米国7年債入札(Upcoming Auctions)
「入札好調→利回り低下→ドル売り材料」、「入札不調→利回り上昇→ドル買い材料」
最高落札利回り:前回4.673%、結果4.908%(◎)
応札倍率:前回2.47倍、結果2.70倍(◎)
【考察】入札好調→ドル円下落
29:02 米国主要企業決算
アマゾン
売上高:前回1344億ドル、予想1414.1億ドル、結果1430.8億ドル(◎)
EPS:前回0.65ドル、予想0.58ドル、結果0.94ドル(◎)
アマゾン売上高と利益、市場予想上回る-小売り部門や経費抑制寄与(Bloomberg)
29:13 米国主要企業決算
インテル
売上高:予想135.4億ドル、結果142億ドル(◎)
EPS:予想0.21ドル、結果0.41ドル(◎)
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.22。
マーケットオープン直前の「鈴木財務相による円安牽制発言」で東京安値150.04へ下押しするも、「米国債利回り上昇→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」、「米国債利回り上昇→日本国債利回り上昇へ波及→日銀政策修正観測→円買い」、「米国債利回り上昇→ドル買い」交錯するも、総じてドル買い強く東京高値150.50を付けた。
きょうの国内市況(10月26日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直前に「米国債利回り上昇→ドル買い」を背景に日足高値150.78を付けた直後、「政府・日銀の為替介入警戒感の高まり→ロング勢の決済」が入ったためか日足安値149.89へ急落。
しかし、日米金融政策差を背景とするドル買いは強く150.62へ急騰。
注目の実質GDPはサプライズの強い数値。一方で同刻発表指標は強弱入り交じる数値。市場はPCEコアデフレータと米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数の弱い数値を材料視した様子となり、「米国債利回り低下→ドル売り」、「米国債利回り低下→株先物・株価指数上昇→リスクオン円売り」が交錯するも、ドル売り強くドル円下落。その後、米国中古住宅販売成約指数でドル円上昇、米国7年債入札好調でドル円下落。
「中東情勢動向の急速な悪化なし→原油供給不安後退→前日の原油先物価格上昇が全戻し→巻き戻しドル売り・円買い」もドル円下落に寄与。
総じて欧州オープン直前の急騰急落を受けて揉み合い展開。
日足終値150.40。
【米国市況】S&P500が5月以来の安値、ハイテク安い-150円台前半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
10/26(木)は10/25(水)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド拡大。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool)
11月公表:25bps引き下げ0.7%、据え置き99.3%、25bps引き上げ0.0%
テクニカル分析
トレード
- 月足:10月陽線形成中。レンジ内の上昇トレンドでレンジ実体上限到達。ボリンジャーバンド(BB)スクーズしつつあり。
- 週足:10/23週、陽線形成中。上昇トレンド。
- 日足:10/23陽線。BBスクイーズ。
- 4H足:上昇チャネル。BBスクイーズ。
- 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
- 15M足:レンジ。BBスクイーズ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート150.047付近まで下落→ダウ転換上昇→目標日足レジスタンス150.214
②ショート
(B) (A)後、1H足サポート150.047かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足サポート149.900
10月通算:8勝6敗、勝率57.1%、獲得Pips +109.5
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