ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)3/15の欧米マーケット影響
クレディ・スイス筆頭株主の追加支援の可能性否定でドル円暴落。注目の米国PPI等が弱かったもののドル売りにはならず、リスクオフドル買い円買い継続でドル円下落。
スイス政府「クレディ・スイス救済協議」報道でリスクオフ後退し、巻き戻しのドル円急騰。
つまり、市場の最大の注目は「欧米金融危機不安」となっている。
(2)経済指標
・米国住宅着工、許可件数
・米国新規失業保険申請件数、米国失業保険継続申請件数
(3)要人発言
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):ブラックアウト期間のため、いつもの様に発言や記事には要警戒。
(4)その他
・ECB理事会、総裁会見:欧州金融危機懸念で利上げ見送り観測
・ドル買い材料:米利上げ見通し復活(3/14, Bloomberg)、金融危機リスクオフ
・ドル売り材料:米金利スワップ市場の利下げ織り込み(3/15, Bloomberg)
・円買い材料:円高リスク警戒の通貨オプション市場で130円割れの可能性(3/14, Bloomberg)、金融危機リスクオフ(海外資産の国内還流で円買い、海外投資家が日本国債買いのために円買い)
・円売り材料:日本国債長期金利が一時0.24%に低下(3/14, Bloomberg)
3/16の最大の注目材料は、米国経済指標より「欧米金融危機不安の波及」。ヘッドラインでドル円が乱高下する可能性あり。リスクオフでドル円下落の可能性が高いと想定。
(ドル円動き例)
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:21 要人発言
首相官邸(Bloomberg)
「北朝鮮、弾道ミサイル発射」
【考察】地政学リスクオフ円買い材料だが、サプライズなくドル円反応薄。
8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支2月度(日本経済新聞)
貿易赤字拡大は実需の円売り材料。
季調前:前回-34966億円(改定-34986)、予想-11328億円、結果-8977億円(◎)
季調済:前回-18213億円(改定-18233)、予想-13952億円、結果-11907億円(◎)
8:50 経済指標
日本機械受注1月度(日本経済新聞)
設備投資の先行指標。
前月比:前回1.6%、予想1.5%、結果9.5%(◎)
前年比:前回-6.6%、予想-3.4%、結果4.5%(◎)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:49 報道
「クレディS、スイス国立銀行から最大500億スイスフラン借り入れ」
【考察】リスクオフ後退し巻き戻し円売りでドル円上昇。
欧州マーケット(17:00~25:30)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:30 経済指標
米国住宅着工件数2月度(Bloomberg)
住宅購入に伴い、家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目される。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから、更に重要度が上がっている。
住宅着工件数:前回130.9万件(改定132.1)、予想133.0万件、結果145.0万件(◎)
住宅着工前月比:前回-4.5%(改定-2.0)、予想0.2%、結果9.8%(◎)
住宅建築許可件数:前回133.9万件(改定)、予想138.0万件、結果152.4万件(◎)
住宅建築許可前月比:前回0.1%(改定)、予想0.9%、結果13.8%(◎)
21:30 経済指標
米国輸入物価指数2月度(Bloomberg)
前月比:前回-0.2%(改定-0.4)、予想-0.2%、結果-0.1%(◎)
前年比:前回0.8%(改定0.9)、予想-1.1%、結果-1.1%(○)
米国輸出物価指数1月度
前月比:前回0.8%(改定0.5)、予想-0.3%、結果0.2%(○)
21:30 経済指標
米国フィラデルフィア連銀景況指数3月度
米国ISM製造業購買担当者景気指数と相関性あるため注目される。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
基準0、前回-24.3(改定)、予想-14.8、結果-23.2(△)
21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数(Bloomberg)
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目される。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回21.1万件(改定21.2)、予想20.5万件、結果19.2万件(◎)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回171.8万件(改定171.3)、予想170.0万件、結果168.4万件(◎)
21:43 要人発言
デギンドスECB副総裁(Bloomberg)
「一部のEU銀行は脆弱な恐れ」
【考察】リスクオフ円買い強まりドル円下落加速。
22:15 経済指標
ECB政策金利3月度
前回3.00%、予想3.50%、結果3.50%(○)
22:15~ 要人発言
ECB声明3月度
「インフレは高い水準にとどまる見込み」
「将来の決定はデータに依存」
【考察】最近の金融危機不安から小幅利上げや据え置き観測あったものの予想通りの利上げ。
22:45~ 要人発言
ラガルドECB総裁(Bloomberg)
「物価上昇圧力は依然として強い」
「成長見通しへのリスクは下向き」
「流動性危機は見られないが、必要に応じて対応する」
【考察】タカ派発言、リセッション懸念
23:51 報道
「米国大手銀行、ファースト・リパブリック・バンク支援議論」(Bloomberg)
【考察】強い金融危機不安解消材料→一気にリスクオフ後退→巻き戻しの円売りでドル円上昇。
25:47 報道
「米国複数銀行、ファースト・リパブリックへ300億ドル支援」(Bloomberg)
【考察】更なる金融危機不安解消材料→リスクオフ後退→ドル円上昇継続
26:52 報道
「UBS、クレディ・スイスとの統合案に反対」(Bloomberg)
【考察】金融危機不安再燃でリスクオフ円買いのドル円下落
東京マーケット:オープン直後までリスクオフ円買い強くドル円下落。クレディSのスイスフラン借り入れ報道で一時的にドル円上昇したものの、金融危機不安は解消されておらず全戻しの下落。
欧米マーケット:欧州オープン前はクレディSリスクオフ後退とリスクオフ後退が交錯しドル円揉み合い。その後、再びリスクオフ優勢となりドル円下落。
NYマーケットに入ってからはファースト・リパブリック・バンク支援報道で急速にリスクオフ後退しドル円急騰。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- AUD(資源国リスクオン通貨):豪雇用統計の強い数値で買い。
- GBP(リスクオン通貨):
- CHF(リスクオフ通貨):
- EUR(リスクオン通貨):
- CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
- NZD(資源国リスクオン通貨):NZ実質GDPの弱い数値で売り。
- USD(基軸通貨):リスクオフ後退で巻き戻しの売り。
- JPY(リスクオフ通貨):リスクオフ後退で巻き戻しの売り。
米国債イールドカーブ
3/15(水)は3/14(火)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、逆イールド拡大)でドル買い・売り材料交錯。
ドルインデックス日足陰線は、逆イールド拡大とリスクオフ後退のドル売り影響と推測。
*逆イールドはリセッションのサイン(Bloomberg)、逆イールド拡大(Bloomberg)
3月FOMCの利上げ幅市場コンセンサスは、利上げ据え置きが20.3%、25bpsが79.5%。(CME FedWatch Tool)
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:3月陰線形成中。ボリンジャーバンド+1σ下抜け。三尊の右肩形成しつつあり。
- 週足:3/13週、陰線形成中。上昇トレンドからレンジに移行し、20MAからボリンジャーバンド-1σへ下落中。
- 日足:3/15陰線。下降トレンド。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:下降トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス133.723をダウ上昇→目標1H足レジスタンス134.140
②ショート
(B)1H足サポート133.197をダウ下落→目標1H足サポート132.708
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。
トレード1
133.197をダウ下落→(B)ショート
ショート:133.058
T/P:132.707
獲得pips:+35.1
3月通算:6勝1敗、勝率85.7%、平均RR1.95 、獲得Pips +221.6
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