2022年4月11日(月)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
先週はロシア軍が民間人を虐殺した疑惑に対するロシア批判やロシア制裁強化が相次ぎ、停戦交渉の不透明感に変わりなし。強いサプライズの報道や要人発言なければドル円への影響は小さいと考えます。

2.円売り加速
①日本の金融緩和継続、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。円売り勢の決済で円買いが入っても一時的になると考えます。

一方、125円台は黒田日銀総裁が2015年6月に懸念を示した「黒田ライン」と呼ばれており125.000が強いレジスタンスとして意識されると考えます。円安牽制の要人発言も出てきており、一時的に急な円買いに注意が必要。

3. 米国経済指標・要人発言
先週は米国FOMC議事要旨公表(3/15~3/16開催分)はタカ派内容で、米国金融当局者のタカ派発言によってドル買い優勢でした。

4/11は米国要人発言予定されていますが、先週よりも強いタカ派発言にならなければドル買いにはなりにくいと考えます。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 124.055 (前営業日終値 124.282 から -22.70 pips ギャップダウン)

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 124.400 (始値比 +34.50 pips )
・米国債2年利回り: 2.555 (前営業日比 +0.033 % )
・米国債10年利回り: 2.727 (前営業日比 +0.021 % )
・日経平均株価: 26877.60 (前日営業日終値 26985.58 から -107.98 ギャップダウン)
・TOPIX 1892.70 (前日営業日終値 1896.79 から -4.09 ギャップダウン)
【考察】
株価指数は中国ロックダウンの影響を受けてかギャップダウンスタート。
「株価指数ギャップダウン→円買い」を受けてドル円はレジスタンス124.432で押し戻されるも、15M20MAで下ヒゲピンバー反発し、上昇継続示唆。

9:55 仲値
・ドル円: 124.602 (始値比 +54.70 pips )(東京マーケット始値比 +20.20 pips )
【考察】
仲値に向けてドル円上昇しレジスタンス124.432上抜け。仲値通過後も「米国債利回り上昇→ドル買い」「円売り」でドル円上昇止まらず。

10:04 要人発言
黒田日銀総裁
「コロナの影響を注視し、必要なら躊躇なく追加緩和」

【考察】
相変わらずの円安容認発言でサプライズはないものの、円売り拍車でドル円上昇

11:33 要人発言
内田日銀理事

「経済活動をしっかり支えるため、現在の緩和策を続けていく」
【考察】
相変わらずの円安容認発言でサプライズはないものの、円売り拍車でドル円上昇

11:38 要人発言
内田日銀理事
「為替相場が短期間に過度に変動すると不確実性が高まる」

為替相場の経済・物価への影響を十分に注視-内田日銀理事(Bloomberg)
【考察】
円安牽制発言もあったためかドル円上昇ストップ。

14:04 要人発言
日銀地域経済報告、景気判断は8地域が引き下げ

日銀、9地域中8地域で景気判断を下方修正-感染拡大が消費抑制(Bloomberg)
【考察】
日本経済悪化を表し円売り材料。

15:00 クローズ
・ドル円: 125.001 (始値比 94.60 pips )(東京マーケット比 60.10 pips )
・米国債2年利回り: 2.574 (始値比 +0.019 % )
・米国債10年利回り: 2.769 (始値比 +0.042 % )
・日経平均株価: 26821.3
(前営業日比 -164.28 、 -0.61 %)(東京マーケット始値比 -56.30 、 -0.21 %)
・TOPIX 1889.64
(前営業日比 -7.15 、 -0.38 %)(東京マーケット始値比 -3.06 、 -0.16 %)

15:25 要人発言
高口日銀大阪支店長
「円安は、全体としてみれば関西経済にプラス」

【考察】
円安容認発言

16:31 要人発言
日銀名古屋支店長
「輸出企業が多く、円安のプラス面が他地域より出やすい」

【考察】
円安容認発言

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 125.246 (始値比 +119.10 pips )
・米国債2年利回り: 2.574 (始値比 +0.019 % )
・米国債10年利回り: 2.763 (始値比 +0.036 % )

