2022年3月30日(水)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
3/29実施されたウクライナとロシアの停戦交渉で双方が「一定の進展があった」との見解。また、ロシア国防省は軍事作戦を大幅に縮小すると発表し、サプライズのリスクオフ後退。
「リスクオフ後退→ドル売り→ドル円下落」になりやすい。

2.円売り加速
①日本の金融緩和継続(日銀指し値オペ通告)、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。円売り勢の決済で円買いが入っても一時的になると考えます。

一方、125円台は黒田日銀総裁が2015年6月に懸念を示した「黒田ライン」と呼ばれており125.000が強いレジスタンスとして意識されると考えます。
また、3/29は円安牽制の要人発言も出てきており、今後も一時的に急な円買いに注意が必要。

3.米国経済指標
米国ADP雇用者数と米国GDP確報値が発表予定。前回かつ予想より強い数値が出ればドル買いドル円上昇を想定します。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 122.841 (前営業日終値 122.877 からギャップダウンスタート)
直ぐに窓埋めしたことや本日は月末五十日仲値があることからドル円上昇続くと想定。

8:40 報道
日銀、国債買い入れのオファー増額発表

【考察】円売り→ドル円上昇

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 123.127
・日経平均株価: 28250.8 (前日営業日終値 28252.35 )
・TOPIX 1985.39 (前日営業日終値 1991.66 )
株価指数はギャップダウンスタート。
「日銀の国債買い入れのオファー増額発表→円売り」より「株価指数売り→円買い」が強く、更に「ウクライナ情勢悪化後退→ドル売り」でドル円急落。

9:20 要人発言
日銀

「連続指し値オペ実施とともに金融市場調整方針をしっかり実現」
【考察】円売り材料ですが、サプライズでなくドル円影響なし。

9:55 月末五十日仲値
・ドル円: 122.523
東京オープン時のドル円急落後、仲値に向かって上昇。
しかし、取引開始時123.127と15M足20MAがレジスタンスとなり、「米国債2年,10年利回り低下→ドル売り」と「株価指数下落→円買い」で、仲値通過前からドル円急落。

10:11 報道
日銀、指値オペ通告

【考察】円売り材料ですが、サプライズでなくドル円影響なし。

12:15
円買いドル売り止まり、ドル円121.310から下ヒゲピンバーで反発。

13:05 報道
日銀、国債買い入れオペを臨時追加

13:07 要人発言
黒田日銀総裁
「円安はエネルギー輸入のドル買いも要因」
「日銀の金融市場調節が直接的に為替に影響与えているとは思わない」

円安に金融調節影響せず、背景に米金利上昇-日銀総裁が首相と会談(Bloomberg)
【考察】円安牽制なし。サプライズでなかったものの円売り材料でドル円上昇。

15:00 クローズ
・ドル円: 122.001
・米国債2年利回り: 2.326 %
・米国債10年利回り: 2.365 %
・日経平均株価: 28027.18 (前営業日比 -225.17 、 -0.80 %)
・TOPIX 1967.60 (前営業日比 -24.06 、 -1.21 %)

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 121.881
・米国債2年利回り: 2.328 %
・米国債10年利回り: 2.382 %

19:12 要人発言
ロシア大統領府
「ウクライナとの交渉に急展開なし」

【ウクライナ】ロシア、和平交渉で「事態打開の大きな進展なかった」(Bloomberg)
【考察】3/29のウクライナとロシアの停戦交渉で進展あったことから一転し。リスクオフドル買いでややドル円上昇。しかし、サプライズではないことから動き小。

20:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国MBA住宅ローン申請指数:前回-8.1%、結果-6.8%(◎)

21:13 要人発言
ウクライナ・ゼレンスキー大統領
「ロシアは新たな軍隊派遣」

【考察】ロシア大統領府発言同様、リスクオフドル買いでややドル円上昇。しかし、サプライズではないことから動き小。

21:15 経済指標
米国ADP雇用者数3月度:前回47.5万人、予想45.0万人、結果45.5万人(○)
米ADP民間雇用者数、3月は45.5万人増-広範な伸び示す(Bloomberg)
【考察】予想より強い数値で「米国債2年,10年利回り上昇→ドル買い」と「ダウ先物下落→円売り」でややドル円上昇。

21:30 経済指標
米国実質GDP(確報値) 第4四半期
実質GDP:前回7.0%、予想7.0%、結果6.9%(✕)
個人消費:前回3.1%、予想3.1%、結果2.5%(✕)
GDPデフレータ:前回7.1%、予想7.1%、結果7.1%(○)
PCEコアデフレータ:前回5.0%、予想5.0%、結果5.0%(○)

