2022年10月14日(金)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

(1)10/13のドル円上昇の影響:米国消費者物価指数の強い数値でドル円急騰し、1998年8月の高値147.66円を上抜けて一時147.67円と90年8月以来32年ぶりの高値到達。しかし、政府・日銀為替介入への警戒感から急落。その後は、日米金利差拡大には変わりないことからドル円再上昇しており、この上昇を引き継ぎやすいと考えます。

(2)政府・日銀為替介入懸念(③-3):現在のドル円上昇はファンダメンタルズに沿った動きですが、急激なドル円上昇に当たると可能性高い。よって、円安牽制発言だけでなく、実介入の可能性が高まったと考えます。


(3)米国経済指標:特に米国小売売上高と米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値・インフレ予測。

(4)FRB当局者の発言:タカ派発言(②-1)でドル円上昇の後押しになると想定。

(5)ウクライナ情勢:ウクライナ・ロシアの報復合戦で急速な情勢悪化。強い地政学リスクが生じれば一時的に大きなドル円下落する可能性があるため、報道や要人発言に注意したい。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

7:40 要人発言(Bloomberg)
鈴木財務相
「投機による過度な変動は容認できない」
「危機感を持って為替市場の動向を注視」
「過度な変動には適切な対応を取る」
「為替介入に米国の理解を得ている」
「G20で為替ボラティリティについての合意事項を確認」
「世界経済はロシアのせいで不安定」

【考察】円安牽制発言

7:46 要人発言
黒田日銀総裁
「G20では日本の物価動向や政策対応について説明」
「欧米の利上げは理解できる」
「日本の景気回復は予想より遅い」
「来年のインフレは2%を下回る可能性」
「日銀は日本経済を支え続けなればならない」
「金融緩和を継続する」
「日本経済と物価状況に対して利上げは必要ない」

【考察】金融緩和継続の円安容認発言

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 実質五十日仲値(10/15休場のため)
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

欧州マーケット(16:00~25:00)

18:01 報道(日本経済新聞)
北朝鮮が南北の海上境界線付近で砲撃

【考察】 地政学リスクオフでドル円下落。しかし、影響薄く押し目買い入りで上昇。

19:03 要人発言(日本経済新聞)
岸田首相
「投機も絡んだ急激な為替の変動は好ましくない」
「必要であれば適切に対応を考える」
「国際社会との連携も大変重要」
「総合経済対策、来週に策定を本格化」

【考察】 円安牽制発言でドル円下落。しかし、影響薄く押し目買い入りで上昇。

21:30 経済指標(Bloomberg)
米国小売売上高9月度
個人消費が米国GDPの約2/3を占めており、その動向を表す小売売上高の注目は高い。米国個人消費や米国消費者信頼感とも相関性があることからも重要な指標。
前月比:前回0.3%(改定0.4)、予想0.2%、結果0.0%(✕)
コア前月比:前回-0.3%(改定-0.1)、予想-0.1%、結果0.1%(◎)

21:30 経済指標(Reuters)
米国輸入物価指数月9月度
前月比:前回-1.0%(改定-1.1)、予想-1.1%、結果-1.2%(✕)
前年比:前回7.8%(改定)、予想6.3%、結果6.0%(✕)

米国輸出物価指数月9月度
前月比:前回-1.6%(改定-1.7)、予想-1.2%、結果-0.8%(◎)

【考察】強弱入り交じる結果。下落が押し目となってドル円上昇継続。

NYマーケット(22:30~29:00)

23:00 経済指標
米国企業在庫8月度
前月比:前回0.6%(改定0.5)、予想0.8%、結果0.8%(○)

23:00 経済指標(Bloomberg)
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値10月度
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる指標。
前回58.6、予想58.9、結果59.8(◎)

米国ミシガン大学インフレ予測10月度
1年先:前回4.7%、予想4.6%、結果5.1%(◎)
5年先:前回2.7%、予想2.8%、結果2.9%(◎)

【考察】総じて強く、特にインフレ予測が上昇でドル円上昇加速。

23:05 要人発言(Reuters)
米国ジョージ・カンザスシティ連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「唯一の明確なデータ ポイントは、インフレが高いということ」
「持続的な高インフレが浸透するか注目」
「供給拡大がインフレを解決する可能性は低い」
「今年、大幅に金融引き締め実施したが、まだやるべきことがある」
「米国の最近の生産性は悪い」
「インフレ抑制でターミナルレートはさらに高くなる必要」
「政策を制限的領域に移る必要」
「急速な金利上昇は金融市場混乱のリスクがある」
「金融政策が経済に与える影響はまだ出ていない模様」