【考察】
ドル円125.436まで上昇後、米国債利回り低下とともにドル円も下落し15Mレベルでレンジ形成。レンジ抜けたら126.000まで到達する勢い。

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 125.576 (始値比 +152.10 pips )
・米国債2年利回り: 2.545 (始値比 -0.010 % )
・米国債10年利回り: 2.755 (始値比 +0.028 % )
・ダウ平均: 34630.27 (前営業日終値 34721.13 から -90.86 ギャップダウン)  
・S&P500: 4462.64 (前営業日終値 4488.27 から -25.63 ギャップダウン)  
・ナスダック: 13547.29 (前営業日終値 13711.01 から -163.72 ギャップダウン)

【考察】
ドル円は月足ヒゲ先125.856手前の125.772到達後、円買いが強まり15M20MAまで下落。

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 125.517 (始値比 +146.20 pips )
・米国債2年利回り: 2.497 (始値比 -0.058 % )
・米国債10年利回り: 2.774 (始値比 +0.047 % )
【考察】
NYオープン以降、ドル円動き小。米国要人発言の材料待ちか。

25:53 要人発言
米国エバンス・シカゴ連銀総裁

「インフレピークの予想は困難」
「中立金利水準は2.25~2.5%」
「5月FOMCで0.50%利上げは検討に値する」

UPDATE 1-米50bp利上げ「検討に値する」、急速な動きは禁物=シカゴ連銀総裁(Reuters)

【考察】
4/7に引き続き、他の米国金融当局者と比べてややハト派発言。

26:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国3年債入札460億ドル:前回1.775%、予想、結果2.738%(✕)
【考察】
入札不調で3年債利回り上昇。

29:00 NYクローズ
・ドル円: 125.404 (始値比 +134.90 pips )
・米国債2年利回り: 2.504 (始値比 -0.051 % )
・米国債10年利回り: 2.772 (始値比 +0.045 % )
・ダウ平均: 34308.07
(前営業日比 -413.06 、 -1.19 %)
(NYマーケット始値比 -322.20 、 -0.93 %)
・S&P500: 4412.54
(前営業日比 -75.73 、 -1.69 %)
(NYマーケット始値比 -50.10 、 -1.12 %)
・ナスダック: 13411.97
(前営業日比 -299.03 、 -2.18 %)
(NYマーケット始値比 -135.32 、 -1.00 %)

【考察】
米国債10年利回り上昇や翌日の米国消費者物価の強い結果を警戒したためか、米国主要3指数は引け間際に急落。
「米国主要3指数下落→円買い」でややドル円も下落。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. CHF(リスクオフ通貨):前日2位
  2. EUR(リスクオン通貨):前日4位
  3. USD(基軸通貨):前日3位
  4. GBP(リスクオン通貨):前日7位
  5. NZD(資源国リスクオン通貨):前日8位
  6. CAD(資源国リスクオン通貨):前日1位
  7. AUD(資源国リスクオン通貨):前日5位
  8. JPY(リスクオフ通貨):前日6位

【考察】
要人による円安容認発言が相次ぎJPY売り加速。ウクライナ情勢の急速な悪化がなかったことでリスクオフ後退の動き。

米国債イールドカーブ

4/11(月)は4/8(金)に対して、ツイスト・スティープニング(短期金利低下、長期金利上昇、長短金利差同等)。3年と10年利回りの逆イールド解消。

*ツイスト・スティープニング:直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来は景気回復期待→将来は利上げ見込み→直近のドル売り示唆

【考察】
短期利回りの下落が続けば一時的にドル売りになりそう。

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 日足: ボリンジャーバンドスクイーズ移行中。トレンドラインかつBB+1σ上推移。
  • 4H足:上昇トレンド中にも関わらずボリンジャーバンドスクイーズしレンジ移行中。
  • 1H足: 上昇トレンド中にも関わらずボリンジャーバンドスクイーズしレンジ移行中。
  • 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H足戻り高値実体124.679上抜け→レジサポ→目標ラウンドナンバー125.000。オーバーシュートで日足ヒゲ先125.108。

②ショート
(B)4H足押し安値123.547下抜け→レジサポ→目標4H押し安値実体122.827。

ドル買い円売り材料が多いためロング優先。一方で125.000付近からは売り圧力が高まる可能性大。

【考察】
11:00 4H足戻り高値実体124.679上抜け→レジサポ→(A)ロング可。
11:15 目標ラウンドナンバー125.000到達。(A)ロング成立。
15:15 オーバーシュートでなかったものの15Mレンジ形成後しレンジ上抜け後、日足ヒゲ先125.108到達。

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