2022年4月20日(水)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
ロシアにとって重要な5/9「戦勝記念日」に勝利宣言する可能性が浮上しており、ロシアはウクライナ東部への大規模攻撃を開始、更にウクライナ軍が攻撃を続けるなら首都キーウ含めた中枢への攻撃も明言しています。戦況が急速に悪化する恐れがあることから、リスクオフ後退に繋がる報道や要人発言に要注目したい。

2.円売り加速
①日本の金融緩和継続、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。

4/19も日本要人から円安牽制発言出たものの、同じ内容の繰り返し過ぎず効果は薄れるばかり。口先だけの円安牽制発言は本質的な問題解決には繋がらないことから、一時的にドル円が下落しても、押し目買いの良い材料になると考えます。
本日もこの流れは変わらない見込みですが、ドル円週足・日足陽線続きで上昇していることから、調整の下落にも警戒したい。ラウンドナンバー129.000、130.000が付近で停滞すればロング勢の利確や失望売りが入りそう。

3. 経済指標・要人発言
米国ベージュブック発表や米国金融当局者の発言が予定されていますが、サプライズの弱い内容やハト派寄りの発言がない限りはドル円上昇継続と推測します。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 128.901 (前営業日終値 128.884 から +1.70 pips )
・米国債2年利回り: 2.598 %
・米国債10年利回り: 2.940 %

【考察】
ドル円は若干ギャップアップスタート。五十日仲値や130円台向けての上昇期待あり。

8:50 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
日本通関ベース貿易収支3月度:前回-6683億円、予想-715億円、結果-4124億円(△)
日本通関ベース貿易収支(季調済)3月度:前回-10314億円、予想-5605億円、結果-8998億円(△)

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 129.330 (始値比 +44.60 pips )
・米国債2年利回り: 2.611 (始値比 +0.013 % )
・米国債10年利回り: 2.964 (始値比 +0.024 % )
・日経平均株価: 27210.79 (前日営業日終値 26985.02 から +225.77 )
・TOPIX 1911.72 (前日営業日終値 1895.7 から +16.02 )

【考察】
ドル円は取引スタートからあっさりとラウンドナンバー129.000上抜け。しかし、東京マーケットオープンにかけてドル円上昇弱く、オープン時は「円買い」でドル円下落スタート。4/19のようなドル円の強さが見られず。
前日米国主要3指数上昇を受けて、日本株価指数もギャップアップスタート。

9:26 要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「インフレはあまりにも高すぎる」
「サプライチェーンの制約が改善されなければ、インフレ抑制が更に必要」

米ミネアポリス連銀総裁、供給面の制約続けば追加措置が必要にも(Bloomberg)

【考察】
タカ派発言。FOMC投票権を有しないため発言の影響力は低いものの、「米国債2年,10年利回り上昇→ドル買い」「円売り」でドル円上昇

9:55 五十日仲値
・ドル円: 129.401 (始値比 +51.70 pips )(東京マーケット始値比 +7.10 pips )

【考察】
五十日仲値に向けてのドル買いや米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のタカ派発言もあり、ドル円上昇継続。
しかし、仲値通過後はドル円129.402から始値付近の128.868まで一気に下落。

10:10 要人発言
日銀、指し値オペ実施を通告

日銀が指し値オペを通知、10年国債を0.25%で買い入れ(Bloomberg)

【考察】
金融緩和のため「円売り」でドル円129.377まで上昇。

11:18 要人発言
磯崎官房副長官
「為替の安定は重要で急速な変動は望ましくない」
「米国などと緊密な意思疎通を図りながら適切に対応したい」

【考察】
円安牽制発言。先日からの日本要人の発言内容と代り映えなくサプライズなし。
しかしながら、「米国債2年,10年利回り低下→強いドル売り」「強い円買い」が発生し、ドル円128.056まで急落。
口先介入は材料として弱いことから大口のロング利確が入ったと推測。そうであれば、戻り高値129.082や128.771は強いレジスタンス候補になりそう。
以上から、下値128.000、上値129.082, 128.771はレジサポとして機能するか。

