ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
(1)11/30欧米マーケットの影響:パウエルFRB議長講演でタカ派的な姿勢を打ち出すとの観測があったなかでハト派寄りの発言があったことでドル円急落。更にベージュブックもハト派寄り内容だったことで下落継続。12/1のスタートはこの影響を引き継いでドル円下落優勢と想定。
(2)米国経済指標(⑥):特に、米国PCEデフレータ、米国ISM製造業景気指数(直近のドル円動き8/1、9/1、10/3、11/1)
(3)米国FRB要人発言(②):11/30のパウエルFRB議長のハト派寄り発言が続けばドル円下落の可能性あり。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 月初仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
10:32 要人発言(日本銀行)
野口日銀審議委員
「金融緩和を維持し低金利を維持すべき。2% のインフレ目標を達成できるかどうかは不透明なまま」
「為替レートはファンダメンタルズに反応して安定して動くことが望ましい」
極端に急激な為替変動はデメリットを生むので、為替変動の影響と日本の経済と価格への影響に注意する必要があります。
「中央銀行の金融引き締めが世界の成長を阻害するリスクがある」
「日本のインフ上昇は主に輸入品価格の上昇によるもの」
【考察】金融緩和継続のハト派発言でドル円上昇。
16:01 要人発言
中国当局(Bloomberg)
「新型コロナ感染者と濃厚接触者の自宅隔離を条件付きで容認」
【考察】中国ゼロコロナ政策緩和によるリスクオンドル売りでドル円下落
欧州マーケット(17:00~25:30)
21:30 経済指標
米国チャレンジャー人員削減11月度
米国雇用統計の2日前に発表。「前回より高い数値→ドル売り材料」、「前回より低い数値→ドル買い材料」
前年比:前回48.3%(改定)、予想-、結果416.5%(×)
【考察】労働市場の低迷を示唆してドル円下落継続。
22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数(Bloomberg)
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回24.0万件(改定)、予想23.5万件、結果22.5万件(◎)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回155.1万件(改定)、予想157.3万件、結果160.8万件(×)
22:30 経済指標
米国個人所得10月度:前回0.4%(改定)、予想0.4%、結果0.7%(◎)
米国個人支出10月度:前回0.6%(改定)、予想0.7%、結果0.8%(◎)
22:30 経済指標
米国PCEデフレータ10月度(Bloomberg)
前年比:前回6.2%(改定6.3)、予想6.0%、結果6.0%(○)
前月比:前回0.3%、予想0.5%、結果0.3%(△)
コア前月比:前回0.5%(改定)、予想0.4%、結果0.2%(×)
コア前年比:前回5.1%(改定5.2)、予想5.0%、結果5.0%(○)
【考察】強弱入り交じる数値で方向感なし。
NYマーケット(23:30~30:00)
23:35 要人発言
米国ボウマンFRB理事(2022年FOMC投票権あり)(Bloomberg)
「利上げペース減速は適切」
「インフレ抑制のため、当面、制限的なままになる」
「利上げ規模とペースに関する私の見解は今後のデータ次第」
「インフレはわずかに鈍化、依然として許容できないほど高い」
「ターミナルレートは9月予想よりも小幅に高い水準」
「労働市場は堅調」
【考察】タカ派・ハト派発言。しかし、前日のパウエル議長発言同様、ハト派寄りが材料視されドル円下落。
23:45 経済指標
米国PMI確報値11月度:基準50。景気先行性高いため注目度高い。更に確報値は速報値より注目度低い。
製造業:前回47.6、予想47.6、結果47.7(◎)
24:00 経済指標
米国建設支出10月度
前月比:前回0.2%(改定0.1)、予想-0.1%、結果-0.3%(×)
24:00 経済指標
米国ISM製造業景気指数11月度(Bloomberg)
景気の先行指標として注目度大。
基準50、前回50.2、予想49.7、結果49.0(×)
【考察】
発表前:15M足下降チャネル形成。
発表後:前回かつ予想より弱い数値でドル売り材料。初動ドル円下落。しかし直下の月足抵抗135.57到達のため、一時的戻されて下降チャネルで下落継続。
27:34 要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)(Reuters)
「インフレは依然として高すぎる」
「インフレ緩和の兆しが見られる」
「インフレ2%達成には2、3年かかる見込み」
「利上げはデータ次第」
【考察】タカ派・ハト派発言。現状、ハト派寄りの発言が材料視されておりドル円下落継続。
29:41 要人発言
米国バーFRB副議長(2022年FOMC投票権あり)
「12月会合では、利上げのペースを遅くする可能性がある」
「利上げのペースを調整するのは賢明」
「50ベーシスポイント利上げとペース減速は理にかなう」
【考察】タカ派・ハト派発言。しかし、やはりハト派寄りの発言でドル円下落継続。
東京マーケット:11/30パウエルFRB議長のハト派寄り発言の影響継続でドル円下落。
欧米マーケット:FRB要人のハト派寄り発言や米国ISM製造業景気指数の弱い数値でドル円下落。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- JPY(リスクオフ通貨):米国利上げ後退で買い。
- GBP(リスクオン通貨):英国製造業PMI確報値の強い数値で買い。
- NZD(資源国リスクオン通貨):
- EUR(リスクオン通貨):独・欧製造業PMI確報値、欧雇用統計の強い数値で買い。
- CHF(リスクオフ通貨):
- AUD(資源国リスクオン通貨):
- USD(基軸通貨):11/30パウエルFRB議長のハト派寄り発言の影響継続で売り。米国ボウマンFRB理事、米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、米国バーFRB副議長のハト派発言で売り。米国ISM製造業景気指数の弱い数値で売り。
- CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
米国債イールドカーブ
12/1(木)は11/30(水)に対してブル(短期金低下、長期金利低下、逆イールド拡大)。金利低下のドル売りと逆イールド拡大のドル売り材料が一致。ドルインデックスは低下の関係とも一致。
日足ドルインデックス:陰線。押し安値104.706到達し、ボリンジャーバンド-2σ付近103.935まで下落の可能性あり。
日足米国債2年利回り:陰線。三尊形成から4.275%下抜けたことで4.078%まで下落の可能性あり。
日足米国債10年利回り:陰線。押し安値3.448%まで下落の可能性あり。
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:11月大陰線で引け。
- 週足:11/28週、陰線形成中。上昇ダウ崩れずつつあり。
- 日足:11/30上長ヒゲピンバー陰線。下ヒゲが多く上昇の可能性高いか。
- 4H足:三角持ち合い下抜け。
- 1H足:三角持ち合い下抜け。
- 15M足:下降トレンド。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レジスタンス138.459上抜け→レジサポ→目標4H足レジスタンス138.918
②ショート
(B)4H足レジスタンス138.459付近まで上昇→1H足転換、レジサポ→目標4H足サポート137.522
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー
トレード1
シナリオより戻り弱く(B)ショート見送り
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