ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・米国経常収支
・米国フィラデルフィア連銀景況指数
・米国新規失業保険申請件数、米国失業保険継続申請件数
・米国景気先行指数
・米国中古住宅販売件数
・BOE金融政策委員会
2.要人発言
・日銀ブラックアウト期間(日銀会合開催2営業日から会合当日まで:9/17~9/20)
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:9/7~9/19)につき
3.その他
・日銀会合関連リーク報道
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②米国経済成長、③インフレ、④円キャリー取引(促進or巻き戻し)、⑤地政学リスクに分類できます。
・来週の円相場は下落か、米大幅利下げ観測の反動-日銀総裁会見警戒(Bloomberg)
・【債券週間展望】長期金利は上昇へ、米国の大幅利下げ観測は剥落公算(Bloomberg)
・【日本株週間展望】上値試す、日米金融政策の決定後に円高基調和らぐ(Bloomberg)
5.本日の注目材料
(1)9/18(水)マーケット影響
米国FOMC公表ではサプライズ0.50%利下げを受けて「米国債利回り急落→ドル売り」につれて、日足安値140.44へ急落。
米国パウエルFRB議長会見では、ハト派・タカ派のバランスを取った発言であったものの、慎重な追加利上げ姿勢(今後の0.50%追加利下げ否定)タカ派発言が材料視され、「米国債利回り急騰→強いドル買い」発生。0.50%利下げのドル円急落継続を見込んでいたショート勢の損切を巻き込み、日足高値142.71へ急騰しました。
FOMC0.50%利下げ実施され今後も利下げ継続には変わりないことから、本日ドル円下落を想定します。
一方で、前日欧米株下落(円キャリー巻き戻し)の影響を引き継がず、利下げ好感のリスクオン日本株上昇(円キャリー促進)となればドル円上昇への転換もしくは揉み合いと見込みます。
(2)米国経済指標
注目指標は複数ありますが、FOMCでも改めて労働市場鈍化へ警戒が示されたことから、米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数の注目度が高いと考えます。
FOMC通過直後であることから、「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きが出やすい見込みです。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
20:00 経済指標
BOE金融政策委員会
政策金利:前回5.00%、予想5.00%、結果5.00%(○)
MPC議事要旨:タカ派内容
20:07~要人発言
英国ベイリーBOE総裁
英中銀、金利据え置き8対1で決定-緩やかな緩和の方針表明(Bloomberg)
21:30 経済指標
米国経常収支
前回-2376億ドル(改定-2410)、予想-2610億ドル、結果-2668億ドル(×)
21:30 経済指標
米国フィラデルフィア連銀景況指数
米国ISM製造業購買担当者景気指数の先行指標。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
基準0、前回-7.0(改定-)、予想3.0、結果1.7(◎)
21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回23.0万件(改定23.1)、予想22.9万件、結果21.9万件(◎)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回185.0万件(改定184.3)、予想185.2万件、結果182.9万件(◎)
23:00 経済指標
米国景気先行指数
前月比:前回-0.6%(改定-)、予想-0.3%、結果-0.2%(◎)
23:00 経済指標
米国中古住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として米国新築住宅販売件数とともに重要。
件数:前回395万件(改定396)、予想391万件、結果386万件(×)
前月比:前回1.3%(改定1.5)、予想-1.3%、結果-2.5%(×)
【考察】ドル円下落
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値142.25
取引開始直後にスワップ4倍デー狙いのロング勢決済が入ったためか、日通し安値141.88へ下押しするも、前日米国パウエルFRB議長会見での慎重な追加利上げ姿勢(0.50%追加利下げ継続否定)タカ派発言の影響継続(米国債売り[利回り上昇]→ドル買い、円売り)。
一方、前日米国株下落と異なり、リスクオン(日本株上昇[円キャリー促進])発生し、日通し高値143.95へ急上昇。FOMC0.50%大幅利下げを受けてドル円急落を見込んでいたショート勢の損切巻き込みも続いた様子。
ところが、明日の日銀会合公表・植田日銀総裁会見への警戒感からか、日本株下落(円キャリー巻き戻し)に転じると、該損切ポジションも解消されたためか、日足20MA・日足レンジ安値143.95・切番144.00付近からの戻り売りに押されて142.55へ急落して引けました。
(日足20MA付近へ4H足上昇トレンド到達から、1H足レンジ形成)
【日本市況】株急上昇3万7000円台、米大幅利下げ継続観測後退で円安(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直後に142.04まで下押しするも、欧州株上昇(円キャリー促進)、米国フィラデルフィア連銀景況指数、米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数(強)、米国株上昇(円キャリー促進)を受けて、再び143円台乗せ。
その後、米国景気先行指数(強)、米国中古住宅販売件数(弱)交錯でドル円急落から乱高下で引けました。リスクオン(株上昇、債券売り)ではありましたが、翌日の日銀会合公表・植田日銀総裁会見前の手控えやポジション調整が交錯し、乱高下に繋がったと推測します。
日足終値142.46
(日足20MAかつ下降チャネル上限付近で、4H足上昇チャネル形成)
【米国市況】S&P500種が最高値更新、利下げで景気楽観-142円半ば(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・9/18米国パウエルFRB議長会見での、慎重な追加利上げ姿勢(0.50%追加利下げ継続否定)タカ派発言の影響継続
・米国フィラデルフィア連銀景況指数、米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数、米国景気先行指数(強)
・原油先物価格上昇
売り材料:
・米国中古住宅販売件数(弱)
<円売り優勢>
買い材料:
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以下推移→日本企業業績悪化・株下落懸念(円キャリー巻き戻し)
売り材料:
・原油先物価格上昇
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利475-500bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回11月7日(木)公表:25bps引き下げ62.2→57.1%、50bps引き下げ37.8→42.9%
年内利下げ観測:25bps×3回=75bps → 政策金利400~425bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:9月陰線形成中。レンジ。押し安値付近。
- 週足:9/16週、陽線形成中。下降トレンド。
- 日足:9/18下ヒゲピンバー陰線。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値141.873付近へ下落→転換上昇→目標日足高値142.469
(B) (A)後、日足高値142.469をダウ上昇→目標日足高値142.714
②Short
(C) (A)後、日足高値142.469を転換下落→目標4H足押し安値141.873
(D)4H足押し安値141.873かつ4H足20MAをダウ下落→目標4H足レンジ安値141.302
本日:1勝0敗、+30.7pips
9月通算:14勝9敗、勝率60.9%、RR1.97 、+185.3pips
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