14:00 要人発言
岸田首相「急激な円安には懸念を持ちながら政府としてしっかり対応する」

【考察】
円安牽制発言。しかし、磯崎官房副長官発言と代り映えなくドル円への影響薄。

15:00 クローズ
・ドル円: 128.700 (始値比 -18.40 pips )(東京マーケット比 -63.00 pips )
・米国債2年利回り: 2.596 (始値比 -0.002 % )
・米国債10年利回り: 2.942 (始値比 +0.002 % )
・日経平均株価: 27217.178 (前営業日比 +232.76 、 +0.86 %)
(東京マーケット始値比 6.39 、 +0.02 %)
・TOPIX 1915.15 (前営業日比 +19.45 、 +1.03 %)
(東京マーケット始値比 3.43 、 +0.18 %)

【考察】
ドル円急落時の128.056から急反発するも、急落で生じた15M足戻り高値128.771がレジスタンスとして機能。
押し目買いと戻り売りのバトル中ですが、ラウンドナンバー129.000付近で4H足包み足形成しており、下目線が優勢か。

16:04 要人発言
日銀、4/21~26に連続指値オペを実施と通告。買入金額は無制限。

長期金利は0.25%で高止まり、日銀は連続指し値オペ通知(Bloomberg)
日銀:連続指値オペの実施、買い入れ日程は21-26日 (1)(Bloomberg)

【考察】
円売り材料ですが午前中の指値オペ通告もあったためか反応薄。

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 128.669 (始値比 -21.50 pips )
・米国債2年利回り: 2.567 (始値比 -0.031 % )
・米国債10年利回り: 2.905 (始値比 -0.035 % )

【考察】
「米国債利回り低下→ドル売り」と「円買い」の流れは欧州勢参入後も変わらず。

20:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国MBA住宅ローン申請指数:前回-1.3%、予想-、結果-5.0%(✕)

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 127.886 (始値比 -99.80 pips )
・米国債2年利回り: 2.600 (始値比 +0.002 % )
・米国債10年利回り: 2.892 (始値比 -0.048 % )
・ダウ平均: 34962.67 (前営業日終値 34911.21 から +51.46 )
・S&P500: 4472.26 (前営業日終値 4462.22 から +10.04 )
・ナスダック: 13665.38 (前営業日終値 13619.67 から +45.71 )

【考察】
ドル円下降チャネル形成し、チャネル上限から反発下落継続。
米国主要3指数はギャップアップスタート。

23:00 経済指標
米国中古住宅販売件数3月度:前回602万件、予想580万件、結果577万件(✕)

米中古住宅販売、20年6月以来の低水準-ローン金利急上昇が響く(Bloomberg)

【考察】
インフレ圧力による購買力低下が現れており、「米国債2年,10年利回り低下→ドル売り」と「円買い」でドル円下落。一時、128円台回復したものの指標結果を受け、127.458まで下落。

23:30 経済指標
米国週間石油在庫統計

原油在庫:前回938.2万バレル、予想300.0万バレル、結果-802.0万バレル(✕)
ガソリン在庫:前回-364.8万バレル、予想-80.0万バレル、結果-266.4万バレル(△)

23:36 要人発言
米国エバンス・シカゴ連銀総裁

「高インフレの特別な要因が止まる根拠がある」
「年末までに中立金利達成」

FRB、年末までに中立金利達成=シカゴ連銀総裁(Reuters)

【考察】
利上げへの慎重姿勢でややハト派的でしたがドル円反応薄。

24:59 要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁

「今年中にインフレ率が2%台に低下する可能性は低い」
「政策金利2.5%へ迅速に引き上げることは適切」

年末までに政策金利を2.5%に引き上げることは「賢明」=SF連銀総裁(Reuters)