【考察】強弱入り混じる結果だったものの、ドル売り円売りでドル円上昇継続。

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 122.087
・米国債2年利回り: 2.367 %
・米国債10年利回り: 2.426 %
・ダウ平均: 35273.63 (前営業日終値 35294.14 )
・S&P500: 4624.20 (前営業日終値 4631.61 )
・ナスダック: 14558.59 (前営業日終値 14619.65 )
米国主要3指数ギャップダウンスタート。
「米国債2年,10年利回り低下→ドル売り」と「米国主要3指数下落→円買い」でドル円急落。

23:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
原油在庫:前回-250.8万バレル、予想-200.0万バレル、結果-344.9万バレル(✕)
ガソリン在庫:前回-294.8万バレル、予想-160.0万バレル、結果78.5万バレル(◎)

23:31 要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁
「5月に0.5%利上げにオープン」

リッチモンド連銀総裁、5月の0.5ポイント利上げは経済情勢次第(Bloomberg)
【考察】サプライズでないもののタカ派発言で「米国債2年,10年利回り上昇→ドル買い」と「米国主要3指数やや上昇→円売り」でドル円上昇。

25:00 ロンドンフィックス
・ドル円: 121.954

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 121.935
・米国債2年利回り: 2.330 %
・米国債10年利回り: 2.352 %

26:26 要人発言
米国ジョージ・カンザスシティ連銀総裁
「現在のインフレ急騰はポルカーFRBが直面したものと異なる」
「現在のインフレ急騰はまだ経済に組み込まれていない」
「中立金利は約2.5%だが流動的」

27:59 要人発言
米国ジョージ・カンザスシティ連銀総裁
「米長短金利が逆転は警戒すべき兆候」
「バランスシート管理を巡る議論に反映必要」

米長短金利逆転は要警戒、資産縮小討議に反映すべき=カンザスシティー連銀総裁(Reuters)
【考察】タカ派発言であるもののサプライズでなくドル円動きなし。

29:00 NYクローズ
・ドル円: 121.820
・米国債2年利回り: 2.306 %
・米国債10年利回り: 2.345 %
・ダウ平均: 35228.80 (前営業日比 -65.40 、 -0.19 %)
・S&P500: 4602.46 (前営業日比 -29.15 、 -0.63 %)
・ナスダック: 14442.28 (前営業日比 -177.35 、 -1.21 %)
米国主要3指数マイナスで引けており、日本株も軟調スタートの可能性高い。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. JPY(リスクオフ通貨):前日2位
  2. CHF(リスクオフ通貨):前日4位
  3. EUR(リスクオン通貨):前日1位
  4. NZD(資源国リスクオン通貨):前日3位
  5. GBP(リスクオン通貨):前日7位
  6. CAD(資源国リスクオン通貨):前日6位
  7. AUD(資源国リスクオン通貨):前日5位
  8. USD(基軸通貨):前日8位

【考察】
ウクライナとロシアの交渉に急展開なく、ロシアが新たな軍隊派遣との報道からリスクオフ。しかし、今までウクライナ情勢悪化のリスクオフで買われていたUSDが最下位。USDについては米国債逆イールドでの景気後退懸念によって売りとなったと推測。

米国債イールドカーブ

3/30(水)は3/29(火)に対して、ブル・フラットニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差縮小)。

*ブル・フラットニング:直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来も景気後退懸念→将来も利下げの見込み→ドル売り示唆

3/28は3年~10年利回りで逆イールド発生していましたが、3/29と3/30は一時的に2年と10年利回りも逆イールド。それによって景気後退懸念のためかドル売り発生。

米2年債と10年債の利回り逆転、2019年以降で初-景気後退シグナルか(Bloomberg)

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 日足: ボリンジャーバンドエクスパンションからスクイーズしつつあるも、上昇トレンド。
  • 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
  • 1H足: ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
  • 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)三角持ち合い上抜け→1H足20MA反発・レジサポ→目標4H足戻り高値実体123.707。
(B)4H足戻り高値実体123.707上抜け→レジサポ→目標4H足戻り高値実体124.136。
(C)4H足戻り高値実体124.136上抜け→レジサポ→目標4H足戻り高値実体124.666。
(D)日足押し安値実体122.042まで下落→レジサポ→目標4H足レジスタンス実体122.636。

②ショート
(E)日足押し安値実体122.042下抜け→レジサポ→目標4H足押し安値実体121.448。

円安材料が多いためロング優先ですが、円安牽制の要人発言も出てきており急な円買いドル円下落に要注意。

【考察】
12:00 日足押し安値実体122.042下抜け→レジサポ→(E)ショート可。
12:15 目標4H足押し安値実体121.448到達→(E)ショート成立。

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