【考察】金利上昇にリスクとはハト派ですが、総じてタカ派発言でドル円上昇加速。

23:16 要人発言(Bloomberg)
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「CPIはの結果は驚くべきものではない」
「労働市場、住宅市場は強いが冷え込んでいる」
「小売売上高も冷え込みの兆候」
「制限的な政策が必要」
「データは追加利上げを示唆」
「政策金利を4.50-5.00%に上げ、しばらく維持する可能性が高い」

【考察】タカ派発言でドル円上昇継続。

23:34 要人発言(Reuters)
米国クックFRB理事(2022年FOMC投票権あり)
「労働市場は非常に堅調」
「インフレは容認できない高さ」
「コアインフレは予想外の強さ」
「幅広いインフレ圧力が経済を逼迫」
「インフレ低下まで引き締め継続必要」

【考察】タカ派発言でドル円上昇継続。

26:38 要人発言(Bloomberg)
米国イエレン財務長官
「先進国の金融引き締めが、その他の地域へ波及するリスクがある」
「インフレは多くの国で高く、世界の成長は減速」
「IMFで議論された経済的課題の多くは、ロシアのウクライナ侵攻とパンデミックからの回復に由来」
「ドルの強さは経済を反映している」
「為替レートは市場で決定される」

【考察】ドル高容認のタカ派発言でドル円上昇継続

28:02 報道(Bloomberg)
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁がブラックアウト期間に不注意な取引の疑いで調査

【考察】FRBの信頼低下でドル売り材料。

28:14 要人発言(Reuters)
米国ブラード・セントルイス連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「政策金利5%が必要な場合、インフレ減速していないことを示す」
「労働市場の強さと解雇の少なさはソフトランディングの可能性を示唆」
「逆イールドは景気後退のリスク指標ではない」
「私見ではコアPCEは2023年末までに3%を下回る」
「年末の適正な政策金利は4.5-4.75%」
「2023年の政策金利はデータ次第」

【考察】タカ派発言ですがややハト的も含んだことでドル円下落。

28:30 経済指標
IMM通貨先物
円ショート縮小(ポジション推移

【考察】円買い材料

28:48 要人発言(Bloomberg)
鈴木財務相
「為替市場の高いボラティリティを深く懸念」
「前例のない一方的な円の動き」
「為替の動きは市場によって決定されるべき」

【考察】円安牽制発言


東京マーケット:政府・日銀の円安牽制・金融緩和継続発言交錯し、為替介入懸念ありながらも、10/13米国消費者物価指数の強い結果を引き継いでドル円上昇。
欧米マーケット:東京マーケットで政府・日銀為替介入がなかった(あっても小規模)ことで、安心感からかドル円上昇加速。更に、米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値・インフレ予測の強い数値とFRB当局者のタカ派発言でドル円上昇継続。次週もドル円上昇優勢と推測。

(Trading View)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. USD(基軸通貨):米国消費者物価指数の強い数値の影響引き継いで買い。米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値・インフレ予測の強い数値で買い。FRB当局者のタカ派発言で買い。
  2. CHF(リスクオフ通貨):
  3. EUR(リスクオン通貨):ロシア・プーチン大統領発言「2週間以内に軍事動員を終了する予定」→ウクライナ情勢悪化後退で買い。ECB当局者のタカ派発言で買い。
  4. JPY(リスクオフ通貨):政府・日銀の為替介入警戒で買い。日米金利差拡大で売り。
  5. CAD(資源国リスクオン通貨):
  6. GBP(リスクオン通貨):「トラス英首相とクワーテング英財務相が法人税に関する発表を検討」報道で買い。「トラス首相は法人税引き上げ凍結案を撤回し、クワーテング財務相を更迭→英国財政の不透明感」で売り。
  7. NZD(資源国リスクオン通貨):
  8. AUD(資源国リスクオン通貨):

米国債イールドカーブ

10/14(金)は10/13(木)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差縮小)でドル買い優勢。

テクニカル分析

ドル円トレード

  • 月足:9月大陽線で引け。ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。
  • 週足:陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:10/13陽線。上昇トレンド。
  • 4H足:上昇トレンド。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス146.693付近まで下落→反発、レジサポ→目標日足レジスタンス147.227。

②ショート
(B)1H足サポート146.693下抜け→レジサポ→目標1H足サポート146.261。

【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー

・強いドル円上昇し、シナリオ外でトレードなし。

10月通算:1勝2敗、勝率33.3%、平均RR2.04
10月獲得pips:+4.6

(Trading View)

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