【考察】
タカ派発言でしたが、直前の米国エバンス・シカゴ連銀総裁のハト派発言があったためかドル円反応薄。

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 127.778 (始値比 -110.60 pips )
・米国債2年利回り: 2.590 (始値比 -0.008 % )
・米国債10年利回り: 2.863 (始値比 -0.077 % )

【考察】
ドル円下降チャネル形成し下落継続中ですが、安値切り下げが弱くなってきており、4H足20MA付近127.550を下値に推移。チャネル上限へのブレイクの可能性が高まりつつある様子。

26:00 経済指標
米国20年債入札:前回2.651%、結果3.095%(◎)


【考察】
入札好調で「米国債長短利回り低下→ドル売り」でドル円127.678まで下落するも勢い弱。

27:00 経済指標
米国地区連銀経済報告(ベージュブック)

米地区連銀経済報告:物価上昇と地政学要因が成長見通しを曇らせた(Bloomberg)

【考察】
サプライズのない内容だったためかドル円反応薄。

26:00 要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁

29:00 NYクローズ
・ドル円: 127.718 (始値比 -116.60 pips )
・米国債2年利回り: 2.575 (始値比 -0.023 % )
・米国債10年利回り: 2.838 (始値比 -0.102 % )
・ダウ平均: 35161.00 (前営業日比 +249.79 、 +0.72 %)
(NYマーケット始値比 198.33 、 +0.57 %)
・S&P500: 4459.46 (前営業日比 -2.76 、 -0.06 %)
(NYマーケット始値比 -12.80 、 -0.29 %)
・ナスダック: 13453.06 (前営業日比 -166.60 、 -1.22 %)
(NYマーケット始値比 -212.32 、 -1.55 %)

【考察】
米国債利回り急落したことから米国主要3指数上昇で引けるかと考えましたが、まちまちの動き。
ドル円は4H足20MA付近127.550を下値としたレンジ形成。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. NZD(資源国リスクオン通貨):前日3位
  2. AUD(資源国リスクオン通貨):前日1位
  3. CAD(資源国リスクオン通貨):前日5位
  4. JPY(リスクオフ通貨):前日8位
  5. EUR(リスクオン通貨):前日2位
  6. GBP(リスクオン通貨):前日6位
  7. CHF(リスクオフ通貨):前日7位
  8. USD(基軸通貨):前日4位

【考察】
急速に進んでいたUSD買いとJPY売りの利確が入ったためか、USD売りJPY買い。
USDとJPY以外は、ウクライナ情勢悪化や利上げ期待の流れ。

米国債イールドカーブ

4/20(水)は4/19(火)に対して、ブル・フラットニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差縮小)。

*ブル・フラットニング:直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来も景気後退懸念→将来も利下げの見込み→ドル売り示唆

【考察】
強いドル買いの勢いが一服し、ドル円も調整下落の可能性あり。

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
  • 週足: ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
  • 日足: 大陽線で引け。強い上昇でボリンジャーバンドエクスパンションしつつあり。
  • 4H足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
  • 1H足:上昇トレンド継続するもボリンジャーバンドはスクイーズ移行中。
  • 15M足:上昇トレンド継続するもボリンジャーバンドはスクイーズ移行中。

【シナリオ】
①ロング
(A)ラウンドナンバー129.000上抜け→レジサポ→目標ラウンドナンバー130.000。

②ショート
(B)1H足トレンドラインかつ1H足押し安値128.056下抜け→レジサポ→目標ラウンドナンバー127.000

全時間足が上昇トレンドであるためロング優先ですが、今までにない強烈な円安牽制発言が出れば一時的なドル円下落が発生すると考えます。しかしながら、下落しても直ぐに押し目買いの良い機会になりそうです。

【考察】
8:00 ラウンドナンバー129.000上抜け→レジサポ→(A)ロング可。
10:15 目標ラウンドナンバー130.000未達で129.000下抜け→(A)ロング不成立。

19:00 1H足トレンドラインかつ1H足押し安値128.056下抜け→レジサポ→(B)ショート可。
21:30 目標127.000未達→128.056上抜け→(B)ショート不成立

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